「当事者意識を持て」とか「主体性を持て」と上司に言われたときの対処法

上司がよく言ってくる「当事者意識を持て」についての理解を深め、サラリーマンライフをサバイブしていくコーナーの第2回目となります。

第1回目はこちら↓

 

前回のおさらいです。

  • 当事者意識は抽象的で意味が不明確な言葉
  • ゆえに当事者意識の解釈は使う上司しだい
  • 当事者の範囲も上司しだい
  • 当事者意識があるかないか決めるのも上司しだい
  • つまり「当事者意識」は上司にとって都合のいい解釈で使われる
  • そんな上司もよくわかっていないで使っている
  • だから言われた方も理解不能

つまりーー
「当事者意識を持て」とは、マネジメント能力が低い上司がポジショントークのために使っている言葉なのですね。

では、上司に「当事者意識を持て」と言われたらどうするのがベターなのか
今回はその対象法について考えていきたいと思います。

結論としては『真に受けないでスルーする』がベターです。
それでは詳しく見ていきましょう。

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「当事者意識を持て」の傾向と対策

上司が「当事者意識を持て」と言う場合、その使い方は大まかに4つの傾向に分かれます。
それぞれの傾向と対策について考えていきましょう。

傾向①:あなたが本当に当事者意識を持ってないと思われたとき

誰がどうみても"あなた”が当事者で、誰がどうみても"あなた”が当事者としての役割をまっとうしていなかったら、上司は"あなた”に「当事者意識を持て」と言うでしょう。そんなパターンです。

対策:
  • 当事者意識を持ってとりあえず仕事をしてみましょう
  • 納得がいかない場合は、本当に自分が当事者かどうか上司に確認してみましょう

 

傾向②:「もっと主体的にうごいてほしい」というニュアンスのとき

明確なことを示せない上司がポジショントークに使ったり、マウントを取りに来るときに使うパターンですね。あとは、マネジメント能力の低い上司が、部下に対してなんとなく今以上の働きを期待して言うパターンもあります。

この「主体的」って言葉もよく聞くと思うんですね。意味はこうです↓

活動の中心となるさま。自主的。

じゃあ、「自主的」ってなによ? ってなりますよね。

他からの指図や干渉によらずに、なすべきことを自分の意思に基づいて行うさま。





「役割分担」って言葉しってんですかね?
皆がみんな主体的にうごいたらカオスですよ?

ちなみに「中心」ってこういう意味です↓

まんなか。すべてがそこに集まり、また、そこから出るという働きをする物。そういう位置。

中心が2個あったら、それはもう中心じゃないですよね。

* * *

この傾向はこんな上司に多くみられます↓

  • マネジメント能力が低く具体的なことを伝えられない
  • 人材育成の引き出しが少ない
  • 部下を育成できない(育成した経験がない)
  • チームビルディングができない
  • 部下に対しての自己顕示欲が強い

自分自身が当事者意識を持ってやってきたと思って、それが会社に認められたと自負している上司ほど、部下に自分と同じことを求めるものなのですね。
なので、上司はこれで部下を育成しているつもりだったりするわけです。
ある種マネジメントの放棄とも言えます。
たちが悪いですね。

対策:
  • ダメもとで具体的にどういうことを期待しているのか聞いてみましょう
    A:ちゃんと答えてくれた
       ラッキーです。まだまともな上司ですね。
    B:「それは自分で考えるものだ」と言われた
       ハードモード突入です。

 

傾向②´:ハードモードだったとき

「当事者意識を持て」ってどういうことですか? と聞くと
なかには「それを自分で考えるのも含めて当事者意識を持つということだ」とか言ってくる上司もいるのですね。

「答えを教えちゃいけない」と思っていて、考えさせるのが人材育成だと勘違いしている人ですね。
ただですね、そういう人はそもそも教えられるような答えをもっていないんですね。
なのになんか勘違いしちゃってるんですね。

ちょっと思い浮かべてみてください。
その上司が「育てた」という部下はいますか?
その上司に「育ててもらった」と本気で思っている人はいますか?

そうです。

いないんですね。

ハードモードでは、このようなたいへん残念な勘違い上司を相手にしていくことになります。

ハードモードの対策:
  • スルーする
    「そうですか」と言ってスルーしておきましょう。
    このような上司は自分の言ったこともすぐ忘れます。マウントとりたいだけです。

  • 食い下がってみる
    あなたにもしモチベーションがあれば、食い下がってみるのもありです。
    「前に出ろって、具体的にはどういうことを頑張ればいいんですか?」とか、聞いてみましょう。
    あと、努力するつもりなら念のため『言質』をとっておいたほうがいいでしょう。
    そもそもマネジメント能力の低い上司ですから会話の内容もすぐ忘れます。

 

傾向③:不特定多数に向けて言っているとき

部署のメンバーとか、全従業員とか、不特定多数に向けて言っているパターンです。

だいたいが「いまよりもっと頑張って会社に貢献しろ」みたいなニュアンスで言っているだけで、まったく中身のないメッセージなのですね。

そもそもですよ、当事者意識を持っているんなら言わなくてもいいことじゃないですか?
じゃあ、当事者意識がないから言っているのかというと、そうなのかどうなのかもわからなかったりします。
つまり、誰に向けて何を言いたいのかわからないメッセージというのは無意味なのですね。

対策:
  • スルーです
    誰に向けて何を伝えたいのか、まったく具体性のない内容なのでスルーで大丈夫です。
    上司がポジショントークしたかっただけです。

余談:
不特定多数に向けて、どんな人に向けて何を伝えたいのかわからない言葉はよくあります。
聞こえのいい言葉はたいがいそれなのですね。

例えば
「頑張っている人が馬鹿を見ない会社にしたい」
――とか。
なんか聞いたことあるんですよね。これ。

でもですよ? ちょっと考えてみてください。

頑張っているのに馬鹿を見てる人がいるのかい? いないのかい? どっちなんだい?
それは誰が見て決めるんだい?
そんでもって、増えてんのかい? 減ってんのかい?
――って思うわけですよ。

「僕、頑張ってるけど馬鹿見てるんですけど?」
って自己申告したら真摯に対応してくれるんですかね?

