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「仕事のことを忘れたい」と思うほど思い出す。意志の力を諦めて、“朗読”で頭の中を流し直した話

「仕事のことを忘れたい」と思うほど思い出す。意志の力を諦めて、“朗読”で頭の中を流し直した話

会社を出たはずなのに、
頭の中ではまだ上司と言い合いをしている。

せっかくの休日なのに、
嫌だったやりとりが何度も浮かんできて、勝手にイライラする。

眠ろうとして目を閉じた瞬間に、
明日のことが急に不安になってくる。

終わったはずの仕事が、
頭の中でだけ終わっていない。

あの感じ、地味にきついんですよね。

仕事そのものももちろんしんどいんですが、
それよりも、自分の時間まで持っていかれている感じがありました。

家に帰っても会社が終わらない。
休みの日でも、頭の中ではまだ相手をしている。

自分の時間のはずなのに、
勝手に「脳内残業」させられているようで、かなり消耗しました。

最初は、気持ちの切り替えが下手なんだろうなとか、
自分が気にしすぎなんだろうなと思っていました。

でも、あとから振り返ると、
あれは意志の強さの問題だけではなかった気がします。

「忘れよう」とするほど、余計に残る感じがありました

世の中には、
仕事のことは忘れてリフレッシュしよう、とか、
趣味に没頭して切り替えよう、みたいな話がたくさんあります。

それ自体は、たぶん正しいんだと思います。

でも、本当に疲れている時期って、
そこまでちゃんとできないんですよね。

何か楽しいことを始める元気があるなら、
たぶんもう少し違う立て直し方もあったと思います。

でも当時は、
ソファから立ち上がるのもしんどい日がありました。

その状態で、
趣味に没頭するとか、
気分転換に出かけるとか、
正直かなりハードルが高かったです。

じゃあせめて、
仕事のことは考えないようにしようと思っても、
これもあまりうまくいきませんでした。

「忘れよう」と思うほど、
むしろそっちに意識が向いてしまうんですよね。

静かな部屋で目を閉じると、
余計に嫌な言い方とか、
あの時うまく返せなかったこととか、
明日の不安とかが浮かんでくる。

忘れたいのに、
頭の中では逆に再生が始まる感じでした。

あとから知ったのですが、
こういうのはある程度、頭の仕組みとして起こりやすいものらしいんですよね。

何もせずにぼんやりしているときほど、
終わったはずの嫌なことや不安を何度も引っ張り出してしまう。

当時の自分は、たぶんずっとその状態でした。

疲れて何もできない。
でも、頭の中だけはずっと仕事を続けている。

あれはかなりしんどかったです。

気合いではなく、「別のもので埋める」方が現実的でした

「意志の問題じゃないなら、
気合いで止めようとしても無理なんだな」

そう思ってからは、
考え方を少し変えました。

切り替えようと頑張るのではなく、
頭の中の空白に、別のものを入れる
方向で考えるようになったんです。

自分の頭の中って、
何も入っていない時間ほど、
仕事のことを勝手に始めやすい気がしていました。

だったら、その空いているところを、
別の情報で埋めてしまった方がいいんじゃないか。

そんなふうに考えるようになりました。

調べていくと、運動とか、
ゲームとか、
呼吸に集中することが合う人もいるみたいでした。

たしかに理屈としてはわかります。

ただ、当時の自分には少し重かったです。

仕事でヘトヘトになって帰ってきて、
そこから走りに出る元気はありませんでした。

ゲームも、気力がある日はいいんですが、
疲れている日はそこまで集中できない。
瞑想みたいなものも、
自分の場合は静かになるほど仕事のことが浮かんでしまって、逆にしんどかったです。

なので、自分に必要だったのは、
もっと受け身でできるもの。
できれば、こちらが頑張らなくても入ってくるもの、でした。

音楽では、思ったほど仕事のことは消えませんでした

最初に試したのは音楽でした。

イヤホンをつけるだけなら、
体力もあまり使わないし、
いちばん手軽です。

退勤後の電車で流してみると、
たしかに少し落ち着く感じはありました。

でも、不思議と頭の中は止まらないんですよね。

JAZZみたいなBGMを流していても、
その裏で普通に
「今日のあの言い方は何だったんだろう」とか
「明日また同じことが起きたら嫌だな」とか考えている自分がいました。

