「ミッション=すぐ形骸化」←言った上司が実は本気じゃないということ
会社や上司がミッションとかビジョンとか言って何か打ち出すけど
  • 「どうせ最初に1回言っただけで終わるやつでしょ」と思っている
  • 「ただのパフォーマンスでしょ」と思っている
  • 「意味ないやつでしょ」と思っている

この記事はそんなモヤモヤを感じたことのある方に向けて書いています。

よく年度のはじめになると
会社だったり部署だったりの
ミッション・ビジョンとかが
打ち出されたりすると思います。

ですが

その後2度と耳にすることはない

そんなことないですか?

考えて打ち出した人は
いったい何を思っているのでしょうか?

ぶっちゃけ

何も思っていない

と思うのです。

打ち出したものの
実はそんなに優先度が高いと思っていないから

実践されることもなければ

会話に出てくることもない

と思うわけです。

テン
打ち出した人も忘れてんじゃないですかね?
なぜ形骸化してしまうのか
その理由について
一緒に考えてみませんか?
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【ミッションとは】最初に1回言ったきりで、2度と会話に出てこないもの(と思わざるをえない)

そう思わざるをえない理由を
体験談を踏まえてお伝えしたいと思います。

【実録奮闘記】部長と部のミッションを考えたとっても無駄な2年間

部署というのはルーチン業務もありますから
「誰に対してどういう価値を提供していきたいのか」といったようなことが特になくても
それなりな毎日が過ぎていきます。

私が販促を担う部署に配属になったときの話です。

目的のない部署

販促を担っているといっても、企画を行うことはほとんどなく、依頼を受けて販促ツールの製作や業者への手配などを行う、請け負い感の強い部署でした。

そのため「依頼をこなす」というルーチン業務が主ではありましたが、それだけではいけないというのもあったらしく、部としてやるべきこととしていろいろタスクを掲げていました。

やるべきこととして挙げられていたタスクの一例
  • 販促効果の可視化
  • CRMの向上
  • リテンション率向上
  • 商材別販促プランの率案

など

 

どれも抽象的な表現であり
いつまでにどうしたいのか
期限もゴールも無いものばかりでした。
重要度も緊急度もわからないためか、ほとんど何も進んでいない状況でした。

担当となっている人に聞いても
担当者がそもそもタスクについての理解がなく、任されたほうも悩んでいたりしました。

これらのタスクは

いったい誰が何をしたいことのなのか

さっぱりわかりませんでした。

テン
イミフ

部長と部下の橋渡しを試みる

正直なところ

この部長のマネジメント
そうとうやばいな

と思いましたが

部長が自分の考えを
きちんと部下に伝えられていないだけ

だと思って

部長の考えを整理して
あらためて部のメンバーに伝えませんか
ということを提案しました。

部長への提案内容
  • 誰にどういった価値を提供する部署なのかを明確にする(ミッション)
  • この1年間で、部としてどういった成果を上げていきたいのか明確にする(ビジョン)
  • ミッションとビジョンを行動指針として、掲げていたタスクを仕切り直したうえで行動計画を立てる(アクション)
  • 部下とすり合わせる時間をつくる(認識合わせ)

こうして、部のミッション策定がはじまったのでした。

 

部のミッション策定

ミッション策定において意識したのは
具体性でした。

抽象的だと
それはつまり誰が何をすることなのかがあいまいになるので
何も進まないという今の状況と変わりません。

打ち出して終わりにならないように
具体的なアクションまで落とし込み
担当と期日も決めました。

ミッション策定の一例
  • ミッション(目的)
    販促の費用対効果を上げながら客数を向上させる

  • ビジョン(目標)
    販促の実行の結果を正しく認識して、次につながる検証ができるようになる
    など

  • アクション(行動計画)
    ・販促の評価方法を実行前に決める
    ・評価方法について関係者と合意形成する
    ・評価結果は社内でオープンにする
    ・費用対効果の定義を決める
    など

 

あとは
打ち出して実行するのみです。

部のミッション発表

部署全員参加の会議もと
部長より『部のミッション』が発表されました。

メンバーの反応はいまいちでしたが
有言実行の宣言でもあるので
打ち出したことをきちん実践していくことのほうが大事なのです。
実践することで理解も追いついてくるはずです。

 

最初に1回言って終わった1年目

結論から言いますと
打ち出して以降
部長の口から
「部のミッション」が出ることは
1回もありませんでした。

決めたアクションは各担当が粛々と進めはしたのですが、限られたメンバーで進めていたため、部内での部のミッションの理解は低いままでした。
また
部長が受け持ったタスクが未着手だったという事実も判明しました。

正直なところ

この部長、終わってるな

と思いましたが

きちんと振り返りを行って
2年目に向けて仕切り直すことを提案しました。

 

1年目の振り返りと2年目の宣言

部長
部長として部のミッションを浸透させることを怠っていた

浸透を怠ったことと合わせて、限られたメンバーで進めていたのもあり、ミッションを決めた意味がないことを反省している

今後は部長としての役割を全うし、きちんと部のミッションを浸透させていく

 

