- 論理的に説明するってどういうこと?
- 論理的な説明って必要なの?
- 論理的な説明ができない人にはどうするのがいいの?
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 論理的思考による話し方のコツを解説します
- 論理的思考を学ぶ書籍も紹介します
- 話すことだけでなく、メールや資料作成にも役立ちます
ビジネスシーンでは、自分の考えを誰かしらに説明して、相手に理解してもらう必要が出てきますよね?
論理的な話し方ができれば、会議やプレゼンなどで、筋道を立ててわかりやすく相手に説明することができるようになります。
あなたの上司がいかに論理的に話せていないかもわかるようになりますよ?
今回はそんな『論理的な話し方のコツ』について解説していきます。
論理的とは
まず、よく使う言葉『論理的』の意味です↓
「論理的に話す」ということは、筋道を立てて話すということなのですね。
論理的思考とは
論理的に話すには論理的に考える必要があります。つまり『論理的思考』ですね。
辞書だとこういう意味になります↓
※weblio辞書
まとめると
筋道を立てて考えること、わかりやすく説明することで、ロジカルシンキングとも呼ばれるのですね。
論理的思考の例
たとえば、「睡眠不足だから、集計作業を勉強しよう」
これだと、何を言っているのか意味不明ですよね。
「睡眠不足」と「集計作業を勉強する」の関連性がまったくわかりません。
これだとどうでしょう?↓
↓
なぜなら残業が続いているからだ
↓
残業が続いているのは、苦手な集計作業が多いからだ
↓
集計作業の効率を上げたほうがよさそうだ
↓
集計作業の勉強をしよう
「なるほど、そういうことね」とわかってもらえたのではないでしょうか。
このように考えるのが「筋道を立てて、わかりやすく説明する」ということなのですね。
論理的思考は身につけておいて損はない
ビジネスシーンでは、社内にしろ社外にしろ、何かしら説明しないといけないことが出てくると思います。
論理的思考を持って話すことで、自分の伝えたいことをわかりやすく説明して、相手に納得してもらいやすくすることができます。
また、相手の意見や質問に対しても、的確に答えられるようになります。
「論理的思考」や「ロジカルシンキング」と聞くと、苦手な方もいるかもしれませんが、論理的な話し方は、身につけておいて損はないノウハウだと思うのですね。
今回はロジカルシンキングの一部分の話です
ちなみに今回はロジカルシンキングの一部分の話です。
論理的思考を使った話し方(説明のしかた)のコツの紹介になりますので、わりと簡単におぼえてもらえると思います。
論理的思考が苦手な人の特徴
論理的思考が苦手な人、またはできていない人には特徴があります。
なかなか結論が見えない
聞く側だったら「つまり何が言いたいんだろう?」と疑問に思ったり
聞いた側だったら「早く結論から言ってほしい、、、」とイラっときたり
そんなことはありませんか?
結論が見えないと、話している内容が重要なことなのかどうかがわかりません。
それは聞き手にとって、けっこうな負担なのですね。
5分聞いてみたものの、結論を聞いてみれば「それ30秒で終わったよね」みたいな。
ビジネスシーンにおいて、何が言いたいのかわからない話を終わるまで真剣に聞くというのは大変です。
でも、話を途中で遮るのってためらわれるじゃないですか?
それが目上の人だったら、もう黙って最後まで聞いてるしかないですよね。
部分的に物事をとらえてる
論理的に話すということは筋道を立てて話すということですね。
筋道というのは簡単にいうと
↓
理由
↓
根拠
この流れです。
たとえば
(理由)いまのオラじゃフリーザには勝てねえ
(根拠)フリーザの戦闘力は53万だぞ(オラは5万だぞ)
こんなかんじです。
ビジネスシーンでみてみましょう↓
(理由)①売上高が計画を達成する見込みが立たない
②しかし、売上高の計画差を埋める手段が乏しい
③経費の削減であれば確実性がある
(根拠)今の売上高の推移で行けば、経費を10%削減することで、年間の利益計画は達成できる。このデータを見てくれ!