じゃあ歌詞のある曲はどうかと思って、
好きな曲もいろいろ試しました。

でも、これも自分には決め手になりませんでした。

一瞬気がそれても、
またすぐ仕事のことに戻ってしまう。

耳は音で塞がっているのに、
頭の中では別のことを考え続けている感じでした。

あとから振り返ると、
音楽って気分には効いても、
頭の中の“言葉”までは埋めきらないことがあるんですよね。

当時の自分は、
音楽を聴きながら、
その空いたところでせっせと仕事のことを反芻していたんだと思います。

それに気づいてから、
必要なのはメロディより、
自分の中の言葉を別の言葉で埋めること
なんじゃないかと思うようになりました。

読書がいいのはわかるけれど、その気力がありませんでした

言葉で頭を埋めるなら、
最初に思いつくのは読書でした。

たしかに、本を読めれば、
頭の中の流れは切り替わる気がします。

実際、自分もそう思って、
帰り道に本屋に寄って小説を買ったことがあります。

仕事と関係ない話の方がよかったので、
あえて現実から離れた物語を選びました。

でも、当時の自分にはこれも少ししんどかったです。

電車の中で本を開いても、
文字が目を滑っていく感じで、
頭に入ってこない。

数行読んでは戻って、
また同じところを読む。
それを繰り返すだけで、ひどく疲れてしまいました。

家に帰ると、
もうカバンから本を出す気力もありません。

頭の中を仕事以外の言葉で埋めたい。
でも、活字を読む体力すら残っていない。

あの頃は、それが現実でした。

「自分で読む」が無理なら、「耳から入れる」しかないと思いました

本も無理、
でも何もしないと頭の中がまた仕事を始める。

そういう状態でぼんやりスマホを見ていたときに、
たまたま目に入ってきたのが、
「聴く読書」という形でした。

自分で読めないなら、
耳から入れればいいのかもしれない。

そう思って試したのが、
AmazonのAudibleでした。

プロのナレーターが、本を一冊読み上げてくれるものです。

イヤホンをつけて、再生するだけ。
ページをめくる必要もないし、
目を使わなくていい。

そのくらい受け身で使えるのが、
当時の自分にはちょうどよかったです。

このとき決めていたのは、
ビジネス書や自己啓発本は選ばないことでした。

仕事のことを忘れたいのに、
また仕事っぽいことを入れたら戻されそうだったので。

自分が選んでいたのは、
小説とか、エッセイとか、
落語とか、
とにかく自分とは関係のない別の世界の話でした。

朗読の声が入ってくると、
頭の中が少しずつそっちに引っ張られていきます。

物語の情景を思い浮かべたり、
会話を追ったりしているうちに、
仕事のことを考える隙が少し減るんですよね。

「忘れる」というより、
別の流れに上書きされる
感じに近かったです。

これが、自分にはかなり助かりました。

劇的ではなくても、「仕事だけを考え続ける時間」が減るだけで違いました

もちろん、朗読を流したからといって、
仕事の根本的な問題が解決するわけではありません。

明日会社に行けば、また現実はあります。

でも、当時の自分が欲しかったのは、
そこまで大きな解決ではありませんでした。

せめて家に帰ったあとくらい、
せめて寝る前くらい、
仕事のことだけを考え続ける時間を減らしたかったんです。

無理に前向きになろうとするとか、
楽しいことを始めるとか、
ポジティブに切り替えるとか、
そういうのは疲れているときには少し重いんですよね。

うまくできないと、
かえって落ち込むこともあります。

だから、自分には
意志や努力に頼らない物理的な手段
の方が合っていました。

ただ朗読を流す。
その声に少し頭を預ける。

それくらいのやり方で十分でした。

劇的に変わったと言うほどではありません。
でも、仕事のモヤモヤが頭の中を占領する時間が少し減るだけで、
当時はかなり違いました。

無理に変わろうとしなくてもいいと思います

もし今、何かを頑張れる状態なら、
もっと別の方法もあるのかもしれません。

でも、そこまでの余力がない時期ってありますよね。

自分もそうでした。

なのでこれは、
成長のためにやるものでもないし、
意識高く取り組むものでもありません。

今のそのままの状態で、
ただ別の音を入れてみる。
それで十分だと思っています。

忘れようとしても、
頭の中で仕事が勝手に続いてしまうなら。

自分の時間のはずなのに、
まだ会社に持っていかれている感じがあるなら。

そういうときは、
意志の力で止めようとするより、
別の言葉で流し直してしまう方が、
自分にはラクでした。

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まずは今夜、
自分に合うかどうかだけ見てみる。
それくらいで十分だと思います。

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ただ、今夜の自分の時間を少し守るために。
一番しんどくない方法から試してみるのは、
そんなに悪くない選択だと思います。

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この記事を書いた人

ジブン軸ラボ編集室

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