それ、本気で言ってんだろーな

と、思いましたが

自分でやると言ったことは
きっちりやっていただきましょう。

年度も変わったので
あらためて
この1年間の過ごし方を決めたりと
行動計画を調整して
さあ、2年目のスタートです。

 

そして2度と語られることはなかった2年目

ここも結論から言いますと
部長からミッションが語られることは
2度とありませんでした。

この部長、ほんと終わってんな

と思いました。

もともと部のメンバーも
この部長にはいっさい期待しておらず
「あの人はマネジメントは絶対向いていないよね」
「あの人は自分のこと以外興味ないよね」
とか
そんな評価だったりします。

結局のところ
この部長は別に本気でやりたいとは思っていなかったのでしょうね。

私もこの部長には
何を言っても無駄だな
と思いましたので
部のミッションについて触れるのはやめました。

とても無駄な2年でした。
(いや、ある種勉強になりましたよ。ある種)

テン
そういう人を部長職においているが役員のマネジメントですから、弱者にはどうしようもないです

【実例】なんか会社のミッションが書かれた冊子が配られましたけど、6ヵ月間1度もちゃんと見たことがありませんでした

ある日、会社から小冊子が全社員に配布されました。
会社のミッション・ビジョンが書かれたもののようです。

パラパラめくって
引き出しの奥にしまいました。

部長からは
追って説明会が開かれる
とのことでした

あんたは配って終わりかいっ

と思いましたけど
まあ、もはやどうでもいいです。
(ええ。あの部長ですとも)

そんなことも忘れたころに
その説明会が開かれました。
冊子を受け取ってから6ヵ月が経っていました。

説明会は社長が自ら説明をしてくださいました。
割とちゃんと聞いていたつもりなのですが
説明会から8ヵ月くらい経ったいま
内容はまったく覚えていません。

その8ヵ月間で
会社のミッション・ビジョンについて
耳にすることはありませんでした。

説明会を開いたとはいえ
こちらとしては
耳にしたのはその1度きりですから

そりゃ忘れますよ。

テン
具体性のない内容だったことくらいは覚えてますよ?

「瞬間的発言」と「継続的会話」という考え方

1度言ったきり
というのが
瞬間的発言

その後も会話に出てくる
というのが
継続的会話

です。

瞬間的発言と継続的会話
  • 瞬間的発言
  • 1度言ったきりで、その後は耳にすることがない。

  • 継続的会話
  • 会話によく登場する。よく会話のテーマになっている。

こんなかんじです。

打ち出して終わりで
何ら機能することなく形骸化してしまうのは
瞬間的発言
であることが多いと思います。

継続的会話となるのは

  • 関心の高いもの
  • 意識が向いていること
  • 重要だと思っていること

などが多いと思います。

例えば
「人材育成について熱く語り、社員の能力開発に力を入れるんだ!」
と高らかに言ったかと思えば
売上の話ししかしていない。

このようなことはありませんか?

なので
結果として瞬間的発言になってしまう内容は
ウソではないにせよ、あんまり重要だとは思っていないこと
だと思うのです。

そして
継続的会話の内容には
普段意識していることが無意識に現れる
のだと思います。

 

なぜミッション・ビジョンが会話に出てこないのか

では
なぜミッション・ビジョンが会話に出てこないのか

それは――

ぶっちゃけ

本気でそう思っていないから

だと思うのです。

前述のように
重要だと思っていることは
日常の会話に出てくるはずです。

「顧客目線で考えるんだ」
とか言いつつ
何を議論していても
まったく顧客目線で語られないのは
本当に重要だとは思っていないから
だと思うわけです。

打ち出した人が
意図的に会話に出していかないと
継続的会話にはなっていかないと思います。

なので
何度も何度も繰り返し口に出す人は

この人、本気だな

と思うわけです。

 

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形骸化しているなと思った時の対処法

気にしない
言った人が本気でそう思っていないですから
目下の人間が何を言っても変わらないと思います。
ボトムアップではムリです。

テン
打ち出した本人も気にしてないから大丈夫

それでもまたミッション・ビジョンが打ち出されたときの対処法

何も期待しない
どうせ言ったきりで何もしないと思いますので
期待などせずに
すぐ忘れてしまいましょう。

テン
さ、仕事しましょう

エピローグ:そういえば部の方針とかすっかり忘れていました

体験談でお話しした部署から
いまは違う部署にいます。

資料などを片付けていたら
部の方針書というのが出てきました。

あ、こないだの会議のやつだ
と思ったのですが

部の方針とかまったく記憶にありませんでした。

割とちゃんと話を聞いていたつもりなんですけどね。

ま、そんなもんじゃないですか。

 

まとめ:ミッションが形骸化する理由

  • 打ち出したものが形骸化するのは、言った人が本気でそう思っていないからである
  • 本気のものは、継続的会話に現れる
  • 本気じゃないものは、瞬間的発言で終わる
  • ミッションとか聞こえのいいことを言っているが、どうせ実践されないから過度な期待はしない
  • すでに形骸化しているミッションは、打ち出した人も忘れているから放っておく

いかがでしたでしょうか?

自分が打ち出す側になったときは
瞬間的発言なのか
継続的会話なのか
を意識してみるのがよいと思います。

ではでは

テン
ミッションとかって資料だけはすごい作りこみますよね。資料だけは

 

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