- 仮説思考ってなんなの?
- 仮説思考があるのとないのとでは何が違うの?
- 上司の指示が非効率なのってもしかして?
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 仮説思考とは何かを解説します
- 仮説思考がある人とない人の違いを解説します
- 仮説思考ができると仕事の質とスピードが上がります
仕事が早い人と仕事の遅い人の違いのひとつとして
「仮説思考」を持っているかどうか
ということがあります。
かんたんに言うと
- 手当たりしだいにやるか
- 当たりをつけてやるか
の違いです。
仮説を持って、当たりをつけて仕事を始めることで、仕事の質もスピードも上がるのですね。
あなたの上司から「仮説思考」を感じたことはありますか?
上司の指示が非効率なものばかりだったら、その上司は仮説思考がないかもです。
今回はそんな『仮説思考』について解説いたします。
仮説とは
まずは『仮説』の意味からです。
仮説とは
物事を考える際に
「最も妥当だと考えられる仮の答え」
のことをいいます。
ビジネスシーンでは、「ある論点に対する仮の答え」や「わかっていないことへの仮の答え」というような意味合いで使うことが多いと思います。
たとえば
- この問題の原因はこれではないか
- この問題はこうすることで解決するのではないか
このような、「たぶんこうなんじゃないか」みたいなものは『仮説』といえるのですね。
わりとよく聞いたり、言ってたりしますよね。
仮説思考とは
なので『仮説思考』とは、その仮説を出すための考え方になります。
なのですね。
仮説思考は普段の生活でも案外使ってます
いっけん難しそうな『仮説思考』ですが、普段の生活のなかでも使ってたりします。
たとえば
「洗濯機を買い替えようと思っていて、なるべく安く買いたい」というのを例にして考えてみましょう。
↓
そういえば型落ち品がお得って聞いたことがあるぞ
↓
新モデルって毎年いつ頃出るんだっけ?
型落ち品はお店も処分したいから決算時期が狙い目って聞いたな。
↓
家電に詳しい友人に聞いてみよう
ネットで調べてみよう
↓
よし、いったんこの時期まで待ってみて
時期になったら店頭に行ってみよう
これって、「洗濯機は毎年この時期に新モデルが出るから、今年もこの時期に型落ちになるはず」という当たりをつけて、「この時期まで待つ」という判断をしたのですね。
似たようなことをあなたも普段の生活でしていませんか?
実はこれも立派な仮説思考なのですね。
仮説思考がなかったら
逆に、仮説思考がなく、当たりをつけなかった、または当たりをつけられない場合
- 新モデルの発売を毎日チェックする
- 毎日店頭に見に行く
など、ちょっとたいへんなかんじがしますよね。
100%の確実性を重視して効率は問わない、というのであれば別にいいかもです。
最終的には性格や好みにもよってきますので。
ただですね、これはあくまで普段の生活のなかに限ります。
ビジネスシーンでは仮説思考がないとつらい
なぜかというと
ビジネスシーンにおいては、時間があまってしょうがないってことはあんまりないと思うんですね。
なので
今日、新モデルが出るかもしれない…
今日こそ、値下げするかもしれない…
って毎日毎日チェックに時間をかけるというような手当たりしだいな方法は、ビジネスシーンにおいては非常に効率が悪いです。
あなたの会社に、残業が多いわりには仕事が遅いような人がいたりしませんか?
そういった人は、もしかしたらこのような頑張り方をしているのかもしれませんね。
仕事が遅い人は仮説思考が持てていないのかも
たとえば、上司から集客のための新規企画を考えるように言われたとしましょう。
そうすると
いきなりやたらめったら情報収集を始めたり
いきなり作業にとりかかったり
仮説ゼロで作業を始める人がいたりします。
仮説ゼロで始めるということは
- 必要な情報が何かもわからないまま、手当たりしだいにたくさん情報を集める
- 作業の全体像が見えないまま、やれるところから手を付け始める
ということになります。
このような仕事のしかたは効率がわるく、仕事も遅くなります。
仕事が遅いと、期日までに十分な質に仕上げられないこともでてくるのですね。
前述したとおり、ビジネスシーンではすべての仕事に締め切りがあります。
そして、締め切りに余裕があるということはあまり多くないと思います。
残業でカバーするという手ももちろんあると思いますが、いつまでもそういった仕事のしかたを続けるよりは、仕事の効率が上がるに越したことはないと思うのですね。
仮説思考で仕事の効率は上がります
そこで仮説思考の出番になります。
仮説思考を活用することで、仕事のスピードと質をあげることができるようになるのですね。
たとえば先ほどの集客のため新規企画立案を例にしてみます
仮説思考がない場合
↓
20代に向けての集客施策を考える
30~40代に向けての集客施策を考える
50代以上に向けての集客施策を考える
企画書を作って上司に提出する
↓
上司から
「20代向けだけでいいんじゃないか」
と言われる
みたいな。
だったら先に言えよってかんじですよね。
残念ながら、仕事の任せ方が上手な上司なんてほとんどいないのですね。
これが仮説思考を活用すると
まずは、集客が必要そうな層を調べてみよう
↓
調査の結果、20代の層が落ちているから
20代向けにしぼった集客がよいのではないか?
