
- 目的と目標ってどう違うの?
- 目的も目標もなんだか同じ意味で使っている気がする
- 目的と目標の意味や適切な使い方を知りたい
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 目的と目標の意味と役割の違いを解説します
- 目的と目標の使い分けを解説します
- 目的と目標の本質的な意味を解説します
『目的』と『目標』は、2つとも "目指すもの” という意味があるため、とっても混同しやすいものなのですね。
なので、あなたの上司もきっとわかってないで使ってますよ?
今回はそんな『目的』と『目標』の違いについて解説していきます。
『目的』と『目標』の違い
それでは『目的』と『目標』についてそれぞれ見ていきましょう。
『目的』とは
辞書だとこういう意味ですね↓
もく‐てき【目的】の解説
1 実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。「当初の目的を達成する」「目的にかなう」「旅行の目的」
2 倫理学で、理性ないし意志が、行為に先だって行為を規定し、方向づけるもの。
※goo国語辞書
今回は内容的に1番ですね。2番はちょっと意味がわかりませんが使いませんのでおいておきましょう。
ビジネスシーンでは、『目的』は『Mission(ミッション)』とも呼ばれたりしています。
「チームや組織で成し遂げること」や「企業が社会的に果たすべき使命」というような意味で使われていますね。
まとめますと
- 実現しようとしていること
- 果たそうとしていること
- 成し遂げようとしていること
- 到達しようとしていること
こんなかんじでしょうか。
まあ、そりゃそうだよね、という内容だったと思います。
『目標』と合わせて考えると、またちょっと変わってきますので、次は『目標』を見てみましょう。
『目標』とは
辞書だとこういう意味ですね↓
もく‐ひょう【目標】の解説
1 そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの。「島を目標にして東へ進む」
2 射撃・攻撃などの対象。まと。「砲撃の目標になる」
3 行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。「目標を達成する」「月産五千台を目標とする」「目標額」
※goo国語辞書
「目印」や「達成水準」というのがキーワードっぽいですね。
ビジネスシーンでは、『目標』は『Vision(ビジョン)』とも呼ばれたりしています。
「ある時点までに"こうなっていたい”と考える到達点」であったり「企業が目指す中期的なイメージを従業員などに示したもの」というような意味で使われていますね。
まとめますと
- 目的を達成させるための目印
- 目的を達成させる過程で目指すもの
- 目的を達成させるうえでの達成水準
こんなかんじでしょうか。
このように解釈してみると、『目的』と『目標』の違いが見えてきましたね。
【図解でわかる】『目的』と『目標』の違い
それでは『目的』と『目標』の違いについてまとめてみます。
地図っぽくたとえるとイメージしやすいかもです↓
目的
目的地(進むべき方向、たどり着きたいところ)
目標
通過点(進むべき方向から外れないための目印)
『目的地』と『通過点』という考え方をするとこんなかんじでしょうか。
『達成水準』も表現するとこんなイメージです↓
『目標』の達成を積み重ねて、『目的』にたどり着くかんじです。
このように考えてもらえば、『目的』と『目標』の違いもわかりやすいかと思います。
ちなみに『目標』を達成させるために必要なのが『計画(行動計画)』になります。
詳しくはこちらで解説しています↓
目的は「最終的に目指すもの」みたいな解釈もあると思いますが、「最終目標」って言ったりもするじゃないですか? そうすると「目的」ってなによ? ってなって、じゃあ「最終目的」とか使いはじめると、どれが最終? ってなって、ラストファイナルフィニッシュみたいな何かの必殺技かってなるじゃないですか? ビジネスシーンにおける「ファイル名【最終】20191126_報告書_追記あり_FIX2」みたいに最終ってなによ?ってなりそうだったので「最終」は使っていません。
『目的』と『目標』の関係
目的
- 目的地
- 到達点
- 目指す場所
目標
- 通過点
- 目的達成までの目印
- 目的を達成させるうえでの達成水準
このように考えると
- 『目的』があって『目標』がある
- 言い換えると『目的』のない『目標』はありえない
- 『目的』に対して、複数の『目標』はあれど、『目標』に対しての『目的』は一つである
――と、いえるのですね。
当たり前っちゃあ、当たり前なのですが
- 『目標』しかない
- 『目的』が2つ以上ある
こんなこともふつうに起きていたりします。
これは、『目的』と『目標』が混同しやすいために起こるんですね。
『目的』と『目標』は、混同しやすい
結論からいうと、それぞれこのような性質があるからなのですね↓
- 目的は、抽象的であり定性的
- 目標は、具体的であり定量的
たとえばわかりやすくダイエットを例にとってみましょう↓
- 目的:健康のためにダイエットする
- 目標:体重を6ヶ月で3キロ落とす
目的の「健康のためにダイエットする」は、特に数字も入っていませんし、どうだったら健康といえるのか、とくに明確にしていません。抽象的で定性的な内容です。
目標の「体重を6ヵ月で3キロ落とす」は、体脂肪率や摂取カロリーではなく「体重」として、「6ヵ月で3キロ落とす」と数字も入っています。具体的で定量的な内容です。
だからなんだ? って思いますよね?
抽象的なものより具体的なものの方が印象に残りやすい
お伝えしたいことはこれなんですね。
さきほどのダイエットの例でいうと
なかなか思うように体重が落ちていかない
↓
このままだと6ヶ月で3キロ落とせない
↓
そうだ、断食しよう
↓
うう、苦しい…
↓
それって「健康」なんでしたっけ?
↓
目的は「健康のためにダイエットする」じゃなかったでしたっけ?
みたいなかんじです。
あとこんな会社もありましたよ↓
会員アプリをリリースするぞ
↓
100万ダウンロードを目指すぞ
↓
なんのために「100万ダウンロード」とるんですか?
↓
「え?」
↓
「え?」
つまりこういうことなんですね↓
- 目的にそぐわない行動をとっている
- そもそも何ための目標なのか目的を見失っている
具体的で定量的な『目標』のほうが印象に強く残るため、『目標』を目指す過程で、いつのまにか『目標』が『目的』にすり替わってしまうことがあるということなんですね。
失敗の大半は「目標を目的と勘違いしている」のが原因
失敗のパターンは大きく2つかなと思います。
本末転倒なパターン
ダイエットの例でいうと
目的を見失っているパターン
さきほどの会員アプリの例でいうと
仕事で多いのは「目的を見失っている」パターンでしょうか。
見失っているというか最初からないんじゃないかと思うこともけっこうありますが。
まとめ
- 目標は、通過点
- 目的は「抽象的で定性的」、目標は「具体的で定量的」
- 目的と目標は混同しやすいから注意
- 失敗の原因は「目標」を「目的」と勘違いしてしまうこと
上記のとおりです。
いかがでしたでしょうか?
「目的」と「目標」の違いを理解したからといって、上司に「それって目標が目的になってますよね」とか言ってはいけませんよ?
あなたのサラリーマンライフがラストファイナルフィニッシュしてしまう危険があります。
会社や上司の考えを変えるのは難しいかもしれませんが、自分の守備範囲のなかだったり、自分の受け持つ仕事のなかで役立てることはできるのではないでしょうか。
ではでは
お疲れさまでした。

この上司、また目標が目的になってるわー