部下の気持ちがわからない上司に絶望した日。私が「わかってほしい」という呪いを解いた冷酷な生存戦略

「もう、1ミリも同じ空気を吸いたくない。」
パソコンの画面に反射した自分の顔は、ひどく疲れていました。
連日の残業で胃は痛いし、まぶたはピクピク痙攣しているのに。
目の前に立つ上司は、なんの屈託もない爽やかな笑顔を浮かべて、私に話しかけてきたのです。
「気合でいけるよね?」——限界の私に向けられた、理解不能なアドバイス
金曜日の20時。
私が今にも吐きそうな顔でキーボードを叩いているところに、上司は悪びれもなく新しい仕事のファイルを置いていきました。
「若いんだから気合で乗り切れるよね!で、これ明日までによろ」
その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが、プツンと音を立てて切れました。
あ、この人には、人間の血が通っていないんだ。
そう確信した時、怒りというより、スーッと冷めていくような「虚無感」がありました。
悪意があってわざと嫌がらせをしているなら、まだ人間味があります。
対処のしようもあるかもしれません。
でも、彼には本当に「他人の疲労や痛みを想像する機能」がないのだと悟りました。
部下の気持ちがわからない上司というのは、計算高いサイコパスというより、ただただ「空っぽ」なんだと。
「話し合えば通じ合える」という正論が、一番しんどかった
それでも当時の私は、ビジネス書の綺麗な言葉を信じていました。
「上司には自分の状況や気持ちを、感情的にならず論理的に伝えましょう」というアレです。
面談の場で「今の業務量では物理的に不可能です。心身ともに限界です」と勇気を出して訴えた日のこと。
上司が返してきたのは、見当違いな自分語りでした。
「俺の若い頃はもっと大変でさ、会社に一週間泊まり込んだりもしたよ。それを思えば、君の状況なんてまだまだ甘いよな」
言葉が、1ミリも通じていない。
私の切実なSOSは、彼の耳に届く前に消えていきました。
話し合えばわかり合えるなんて、同じ人間としての機能を持っている者同士だから成立する幻想です。
言葉が全く通じない相手に必死で状況を説明する時間は、ただ理不尽に怒られるよりも、ずっと深く心をえぐってくるしんどい経験でした。
怒るだけ無駄。アイツには「共感機能」が最初から実装されていない
面談室を出た後、トイレの個室にこもりながら、私は猛烈な殺意と、それ以上のドッとくる疲労感に襲われました。
なぜ、私はこんなにも腹が立ち、絶望しているのか。
答えは簡単でした。
私が勝手に「上司なら部下の気持ちを理解すべきだ」と、一方的に期待していたからです。
日本語が通じない相手に「日本語を喋れ」と怒り狂うのは無駄なこと。
私はそれと全く同じことをしていました。
私は、彼を「人間」として扱うのをやめることにしました。
目の前で喋っているのは、ただの「共感機能が壊れた機械」です。
ポンコツの機械に向かって「私の苦しみをわかれ」と腹を立てるのは、自分の貴重なエネルギーの無駄遣い。
完全な大赤字です。
「わかってもらおうとする」から、傷つくし損をする。
この事実に気づいた時、不思議と気持ちがスッと楽になりました。
私は「気持ち」を伝えるのをやめた。感情を捨てて「現象」として処理する
翌日から、私は上司に「心」を求めるのを完全にやめました。
上司がまた的外れな指示を出してきても、「あ、また変なエラー音が鳴っているな」くらいにしか思いません。
帰り際の理不尽な無茶ぶりも、「突然のゲリラ豪雨」みたいなものです。
ゲリラ豪雨に向かって「なぜ今降るんだ!」とキレる人はいません。
ただ無言で傘をさすだけです。
上司の言葉が耳に入っても、いちいち心で受け止めない。
表面上は「承知しました」と無難に答えながら、心の中では静かに、彼という存在をシャットアウトする。
「はい、わかりました(絶対に無理しない範囲で適当にやりますけど)」と割り切った瞬間、これまでのイライラが嘘のように消え、仕事中も自分だけの静寂を保てるようになりました。
もう、アイツに「人間の心」は期待しない。
会社員として生き残るために必要なのは、仕事への熱い情熱でも、円滑なコミュニケーション能力でもありませんでした。
「真面目に期待して傷つくのをやめること」です。
もう、アイツに人間の心は一切期待しません。
自分の心と時間を守るためなら、表面上は笑顔で適当に相槌を打ち、心の中では思い切り中指を立てておけばいい。
ただ淡々と、毎月の給料という対価だけをもらって生きていく。
今の場所で、静かに、そしてしたたかに生き残る。
それが、無能な上司に心を壊されかけた私の、泥臭いけれど確実な生存戦略です。
私がどんなにボロボロになっていても、あの人は平気な顔で『頑張ってね』と仕事を積んできました。
部下の気持ちがわからない上司に、「自分の状況をわかってもらおう」と努力するのは、壁に向かって叫び続けて喉を潰すようなものです。
私はある日、アイツに「人間としての共感力」を期待するのを一切やめました。
その代わり、相手を『共感機能が壊れた機械』『ただの自然現象』として割り切り、いちいち感情を揺さぶられない術を身につけたんです。
私がどうやって「わかってくれない」という怒りを捨て、理不尽な上司を完全に「スルー」できるようになったのか。その具体的な防衛術について、こちらにまとめました。
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