↓
よし、20代向けの集客の企画を考えよう
こんなかんじになります。
企画書を作り始める前に上司に方向性の確認をすれば、なおよしですね。
仮説思考は本当に効率がいいのか?
「当たりをつける」のはいいけど、外れたらどうするの?
という意見もあると思います。
網羅できていないのでは?
仮説を立てて「当たりをつける」ということは、それ以外の可能性については一旦おいておくことになります。
それだと
あらゆる可能性について網羅できていない
という考えもあると思いますが
ここは『パレートの法則』で考えるようにするとよいのですね。
パレートの法則とは
パレートの法則とは、20%の重要なインプットが80%の成果を生み出しているというビジネス上の法則です。
売上の80%は、全体の20%の顧客で占めている
とかが有名な例ですね。
なので
「何が重要な20%にあたるのか?」
について
仮説を立てて動きはじめたほうが効率がいいことになります。
逆に全てを網羅しようとすると、残りの80%の重要でないかもしれない可能性に対しても
労力を使うことになるので、非常に効率が悪いことになるのですね。
仮説が間違っていたらそれこそ効率が悪いのでは?
そもそもビジネスシーンでは予測が完璧に的中することはありません。
どれだけ情報を網羅しても
どれだけ緻密に分析しても
どれだけ綿密に計画を立てても
たいがい外れます。
大事なのは早い段階での答え合わせと軌道修正
いくら予測しても外れるものは外れます。
なので、予測に時間と労力をかけるより
- 早い段階で仮説の答え合わせをすること
- 答え合わせの結果をもって軌道修正すること
この2つが重要なのですね。
さきほどの例でいえば
企画書の作成に着手する前に、上司に方向性の確認をとる
とかですね。
とはいえ、答え合わせと軌道修正をできる人は少ない
ぶっちゃけ、早い段階で答え合わせをして軌道修正をしていける人はほとんどいないのですね。
- 答え合わせをしない
- トラブルが起きてからうごく
- 予測が外れたら軌道修正ではなく、言い訳材料ばかり集める
- 予測が合っているようにみせるため、都合のいい情報だけ集める
こういう人のほうが多いです。
会社や上司の体質もあると思うので、しょうがない部分もあるとは思いますけどね。
まとめ:仮説思考で仕事の効率を上げましょう
- 仮説思考でうごくと仕事の効率が上がる
- 逆に仮説思考でうごかないと仕事の効率がわるい
- 完璧を求めず、パレートの法則で考えるとよい
- 仮説は外れてなんぼ。答え合わせと軌道修正が大事
上記のとおりです。
仮説を立てて、当たりをつけてからうごき始めるのと、あらゆる可能性を網羅して全方位でうごき始めるのとでは、かける労力や時間がぜんぜん違ってきます。
そして、時間をかければかけるだけ仕事の質が上がるとは限らないのですね。
仕事の任せ方が上手な上司、仕事のしかたを教えてくれる上司、そのような上司はぶっちゃけいないと思ったほうがよいでしょう。
なので、上司に言われたことを「そのまま」とりかかるのではなく、まずは仮説を立ててから着手してみるようにしてはどうでしょうか。
とはいえ、世の中には100%の網羅性と、限りなく高い予測の精度を要求し、失敗を許さないような上司もいたりします。
ですが、しかたありません。そういった人を管理職におくのも会社のマネジメントなのですね。
話のわからない上司に仮説思考やパレートの法則を説明してもしかたがありません。
「こいつアホだな」と思ってあきらめましょう。
保守的な役員や上司のチェックが厳しい案件では無理かもしれませんが、そうではない案件では活用できると思いますので、使えそうなシーンでぜひ役立ててみてください。
ではでは
お疲れさまでした。
この上司、保守派だったわー