- 目的って立てる必要があるの?
- 目的ってないとどうなるの?
- 目的って立てたあとにどうすればいいの?
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 目的を立てることの本質を解説します
- 目的を立てたあとの本来の使い方を解説します
目的って抽象的で定性的な表現のことが多いので、ただの飾りになってたり、印象に残らず忘れられてしまうことが多いのですね。
ですが、目的は本来『判断基準』として機能するべきなんです。
あなたの上司もたぶんわかってないと思いますよ?
今回は、そんな『目的を立てる』ことの本質について解説していきます。
目的とは
辞書だとこういう意味ですね↓
実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。「当初の目的を達成する」「目的にかなう」「旅行の目的」
※goo国語辞書
「行動のねらい」とありますので
「何のためにその行動をとるのか」の「何のために」にあたるものですね。
ちなみに、目的と目標の違いってなによ? と思ったかたは、こちらで詳しく解説しています↓
目的はないといけないのか
目的の意味はわかりました、と。
じゃあ、目的ってないといけないのかっていう意見もあると思います。
目的、目的といっても…
- 人生について
- 仕事上の案件について
ざっくりこの2つに分けられるかなと思います。
人生について
人生のなかで目的は必ずしもいらないかもです。
逆に目的をもって生きている人のほうが少ないんじゃないですかね。
ホリエモン氏も「人生に目的なんて一切いらない」って言ってますしね。
興味があれば『多動力』を読んでみてください↓
ここはいろいろな考え方もありますし、哲学的なことや、人生論みたくなってしまうので、本記事ではふれないことにしますね。
本題は次になります。
仕事上の案件について
企画とか業務のことです。
「仕事」ってすると「仕事も人生の一部ですよね」って言われるじゃないですか?
なので「仕事上の案件」という、やや苦しい表現にしました。
今回はこちらがお伝えしたいことの対象になります。
結論としては、仕事上の案件については「目的は必要」だと思うのですね。
その理由について解説していきます。
目的は判断基準となる
今回の結論にあたる部分になります。
判断基準とは
まずは判断基準の意味です↓
方針を決めたり選択したリする際によりどころとして用いる物事、事情や数値などを指す表現。
※Weblio辞書
つまり
- 善し悪し
- 是か非か
- A案かB案か
などを決めるときの基準になるものなのですね。
判断基準があることで
- 適切な行動(手段)を考案したり選択できるようになる
- 適切ではない行動(手段)かどうかを見極められるようになる
- 判断できる、決められるようになる
逆に判断基準がないと
- 適切な行動(手段)を考案したり選択することができない
- 適切ではない行動(手段)かどうかを見極められない
- 判断できない、決められない
上記のとおりです。
次は、目的を判断基準としてどう使うのかを見ていきましょう。
【具体例でわかる】目的を判断基準として使う方法
たとえば「温泉に行きたい」を例に考えてみましょう。
(仕事のことじゃないんかいって思いましたよね?)
判断基準がないと決めづらい
温泉に行きたい
↓
どこの温泉に行く?
↓
うーん…どこにしようかな
――というのがよくあるパターンですね。
「何のために」を考えてみる
ここで、「何のために」温泉に行きたかったのか考えてみるんですね。
目的が「疲れを癒したい」だったら
- 遠くないところ
- 混んでないところ
- 日帰りよりも一泊二日
――などが、決める条件として出てくると思うんですね。
逆に
- 遠い
- 人気なので混んでいる
- 日帰り(早朝出発→夜帰宅)
――とかだったら
なんか疲れることになりそうですよね。
でも判断基準がないと、いろんな人がいろんな意見をいいますから、目的にそぐわない条件も選択肢に含まれてしまうんですね。
その結果として
「あれ?そもそも、なんで温泉に行こうと思ったんだっけ?」
というようなことになったりします。
似たような経験はありませんか?
目的によって判断基準も変わってくる
もし目的が「趣味の温泉巡り」だったら
- いままで行ったことのないところ
- 人気のあるところがいい
- 近いか遠いかは問わない
- 日帰りでも一泊二日でもどちらでもよい
――こんな条件になると思います。
このように、目的によって判断基準が変わり、選択肢も変わります。
なんにも基準がないなか「どこにするー?」と話し合うより、基準があったほうが話をまとめやすいと思うんですね。
【悲報】ほとんどの場合、目的は判断基準になっていない
ただですね、ほとんどの場合、目的が判断基準として使われることがないのですね。
原因は3つあります。
目的が隠れてしまって手段が目的になっている
「本当は目的があるはずなのに本人も気付いていない」というパターンです。
わりと手段が目的になっている
たとえば
「新しい掃除機がほしい」とします。
買い替える理由って
いま使っている掃除機が古くて最近調子がわるい
とか、そんなかんじじゃないですか?