こんなかんじでしょうか。
論理的思考が苦手な人は、上記の「主張・理由・根拠」を部分的にとらえているので、筋道を立てて話せていなかったりするのですね。
どういうことかというと↓
「でも売上とるための方法が思いつかなくてですね」
「やっぱり経費とか削ったほうがいいですかね」
「どれくらい経費削ればいいですかね、あんまり削るとまずいですよね」
「このままだと利益計画がとれないかもしれないんですよ」
こんなかんじの人、いたりしませんか?
言ってることそのものはおかしいわけではないのですが
- 売上計画が達成しないことの報告なのか
- 売上をとる方法の相談なのか
- 経費を削ることについての相談なのか
- 利益計画が達成しなさそうという報告なのか
何が「主張」なのかが見えないので、ちょっと何を言いたいのかわからないのですね。
このように、論理的思考が苦手な人は、全体像が見えていなく、物事を部分的にとらえてしまいがちです。
そのため、「主張・理由・根拠」がごちゃまぜになってることが多いのですね。
詳しくはこちらで解説しています↓
プッシュ型思考でしか考えられない
「プッシュ型思考」とは、その名のとおり「押す思考」です。
過去の実績や経験に基づいて、現在の状況を、目標に向かって、押し上げる考え方です。積み上げ式とも言ったりします。
たとえばこんなかんじです↓
↓
販売促進策を検討する(過去の経験)
↓
販売促進策を実行したが、それでも売上計画には届かない
↓
このままだと利益計画も達成しなさそうだ
↓
経費を削減しよう(過去の経験)
↓
経費削減してみたが、まだ利益計画には届きそうにない
↓
もう少し経費を削減しよう(過去の経験)
↓
計画に届かなかった、もっと経費削減が必要だった
やれることをやって→やれることをやって→やれることをやって・・・
これが「プッシュ型思考」です。
現時点でできること(過去の実績や経験など)を押し上げていく考え方なのですね。
別に「プッシュ型思考」がわるいわけではないです。
この考え方が有効な場面もありますので。
「やれることをやって、計画を達成させよう」という「プッシュ型思考」に対して
「計画を達成させるには、どうする必要があるか」と考えるのを「プル型思考」といいます。
プル型思考は
最初に最終的な目標を設定して、目標を達成するためにやるべきことを考えていく、逆算式の考え方になります。
ビジネスシーンでは、仕事と呼んでいるもののほとんどには、数値計画や納期といった最終的なゴールが設定されていると思います。
そのため、押し上げ式のプッシュ型思考だけではゴールにたどり着けないことも出てきます。
そして、プル型思考で逆算式に考えられるようになるには、論理的思考が必要になってくるのですね。
論理的思考を使って論理的に話す4つのコツ
では、論理的思考が苦手な人でも、すぐに実践できる論理的な話し方のコツを紹介していきます。
① まず結論から話すようにする
自分が相手に何かを伝えたいとき、相手に質問されたときに、「まず結論から話す」ことは、論理的な話し方のなかでもとても実践しやすい方法なのですね。
話をしている途中で「あれ?結局なにが言いたかったんだっけ?」とか、「なんか相手の表情がへんだな? おかしなこと言ってる?」と思うことはありませんか?