このように聞こえのいい言葉は、よくよく考えてみるとイミフな内容が多いです。
言っているほうも、自分でおかしいことを言っていることに気づいていないのですね。
あなたもマインドコントロールされないようにお気をつけください。

 

傾向④:「もっと献身的に働いてほしい」というニュアンス

いわゆる『ブラック』感が強いパターンですね。

「主体的」ではなく「献身的」なんです。

ちなみに「献身的」の意味です↓

自分の事を顧みず心身ともに捧げるほど他のために尽くすさま。

やばいですよね。

とにかく自己犠牲のもと会社に全てを捧げることを求められます。

対策:
  • 「わかりました」と言って、いままでどおり仕事する
    いままで以上に頑張っちゃいけません。つけ入れられますよ?
     

  • 転職活動する
    あまりにも上司からの圧が強いようでしたら転職活動を進めておいて、つらくなったら逃げられる準備をしておくのがよいです。 

 

当事者意識って評価されるのか?

さて、『傾向と対策』は以上になるのですが、じゃあ当事者意識を持って今まで以上に頑張っても本当に何もいいことがないのか?って思うじゃないですか?

ぶっちゃけ『何もない』と思うのですね。

やりがい搾取されて終わりじゃないですか?

 

当事者意識を評価される人

「あいつは当事者意識を持って頑張っている」とかって、上司が言ってくるじゃないですか?

いや、そいつ当事者ですけど?

って思うんですよ。

当事者なんだから仕事するのは当たり前じゃないですか。
職責の範疇ですよ。ふつーに。

――ということで
当事者が当事者としての仕事をして評価されることはあっても、「当事者意識」が評価されているわけではないということなのですね。
もちろん上司はそんなこともわかってないで言ってますよ(マネジメント能力が低いですから)

なので
よし、あいつを見習ってがんばるぞ! とか思わなくて大丈夫です。

そもそも、ひきあいに出すって上司としてどーなのよ? ってのもあります。
他の人と比較するのは三流の上司がやることなのですね。

「当事者意識」そのものは評価されない

例えばですよ、部署のなかで集計業務ができる人が必要になってきたとしてですね

  • 自主的にエクセルを勉強しはじめたけど、ピボットも関数も結局使いこなせないパフォーマンスの低い人
  • 上司に言われてから勉強しはじめたけど、ピボットも関数もバリバリ使いこなせるようになったパフォーマンスの高い人

どっちを評価しますか? ってはなしですよ。

100% 後者じゃないですか。

当事者意識を持って主体的に頑張ったところで「主体性」は評価されないということなのですね。

 

当事者意識を評価するしくみがない

わかりやすいのが「言ったもん負け」ですね。

「当事者意識を持て」「当事者意識を持て」と上司が言ってくるから、自分事だと思って発言したら『不利益』をこうむった。

そんな経験をしたことはありませんか?

第1回目でも述べましたが
上司は「当事者意識を持て」という一方で

  • 発言の機会を与えず、意見を求めない
  • 言われたことだけをやるように指示する
  • 意図や考えは伝えず、最低限の指示のみする
  • 「およびじゃないんだよキミは」という態度をとる

このような「当事者意識をなくさせる」行為もしてくるのですね。

なので『当事者意識が評価されるしくみ』がないどころか、当事者意識を出そうものならペナルティです。
そうです。ムリゲーです。

 

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まとめ

「当事者意識を持て」と言われたときの『傾向と対策』、当事者意識を持って頑張る価値があるのかどうかについて考えてみました。

結論としては

  • 「当事者意識を持て」と言われたらスルーする

  • 「当事者意識を持て」と言われても真に受けてはいけない

  • 「当事者意識を持つ」ことは『手段の目的化』でしかない

  • 「当事者意識」を持とうとすることに価値はない

上記のとおり。

上司に「当事者意識を持て」と言われて、「当事者意識を持って頑張ろう」はおすすめしません。
やりがい搾取されて疲弊します。

『手段の目的化』は、マネジメント能力の低い上司がすることなんですね。

例えば「会議で発言しないといる意味がない」とか言ってくる上司がいますよね。
発言したから何なのでしょうか?そもそも何のための会議でしたっけ?ってなるじゃないですか。
発言させることが目的になっているケースですね。

これって、意味ないじゃないですか。

「当事者意識を持て」もまったく同じことです。

つまり、上司はマウントをとりたいだけなんですね。

 

さいごにマウントの意味です(いまさら)↓

言葉や行動により、相手より優位に立ち、支配しようとすること

「当事者意識を持て」はマウントをとるにはもってこいのワードなのですね。
なので、メンタルをやられないように気をつけてください。
マウントとられて「自分はダメなやつなんだ」とか思い込まされないでくださいね。
スルーです。スルー。

自分の心身をたいせつにしてサラリーマンライフをサバイブしていきましょう。
ではでは
お疲れさまでした。

テン
まじかー
ハードモードだったわー
うちの上司、ハードモードのほうだったわー
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