- 議事録って何をどう書けばいいの?
- 議事録って何のために書くの?
- 議事録の正しい書き方とかってあるの?
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 議事録の書き方を解説します
- 議事録作成における考え方を解説します
- 議事録作成で「何をどうかけばいいのか」悩まなくなります
議事録といえば、新人の仕事とか、職位が一番下の人が担当する雑務の1つという認識を持っている方もいるのではないでしょうか。
そのため、「とりあえず議事録作っておいて」と言われただけで、ちゃんとした議事録の書き方を教わったことがない人の方が一般的なのですね。
今回はそんな『議事録の書き方』について解説していきたいと思います。
議事録作成における考え方
まずはじめに心構え的なことになるのですが、大切なことなのでいちばん初めにお伝えしたいと思います。
議事録作成は雑務っぽい扱いをされやすいですが、実は非常に「資料作成能力」が問われます。
言いかえると、作成すればするほど「資料作成能力」が鍛えられるということなのですね。
どういうことかというと、ちゃんとした議事録を作成しようとすると
- 傾聴力
- 確認力
- 構成力
- 要約力
- 文章力
こういった力が鍛えられます。
実はぜんぜん雑務とかではないので、ぜひ前向きに取り組んでもらえたらなと思います。
議事録の基本的な書き方
会社や部署によってフォーマットは様々ですが、書くことはそんなに変わりません。
基本的な書き方は次のようになります。
議事録に書くこと
- 会議名、開催日時、参加者、場所
いつ、どこで行われたのか、誰が参加していたのか - 会議の目的
何のための会議だったのか - 決定事項
結果として何が決まったのか - とるべき行動(アクション)
何を誰がいつまでにやることになったのか - 議論の内容
議論の経緯・概要(こういう議論がされたということ)
議論の詳細(誰がどういうことを言ったのか)
上記のとおりです。
ただし、これら全てを書くことが正しい書き方というわけではないのですね。
議事録作成の目的に沿って、過不足のない内容で作成するのがベターになります。
その理由について解説していきます。
議事録を作成する目的
議事録を作成するということは、作った議事録を何かに使うということになります。
なので、『議事録作成の目的=議事録を使用する目的』として考えてください。
議事録を作成する(使用する)目的は主に次の4つになります。
- ①【決定内容の記録】会議の参加者と関係者に、決定内容を知らせるため
- ②【とるべき行動の記録】 会議で決定したアクションの内容・担当者・期限を明確にするため
- ③【議論の詳細の記録】会議で議論した内容を記録しておくため
- ④【実施の記録】会議を行ったという記録を残しておくため
それでは1つずつ見ていきましょう。
①【決定内容の記録】会議の参加者と関係者に、決定内容を知らせるため
会議は基本的に何かを決めるために開催していると思いますので、「何が決まったのか」決定内容を書いておきます。
決定内容をきちんと記載しておくことで
- 参加者の認識合わせ
- 参加者の備忘録
- 会議に参加していなかった関係者への伝達
このような使い方ができるのですね。
逆に、決定内容を書いていないと
- 参加者の認識が合っていないことも出てくる
- 何が決まったのか忘れてしまう
- 情報伝達不足により関係者の仕事に支障がでる
こういったことが起きてしまうのですね。
②【とるべき行動の記録】 会議で決定したアクションの内容・担当者・期限を明確にするため
会議の決定内容には、たんに「こう決まりました」というものもあれば、その決定を受けて「誰かが何かをする」ということも出てきます。
なので
ということも明確に書いておきます。
このアクション内容、担当、期限を書いておくことで
- 参加者、とくに担当者との認識合わせになる
- 決まったことが実行されないということを防ぐ
このように使用することができるのですね。
③【議論の詳細の記録】会議で議論した内容を記録しておくため
場合によっては決定内容以外のことも議事録に書いておくことがあります。
大きく分類すると
- 決定にいたった理由(こういう理由で決まりましたね)
- 議論した内容(こういうことを話しましたね)
この2つです。
- どんな経緯で誰が承認・決定したのかを明らかにしておく
- 決定に関することではないものの議論に挙がったことを備忘録として書いておく
