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優しい上司は「無能」と同罪。いい人の尻拭いに疲弊した私が、聖人君子のフリを辞めた生存戦略

優しい上司は「無能」と同罪。いい人の尻拭いに疲弊した私が、聖人君子のフリを辞めた生存戦略

「あの申し訳なさそうな顔、ほんとやめてほしい」

仕事が終わって家で一息ついているとき、スマホの通知が光るたびに嫌な汗をかきます。

通知の主は、あの「優しいけど仕事ができない」私の上司です。

「ごめん、これだけ明日の朝イチに間に合うかな?」

「本当に申し訳ないんだけど…」という、断るのが悪者のように思えてくる、あの卑怯なまでに丁寧なチャットが、私のなけなしのプライベートを削っていきます。

「いい人なんだけどね」

会社でそう言われている上司の下についたとき、もっと警戒しておくべきでした。

パワハラ上司なら、明確な敵として割り切れます。

「優しいけれど仕事ができない上司」の厄介さは、こっちが怒るわけにもいかず、じわじわと精神をすり減らされるところにあります

「いい人だけど仕事ができない」という、最も厄介な上司の正体

「いつも無理させて悪いね。本当に助かるよ」

申し訳なさそうな顔。

机にそっと置かれる缶コーヒー。

その横には、彼が判断を先送りして丸投げしてきた仕事の山。

彼が「いい人」だからこそ、こっちもキツく言えないし、怒りをぶつけることもできません

ただ黙って作業を巻き取るしかなく、時間と体力だけが削られていきます。

この逃げ場のない息苦しさのなかで、私はいつしか「自分が我慢して終わらせた方が早い」と諦めるようになっていました。

「弱みを補い合う」という正論の罠。私の善意が彼を甘やかしていた

「上司の強みを活かし、弱みを補うのが部下の役目」

いかにもなビジネス書の正論を、私は真に受けていました。

彼の決断力不足を先回りしてカバーし、ミスが起きないように裏で手を回し続けたんです。

その結果どうなったか。

「あのチームは課長が優しいから平和でいいね」という周囲の呑気な言葉に、本気でめまいがしました。

上司の至らない部分を私が裏でカバーすればするほど、彼への評価だけが上がっていくんです

泥臭い実務の苦労は誰にも見えず、私は独自に「便利な実務担当」として消費されていくだけ

「チームのために」なんて聖人君子みたいなフリをしても、結局自分が損をするだけだったんですよね。

缶コーヒー1本で、自分の時間を売ってたまるか。尻拭いを「コスト」で考える

ある日、通勤電車のなかでふと冷めた頭で考えました。

彼のあの「優しさ」や「困り顔」は、厳しい決断から逃げるため、柔軟に動けない自分を隠すための保身ツールなんじゃないかと。

そんな彼を、私がわざわざ身を削って守ってやる義理なんてありません。

缶コーヒー1本で、自分の大切な時間を安売りするのはやめました。

私は、あえて「気が利かない部下」になることにしたんです。

彼が困ったような顔をしてこちらを見ていても、自分の担当外なら「あ、それは大変ですね」と他人事のように受け流すようにしました。

かつての私なら、反射的に「手伝いましょうか?」と言っていたはずですが、その言葉をぐっと飲み込むんです。

もちろん、「そんな態度をとったら評価が下がるんじゃないか」という怖さはありました。

でも冷静に損得を計算してみたんです。

「気が利く部下」をやり続けて得られるのは、せいぜい微々たる昇給と、さらに丸投げされる仕事だけ。

二人分の仕事を一人分の給料で回し、寝る直前まで仕事の連絡にビクビクするマイナスの方がはるかに大きい。

評価を気にしてすり減るより、毎日定時に帰り、自分の時間を死守する実利を取ることにしました。

彼の要領を得ない長話や、丸投げされたよく分からない議事録は、まともに読まずAIに放り込んで要約させています。

彼のために自分の頭のエネルギーを使いたくないからです。

彼が「君、いつも理解が早くて助かるよ」と呑気に感心している間、私は自分の仕事だけを淡々と終わらせて定時に上がる準備をしています。

自分の労力は、彼の尻拭いではなく、自分の心を守るためだけに使おうと決めました。

罪悪感は捨てる。彼が炎上しても「彼自身の問題」として放置する

「私がやらないと仕事が回らなくなる。彼が困る」

そう思い込んでいたのは、ただの自意識過剰でした。

私が先回りのフォローをやめたことで、ようやく彼の仕事のできなさが「問題」として可視化されるようになったからです。

「でも、上司の仕事が炎上したら、結局チームにいる自分にも迷惑がかかるのでは?」

以前はそう思って、必死で火消しに走っていました。

火の粉を浴びるのが怖かったんです。

でも、万が一こっちに飛び火してきても「それは私の担当外なので」「明確な指示がなかったので動けませんでした」と、徹底して「指示待ち人間」を演じればいいんです。

自分の担当業務さえきっちり終わらせておけば、無理に巻き込まれることはありません。

定時になれば「私が帰ったら彼が困るかも」という謎の罪悪感を捨てて、さっさと帰ります。

寝る前の静かな時間に、ふと「明日の彼のフォローどうしよう」と考えて憂鬱になることもなくなりました。

彼が判断を誤って炎上したとしても、それは彼自身の責任です。

私が口出しすることじゃありません。

彼を「助けなきゃいけない上司」から「ただそこにいるだけの人」へと脳内で切り替えたとき、ようやく自分の時間と平穏を取り戻せた気がします。

優しい無能を見捨てた先で手に入れた、自分のペース

「いい人だから見捨てられない」

そんな私自身の変な優しさが、自分を一番苦しめていました。

こっちが身を削ってフォローしたところで、彼が変わるわけじゃありません。

むしろ、私がやりすぎるせいで、自分を労わる時間がどんどんなくなっていくだけだったんです。

職場で彼をスルーするのは、最初は少し勇気がいりました。

でも、一人のランチタイムや帰りの電車、寝る前のひとときくらいは、彼の「困った顔」なんて完全に忘れていいんです。

私が「優しいけど頼りない上司」からどうやって距離を置き、罪悪感なく自分のペースを取り戻したのか。

そのリアルな記録を、ここにまとめておきます。

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