思い出し怒りで眠れない夜に。無理に寝ようとせず目を閉じたまま頭を休める方法

一日が終わって、あとはもう寝るだけという時間。
「明日も仕事だから早く休まないと」と目を閉じる。
その途端、昼間に言われた理不尽な一言や、会議でのトゲのあるやり取りが鮮明に思い出されてしまう夜ってありますよね。
相手の無神経な顔や、その場で言い返せずに愛想笑いをしてしまった自分の情けなさ。
次々と頭に浮かんできて、思い出し怒りで目がパッチリと冴え渡ってしまう。
「気にしないようにしよう」「早く寝なきゃ」と焦るほど、悔しさで頭が熱くなり、気付けば時計の針だけが進んでいく。
「どうして自分はいつまでも引きずってしまうんだろう」と、自分を責める必要はありません。
あなたが引きずりやすい性格だからでも、メンタルが弱いからでもないからです。
夜になって周囲が静かになると、脳は刺激がなくなる分、未解決の嫌な記憶を勝手に検索して再生してしまう性質があります。
世間ではよく「頭を空っぽにしてリラックスしよう」と言われますが、目を閉じて無心になろうとするほど、脳は余計に嫌な記憶を拾い上げてしまいます。
今夜は、自力で怒りを消そうと戦うのも、気合を入れて眠ろうとする努力も潔く諦めてしまって大丈夫です。
この記事では、自力で感情を鎮めようと戦うのをやめて、目を閉じたまま頭のモヤモヤを静かに受け流す「夜の過ごし方」についてまとめました。
まずは今夜、眠れなくても横になっているだけで十分です。
一日が終わって目を閉じると昼間の怒りがぶり返す理由
「もう寝るだけなのに、なぜ嫌なことばかり思い出してしまうんだろう」と悩んでしまう夜ってありますよね。
日中は仕事に追われてなんとかやり過ごせていたはずの感情が、夜になると急に暴れ出してしまう。
私自身もいろいろ試して失敗してきたのですが、世間で言われているリラックス方法が通じないのには、ちゃんとした理由がありました。
寝る前に頭を空っぽにしようとするほど嫌な記憶が再生される
「余計なことは考えず、頭を空っぽにして寝よう」と意識したことはないでしょうか。
羊を数えてみたり、無心になろうと息を吐いてみたりする。
しかし、そうやって意識を集中させようとすればするほど、昼間の嫌な光景が鮮明に浮かび上がってきてしまいます。
あとから本で読んで腑に落ちたのですが、人間は周囲が静かになると、脳が勝手に過去の未解決な記憶を検索し始める性質を持っているそうです。
会議で浴びせられた理不尽なダメ出し。
その場で言い返せずに引きつった笑いを浮かべてしまった、自分の悔しい姿。
意識を「無」に向けようとする行為そのものが、かえって嫌な記憶にばかり意識を集中させてしまう結果になります。
静かなBGMを流しても頭の中の思い出しイライラは止まらない
スマホで静かな雨の音を流してみたり、リラックス用の穏やかなピアノ曲を小さく流してみたりする。
あるいは、気分を変えようと好きなアーティストの歌を聴いてみても、サビ以外のところで意識がすっと仕事に戻ってしまったりします。
結局のところ、耳元で心地よいメロディが流れていても、頭の中のイライラは一向に静まりません。
音楽の裏側で、「あいつ、本当にふざけんなよ」という一人反省会が普通に続いてしまうからです。
実は、音楽やBGMはメロディが主体であるため、脳の言葉を処理するスペース(言語野)をほとんど使いません。
そのため、音楽を聴きながらでも、頭の中では同時に言葉を使った反芻思考をフル回転させることができてしまいます。
静かな音楽を流すだけでは、頭の中で勝手に続く一人反省会を止めることはできません。
深夜に対策を考えて頭を整理しようとするほど火種は大きくなる
「明日出社したらどう言い返してやろうか」と、暗闇の中でシミュレーションを始めてしまう夜もあります。
「次はこう筋を通して論破しよう」「チャットでこう釘を刺しておこう」と、真面目な人ほど頭の中で必死に対策を組み立てようとします。
しかし、深夜に問題解決を図ろうとするのは、怒りの火種に自ら油を注ぐようなものです。
頭の中で相手と戦い始めた瞬間、自律神経が刺激され、心拍数が上がって戦闘モードに入ってしまうからです。
結果として目がパッチリと冴え渡り、余計に眠れなくなってしまいます。
夜の静寂の中で必要なのは、問題の解決策を練ることではありません。
自力で戦うのをやめ、暴走する脳をいかにやり過ごすかという視点です。
怒りを消そうと戦うのをやめて目を閉じたまま頭を休ませる
昼間の理不尽な怒りが頭から離れない夜、私が最終的に行き着いたのは、「自力で感情を鎮めようと戦うのを潔く手放すこと」でした。
