「お願いだから何もしないで」。余計な仕事を増やす“やる気のある無能上司”に見切りをつけ、私が冷徹に線を引いた記録

「……また何か、思いついたらしい」
上司が思いつきのアイデアを持ってくるたび、私はただ静かにため息をついていました。
思いつきの新しい企画、目的の分からない定例会議、入力の手間が増えるだけの管理シート。
「やる気のある無能」な上司が持ってくる提案は、本人は会社を良くしているつもりでも、現場からすれば実務をかき乱し、無駄な残業を増やすだけの「余計な仕事」でしかありませんでした。
上司の思いつきを形にするために必死で尻拭いをしたところで、私の給料が上がるわけでも、評価されてボーナスが増えるわけでもありません。
残るのは、すり減った神経と、無駄に消費された自分の時間だけでした。
これは、上司の「熱意」に付き合うボランティアを止めて、自分の身を守るために冷徹な線引きを始めた、ある日の記録です。
思いつきで動く上司の「やる気」は、現場の仕事を増やすだけの「迷惑」だった
「これ、どうかな!」
上司のそんな声を聞くたび、私はまた面倒なことになったなと、心の中でため息をついていました。
本人は会社のためを思って言っているのでしょう。
しかし、実際の作業の手順も、他部署との調整にかかる手間も分かっていない上司の思いつきは、実務ではほとんど役に立ちません。
ただ単に、現場の仕事量が増えるだけでした。
私はいつも心の中でこう思っていました。
「なんで上司の思いつきのために、私が残業して尻拭いをしなければならないのか。本当に勘弁してほしい」
何もせず、ただハンコを押して定時で帰るだけの「やる気のない上司」の方が、ずっとマシでした。
見当違いの方向に頑張る熱意ほど、現場を無駄に疲れさせ、仕事の進みを悪くするものはないのです。
上司の「熱意」に応えようとして、自分の首を絞めた3つの失敗
最初は、私も会社員として「上司の提案には前向きに取り組むべきだ」と考えていました。
上司の言うことにはなるべく応え、チームのために形にしていくのが優秀な社員だと思い込んでいたのです。
しかし、その「ちゃんと応えようとする真面目さ」こそが、自分の首を絞める最大の原因でした。
①「なんとか形にする」ことで、上司の思いつきをエスカレートさせた
上司のふんわりとした「こういうの、やってみない?」という思いつきに対し、私は過去、なんとか実行できるように見切り発車の企画書をまとめ直したり、足りないデータを集めたりして、形にしてあげていました。
それが仕事を進めるための優しさだと思っていたからです。
しかし、それが失敗の始まりでした。
私が苦労して形にしたことで、上司は「自分のアイデアは素晴らしい」と勘違いしてしまったのです。
結果として、上司はさらに気分を良くし、次から次へと実現できないような思いつきを持ってくるようになりました。
私が尻拭いをすればするほど、上司の「余計な提案」は増えていったのです。
②軌道修正を提案したら、意味のない定例会議が増えた
あまりにも的外れな提案に対し、「そのやり方だと他部署に迷惑がかかるので、こう変えませんか?」と、現実的な軌道修正を提案したこともありました。
話し合えば、より良い方向に進むと信じていたからです。
すると上司は、「なるほど!じゃあそのすり合わせのために、毎週定例の会議を入れよう!」と、嬉しそうにスケジュールを埋めてきました。
私が欲しかったのは「そうだね、じゃあこの話はやめておこう」という決断だったのに、気づけば、ただ時間を奪われるだけの進捗確認会議が毎週の予定に追加されてしまったのです。
③「とりあえずやってみる」と付き合った結果、私が尻拭いをする羽目になった
「とりあえずやってみようよ」という上司の勢いに押され、とりあえず取り組んでみたこともありました。
しかし、根本的なやり方が間違っている仕事が、うまくいくはずがありません。
案の定、途中で作業に無理が生じたり、他部署から文句を言われたりして、その仕事は行き詰まりました。
すると上司は「あとはよろしく」と知らん顔で手を引き、残された私が、関係各所への謝罪メールと、ぐちゃぐちゃになったデータの整理という、面倒な尻拭いをさせられる羽目になったのです。
評価を諦め、思いつきの「尻拭い」をやめると決めた
現場のことを分かっていない人に、私が裏でどれだけ苦労して尻拭いをしているかなど、正しく評価できるわけがありません。
その事実に気づいたとき、私の中で上司への期待は完全に消えました。
上司の「思いつき」をなんとか形にしてあげる努力は、評価にも給料にも繋がりません。
ただ「都合よく仕事を引き受けてくれる便利屋」として扱われるだけです。
だから私は、上司のやる気に付き合うのをやめました。
迷惑な思いつきを持ち込まれても、自分から気を利かせて整えてあげることはしない。
上司を変えようとする無駄な努力を捨て、「都合のいい人」はきっぱりやめようと心に決めたのです。
正面から「やりません」と断ると、自分が「反抗的な悪者」にされる
都合のいい人をやめると決めても、上司からの「思いつきの指示」が急に消えてなくなるわけではありません。
「周りの目なんて気にせず、『意味がないのでやりません』と突き放せばいい」と思うかもしれません。
ですが、気持ちの切り替えだけでうまくいくほど、職場の人間関係は単純ではありませんでした。
思いつきで動く上司ほど、自分の提案を否定されたときの反発は厄介です。
正面から断ったあとの「気まずい空気」や、機嫌を損ねて「反抗的だ」と目をつけられる不安を前にすると、面倒を避けるためについ「適当にやっておきます」と引き受けてしまいそうになります。
無意識に染み付いた「波風を立てたくない」という思いや、言い争うことの気疲れは、気持ちだけで抑えきれるものではありませんでした。
勇気や気合いに頼らず、角を立てずに「スルー」する仕組みを作る
上司と言い争いをしたいわけでも、職場で浮きたいわけでもありません。
無駄な作業に自分の時間を奪われるのを避けたいだけです。
だからこそ、職場の線引きを「勇気」や「精神論」で解決しようとするのはやめました。
私に必要だったのは、言い争う強さを持つことではありません。
最低限の体裁は保ちつつ、角を立てずに上司の「思いつき」をスルーし、自分の仕事の範囲を守るための「事務的な手順(具体的な立ち回り)」だったのです。
私が都合のいい「便利屋」を抜け出し、自分のタスクだけをこなして定時で帰るために使っている、具体的な3つの手順を次にまとめておきます。
精神論で無理をして消耗する前に、この「作業として線を引く仕組み」を取り入れてみてください。
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