なので、「新しい掃除機を買う」ことが目的になりがちなんですね。
「何のために?」って聞いても、「いま使っている掃除機が調子わるいから」ってなりますよね。
これの何がだめなの?って思うかもしれませんね。
ここでちょっと考えてみましょう。
ジョジョの奇妙な冒険 第3部 において
承太郎たちは DIOを倒すことが目的なのか?
ということなんですね。
そうですね。
50日以内に DIOを倒さないと、母・ホリィが死んでしまうんですね。
だから DIOを倒しに旅立つんですね。
つまりこういうことです↓
- 目的:母・ホリィの命を救うこと
- 手段:DIOを倒す!
どうですか?
ジョジョを知らない人には、さっぱり意味がわからないですよね?
手段の裏に隠れた本来の目的
つまりですね
これが本来の『目的』ということなんですね。
掃除機の話に戻すと――
- 調子のわるい掃除機を使うことでのストレスから解放される
- ゴミの吸い込みがよくなって、キレイに掃除できるようになる
- 気分がよくなる
など、こんなかんじでしょうか。
このように、目的が隠れてしまっていて
言われると「そっかー」と思うことがけっこうあるのですね。
目的に気づけば手段の選択肢も変わってくる
ということはですよ?
掃除機の話であれば
- 新品じゃなくても中古でもよいのでは
- 修理じゃだめなの?
みたいに、「新しい掃除機を買う」以外の選択肢も出てきます。
目的が隠れてしまっていることはけっこう気付きにくいものなんですね。
そのため手段の選択肢が限定されたり、適切な手段を選べていないということも起きているんです。
ただの飾りになっている
ただ目的が書いてあるだけのようなことってありませんか? 形骸化とも言われますね。
これは、目的が後付けの場合と、とりあえず目的をつけた場合の2パターンがあります。
やることありきで目的が後付けされている
たとえばこんな会社がありましたよ↓
上司:前回と内容を変えるにはリスクがあるよね
部下:じゃあ、前回と同じでということでいいですか?
上司:まあ、そうなるね
部下:販促実施の目的は何になりますか?
上司:前年対比は超えたいよね
部下:わかりました
つまりこういうことですよ?
- 目的:売上の前年対比を超える
- 手段:前年と同じ販促を行う
そうですね。
前年と同じことやって前年比を超えるんかいっ? って話ですよね。
でもですね、この上司、あ、役員なんですけど
「なんで前年対比を割ってるの?」とか言ってくるんですよ?
あたまだいじょうぶなんですかね?
前年比超え、リピーター増加、客数向上とか、だいたいそういうのは後付けされた目的のことが多いです。
なので、目的に対して手段があっていないことがよくあります。
とりあえず目的をつけただけ
「目的」って欄があるから、とりあえず埋めました的なかんじですね↓
これは「会議」とかに多いんじゃないですかね。
アジェンダのフォーマットに「目的の欄」があったりしませんか?
だから埋めました、みたいな。
まあ、別に何でもいいんですけどね。目的として機能していれば。
でも
「会社の状況や方向性に対して共通認識を持つこと」
とか書かれても、は? ってなるじゃないですか?
とりあえず目的の欄を埋めました的に書かれてる目的は、だいたい書いた本人もまったくおぼえていないのですね。
ようはただ目的が書いてあるだけ
とうぜんながら、ただ書いてあるだけなので『判断基準』として使われることはありません。
飾りですよ、飾り。
そもそも『目的』の理解が足りていない
目的を立てる本来の意味や、目的の使い方を知らないというパターンです。
ほとんどの原因がこれなんですね。
- 目的の理解が足りない→手段が目的になる
- 目的の理解が足りない→ただの飾りになる
- 目的の理解が足りない→判断基準として機能しない
上記のとおりです。
仕事ってけっこう「やることありき」だったりするので、手段の話に終始しがちなんですね。
上司って、『判断基準』もないのに延々と自論を言いあってるじゃないですか?
あたまだいじょうぶなんですかね?
まとめ
- 目的は『判断基準』として使えるといい
- しかし、ほとんどの場合は『判断基準』として機能していない
「何のために」は、とっても忘れられやすいのですね。
「カイゼン」で有名なトヨタの「なぜを5回繰り返す」とかは、まさに『目的』を『判断基準』にするためのものですね。
『目的』を立てる意味と『判断基準』としての使い方を理解したからといって、上司にむかって「それって何のためですか?」って5回も繰り返しちゃだめですよ?
あなたのサラリーマンライフにクライシスがおとずれて、サバイブが困難になるリスクがあります。
話の通じない上司はどこにでもいるものです。ですが、しかたありません。それが会社のマネジメントなのですね。
会社や上司の考えを変えるのは難しいかもしれませんが、自分の守備範囲のなかだったり、自分の受け持つ案件であれば役立てることはできるのではないでしょうか。
ではでは
お疲れさまでした。
人のあげあしとるときだけだわ
人のあげあしとるときだけだわー