一度ヒートアップしてしまった頭を、気合や意志の力だけで静かにするのは、脳の構造的に無理があったからです。
エネルギーが底をついている夜に、私がなんとか頭の負担を減らしてやり過ごした方法を書いておきます。
今夜は気合で眠るのを諦めて横になっているだけでよしとする
「早く眠らないと明日の仕事に差し支える」と焦るほど、脳は覚醒してしまいます。
だからこそ今夜は、思い切って「ぐっすり眠ること」を諦めてしまって大丈夫です。
以前読んだ睡眠の本にも書いてあったのですが、人間は眠りに落ちていなくても、横になって目を閉じているだけで、身体と脳の休息の大部分は取れているのだそうです。
「眠れなくても、ただ横たわっているだけで今夜は100点満点」。
そうやって割り切るだけでも、「寝なければ」という焦りからくる余計な緊張を解くことができます。
耳から入るストーリーを追って頭の中の一人反省会を止める
では、目を閉じたまま暴走する怒りをどうやり過ごすか。
おすすめしたいのが、仕事と1ミリも関係のない物語や誰かの語りを、耳元で小さく流しておくことです。
人間の脳は構造上、言葉を処理するスペース(ワーキングメモリ)が限られており、同時に2つの言葉を処理することができません。
耳元からストーリーの展開が流れてくると、頭の意識はどうしてもそちらを追うことに使われます。
その結果、昼間の理不尽な会話や言い返せなかった悔しさを反芻する余裕が、物理的になくなっていきます。
自力で怒りを消そうとするのではなく、耳から別の言葉を流すことで、頭の中で勝手に続く一人反省会を止めてしまうのが一番ラクでした。
内容を真面目に追おうとせず途中で意識が切れてしまっていい
このとき、勉強や読書のように「ちゃんと内容を理解しよう」と真面目に聴く必要は全くありません。
登場人物の名前を覚える必要もなければ、結末を見届ける必要もありません。
目的はあくまで、頭の中で勝手に始まる嫌な記憶の再生を遮断することです。
話の展開をぼんやり追っているうちに、意識がスーッと遠のいてそのまま眠ってしまえたなら、それだけで十分に目的は果たせています。
昼間の理不尽な会話を思い出さずに頭を静かにして眠る方法
一日が終わって目を閉じたあとに、昼間の理不尽なやり取りを思い出して眠れなくなる夜は、感情を前向きに切り替える元気なんて残っていなくて当然です。
「イライラを完全にゼロにして早く寝なきゃ」と完璧を求めるから、気持ちを整理できない自分にまた苛立って、余計にしんどくなってしまいます。
だから今夜は、モヤモヤを抱えたままで構いません。
今日一日をなんとか乗り切って、無事に横になった。ただそれだけで、あなたはすでに100点満点です。
すでに終わった昼間の理不尽のために、自分の睡眠時間を削られるなんて、あまりにも馬鹿らしすぎます。
静まり返った暗闇でじっとしていると、脳の仕組みとして昼間のやり取りや嫌な感情が勝手に頭に入り込んできてしまうもの。
一度火がついた頭を、自分の意志や気合の力だけで空っぽにするのは、最初から無理な話でした。
そんな夜は、自分の力で怒りを鎮めようと戦うのを手放してみてください。
一日が終わって、あとはもう寝るだけという時間。イヤホンをつけて、プロのナレーターや声優が本を朗読してくれる「オーディオブック」をただ流しっぱなしにしてみる。
これが、頭の中の思い出し怒りを止める一番手っ取り早い休み方でした。
作品を真剣に選んだり、探したりする手間すら要りません。
気になったものを適当に1つ選んで再生ボタンを押し、枕元に置いて目を閉じるだけ。今夜必要なのは、それだけのアクションです。
今夜はもう、嫌な出来事を思い出さずに頭を静かにして眠りたい。自力で感情を消すのを諦め、プロの朗読で頭の中のモヤモヤを強制的に流し直した具体的な記録は、こちらに置いておきます。
>> 「仕事のことを忘れたい」と思うほど思い出す。意志の力を諦めて、“朗読”で頭の中を流し直した話
もちろん、「目を閉じてもどうしても怒りが収まらず、ついスマホを開いてしまう」という夜もあるはずです。
そんなときは、文字の多いビジネス書ではなく、素人のエッセイや写真集をパラパラと眺めて、視覚から現実逃避するのも十分な自己防衛になります。
分厚い本を真面目に読む必要はありません。文字が滑って頭に入らなければ、1秒で閉じてしまって構わないのです。
頭を一切使わずに、画面をパラパラ眺めて気を紛らわせる具体的な逃げ道は、こちらの記事に書いておきました。