こうすることで
- あとあと「言った言わない」にならないようにする
- 関係者に会議の内容をより理解してもらえる
という使い方ができるのですね。
④【実施の記録】会議を行ったという記録を残しておくため
形式的な意味合いが強く、内容よりも「会議を行った記録」として"あること"が重要視されていることもあります。
会社や部署の風習であったり、上司がそういう考えであったりと、理由はさまざまです。
個人的にはあまり意味がないと思うのですが、「郷に入れば郷に従え」ということもありますので、なんともいえないところです。
【重要】議事録は目的によって書くことが変わる
議事録に書く内容は、作成する目的によって変わってきます。
ということなのですね。
言いかえると
ということです。
この「何のために議事録を作るのか」の認識を合わせないまま、議事録を作成しているケースが意外と多いです。
基本的に議事録は
- 目的に沿った内容で過不足なしがベター
- 過剰品質は作り損
なのですね。
次は、何のための議事録なのかを確認せずに作ってしまうことでのありがちな例を紹介していきます。
ありがちな例①:書くことが不足している
- 議論の内容は書かれているが、決定内容が書かれていなく、けっきょく何が決まったのかわからない
- アクションの内容は書いてあるけど、担当と期限が書かれていない
これは「不足」のパターンです。
進行役が決まったことを確認しない会議で議事録を任せられると起こりがちです。
「こんな議論をしました」というのは書けても、「何が決まったのか」というのは、会議が終わってしまうと後からは書けないものなのですね。
ありがちな例②:過剰品質
- 決定内容だけでいいのに、議論の内容まで書いている
- 議論の内容が、誰が何を発言したのか「発言録」みたいになっている
- ほとんど誰もみない議事録を全力で作っている
これは「過剰品質」のパターンです。
よかれと思って書いたり、たんに前例にならって書いたりすることで起こりがちです。
「そこまでやる必要はないよ」と言ってくれる人がいればいいのですが、案外いないものです。
かけた労力に対して作り損になることが多いのですね。
会議中にメモする内容も変わります
目的によって議事録で書くことが変わるということは、会議中にメモする内容も変わるということなのですね。
事前に目的を確認しておけば、必要なことのみメモすればよいので、とても効率がよくなります。
議事録作成は会議前から始まっているということなのですね。
議事録作成の目的を事前に確認しておきましょう
目的に沿って「過不足なく」作成することが、議事録作成の目的を果たすことになりまし、もれなく仕事の効率も上がります。
「何のための議事録なのか」あなたに議事録作成を任せた上司や先輩に事前に確認しておくことをおすすめするのですね。
まとめ:議事録は「どう書くか」の前に、「何を書くか」を明確にしましょう
- 「議事録作成の目的=議事録を使用する目的」ということ
- 何に使う議事録なのかで、議事録に何をどこまで書くかが変わってくる
- 議事録作成の目的を事前に確認することで「過不足」を防げる
- 会議中のメモも必要なことだけでよくなる
- もれなく仕事の効率も上がる
上記のとおりです。
「どう書いたらいいのか」で悩む人が多いですが、まずは「何を書くべきか」を明確にすることをおすすめします。
言いかえると「書かなくてもいいこと」を明確にするということでもあります。
これだけで議事録はグッと作りやすくなるのですね。
とはいえ、社内会議の議事録への関心はわりと低く雑務扱いになりがちです。
- 作成のしかたをきちんと教えてくれる人がいない
- そもそも社内、部署に良い議事録の基準や見本がない
- 一生懸命に作成しても特に何もない
- 修正や訂正の指示だけはされる
- そもそもほとんどの人が見ていない
こういったことも多いと思うのですね。
議事録は作らせるけど、議事録の使い方をわかっていない上司はどこにでもいるものです。ですが、しかたありません。それが会社のマネジメントなのですね。
過剰品質になることだけは避けつつ、自分の資料作成能力を鍛えるという目的で数をこなしてみるというのはどうでしょうか。
議事録作成ほどビジネススキルは鍛えられるけど承認欲求が満たされない業務はないと思いますので、ほどほどに頑張っていきましょう。
ではでは
お疲れさまでした。
議事録にまったく関心ないほうの上司だったわー