でも、結論から話しておくようにすることで
- おのずと「結論(主張)→その理由」という流れになるはずなので、話がとっちらかったりすることがなくなります
- 結論が最初にわかったほうが、話を聞く相手の負担を減らすことにもなります
このような効果が期待できるのですね。
誰かに説明することが苦手だったりする方は、まずは「結論から話す」ということを意識して実践してみてください。
もし、部下や後輩のなかで苦手な人がいたら教えてあげるのとよいのですね。
② プル型思考で考える
ゴール(最終目標)から逆算式でのプル型思考で考えるようにしてみましょう。
たとえば
↓
資料作成に必要な要素をあげてみよう
・資料の完成予想図
・資料の構成
・作成に必要なデータ
・上司への確認
など
↓
作業時間を見積もってみよう
↓
作業スケジュールを立てよう
↓
スケジュールに沿って実行しよう
こんなかんじで、最終ゴールから現在の出発点まで逆算でやるべきこととスケジュールを決めていくようにします。
③ 「なぜ?」を繰り返す
「なぜ?」を繰り返すことで、部分的にとらえていたことから全体像が見えてきます。
全体像が見えてくると、最終ゴールがどこなのかも見えてきます。
たとえば
↓
なぜ、調子がよくないのか?(寝不足だから)
↓
なぜ、寝不足なのか?(残業が続いているから)
↓
なぜ、残業が続いているのか?(苦手な集計作業が多いから)
こんなかんじです。
とくに繰り返すべき回数は決まっていません。
「苦手な集計作業が多い」ということであれば
- 集計作業が得意な人に手伝てもらう
- 上司に担当を変えてもらう
対策として、このようなことも考えられます。
あるいは、さらに「なぜ、集計作業が苦手なのか?」と繰り返して
- 集計ソフトの操作に慣れていないから
- 集計のしかたの効率がわるいかもしれないから
このように、さらに考え続けることもできます。
ようするに
自分が「これだ!」と納得するものが出てくるまでやってみることが大事なのですね。
④ 紙に書きだしてみる
頭の中で「なぜ?」を何度も繰り返していても、途中で忘れてしまったり、まとめきれないことも出てくると思います。
なので
紙に書き出してみることをおすすめします。
紙に書くことで、考えをとどめて『可視化』できるのですね。
考えを可視化させることで、そこからまた考えが想起されて、考えがどんどんつながっていきます。
紙に書き出すことで、思考が活性化するのですね。
もちろん「紙」の代わりに、パソコンやホワイトボードを使うのもOKです。
論理的思考を学べる書籍おすすめ3選
論理的思考が学べる書籍をご紹介します。本を読んでより知識を深めてみましょう。
本質的な仕事のしかたが変わると、仕事の効率も劇的に変わるのですね。
人生のプロジェクト
タイトルはまったく「ロジカルシンキング」っぽくないのですが、期限を決めて逆算で考えることや、ロジックツリー、因数分解、MECEなど、論理的思考についてわかりやすく書かれています。
文字数も少なく、要素が凝縮されたかんじなので読みやすいです。
世界一やさしい問題解決の授業
こちらも文字数少なめで、イラスト多めです。
ロジカルシンキングの要素がわかりやすくまとめられていますので、とても読みやすいです。
イシューからはじめよ
一度でも「イシュー」と口にしたことがある人は、読まねばならない本。それがこれです。
この本を読んでない人は「イシュー」を口にしてはいけないと言っても過言ではないでしょう。
そんな、元祖イシュー、イシューのなかのイシュー本です。
ロジカルシンキングの基本的な内容だけでなく、「解決策」ではなく、何が解決すべき「課題(イシュー)」なのかを見極めることの重要性について書かれています。
まとめ:論理的な話し方は意識すれば今日からすぐできます
- 結論から話す
- 逆算式で考える(プル型思考)
- 「なぜ?」を納得のいくまで繰り返す
- 頭のなかの考えを紙に書き出す
上記のとおりです。
とくに「結論から話す」はとても実践しやすいので、論理的な話し方が苦手だった人は、ぜひこれから実践してみてください。
論理的思考・ロジカルシンキングは、ビジネスシーンで活用できる場面が多いので、今回ご紹介した書籍などを参考に論理的思考力を鍛えて、ぜひ仕事に役立ててみてはどうでしょうか。
とはいえ、まったくロジカルじゃない上司に「結論から言ってもらっていいですか?」とか言っちゃうと、あなたのサラリーマンライフがジ・エンドな結論に向かってしまうかもしれません。
話の通じない上司はどこにでもいるものです。ですが、しかたありません。それが会社のマネジメントなのですね。
あくまで、自分の受け持つ案件など、自分の主張を理解してもらうために使ったり、部下や後輩のフォローに使うくらいがちょうどいいと思うのです。
ではでは
お疲れさまでした。
いっこうに結論が見えないわー