- 自分で会議を開くので、準備や進め方を知っておきたい
- 参加している会議の進め方が非効率なので、できれば効率化したい
- 上司の会議の進行のしかたがヘタクソすぎるので、どうにかしたい
この記事はそんなことを考えている方に向けて書いています。
あなたの会社に
会議の進行が上手な、お手本になるような上司はいますか?
いませんよね。そんな上司は。
――ということで
会議の進行を任されたり
自分で会議を開く側になったときに
ぜひ試してみてほしい
会議の準備と進め方についての12のコツを
実例も入れつつ解説したいと思います。
苦労しないですよね。ね?
1会議の目的を明確にする
何のために会議を開くのか
会議の目的を明確にしておきます。
会議の目的は大きく3つに分かれます。
- 意思決定
何かを決めることが目的になります。 - 意見出し
何を決める手前の段階として、意見や提案などを出すことが目的になります。 - 共有
報告などを行うことが目的になります。
議題が複数ある場合は
議題ごとに、目的を明確にしておきます。
よくあるのが
○○について
というような目的(または議題)です。
例えば
「チームの活動方針について」
といっても
- 【意思決定】チームの活動方針について、方針を決めたい
- 【意見出し】チームの活動方針について、皆の意見を聞きたい
- 【共有】チームの活動方針について、決まったことを皆に報告したい
このように
目的によって、まったく異なる内容となります。
何のために会議を開いて
何について、どんなことをしたいのか
まずは、自分のあたまの中で整理しておくとよいと思います。
目的を明確にしておくことで
- 議論したけど、議論だけで終わってしまった
- 参加者から「これ何の時間ですか?」と言われてしまった
- 会議が終わってから「時間の無駄だった」と言われてしまった
このようなことを防ぐことができます。
2会議の目的を事前に共有する
会議の目的を明確にしたら
参加者にはなるべく事前に知っておいてもらうようにします。
参加者が会議の目的を知らずに参加すると
- 貢献意識が低い
何のために呼ばれたのかわからないため - 必要な準備をしてきていない
何をするのか聞かされていないため - 議論で脱線が多くなる
議論の目的がわかっていないため
このようなことが起こりがちです。
会議の開催のお知らせなど、招集のメールをすると思いますので
本文に会議の目的も記載しておくとよいと思います。
たとえば
チームの活動方針について【意見出し】
「誰にどのような貢献をするのか」活動方針を定めたい。
そのため、まずは皆さんの意見を聞かせてほしいです。
(※さらに、付け加えるなら)
・あいまいで困っていること
・方針を明確にしてほしいこと
など、事前にいくつか意見を考えておいてください。
こんなかんじです。
自分が参加者だったらどうでしょうか?
事前に共有されているのと、されていないのでは
けっこう違いませんか?
3会議の参加者を決める
会議の目的を明確にしたら
会議の目的を達成するために必要な人に参加してもらうようにします。
「いてもらったほうがいいかどうか」だと
「いないほうがいい」とは、ならないので
たいていは「いてもらったほうがいい」になってしまいます。
あなたも会議に参加していて
「これ、自分がいる意味あった?」
と思うような会議はありませんか?
目的が明確になっていない会議は
とりあえず「いないよりは、いてもらったほうがいい」
というような考えで参加者を選びがちです。
なので
会議の目的を達成させるために
「いなければ困る人」
――という観点で考えてみてください。
意思決定であれば
とうぜん意思決定権を持つ人に
参加してもらう必要がありますし
意見出しであれば
知見のある人や、あなたが信頼している人など
意思決定の判断材料になる意見をもらえるであろう人を
考えてみるのがよいかと思います。
仕事してる感を出してたりしてますよね
あれはなんなんですかね
なんかの事実作りなんですかね
4アジェンダを作成する
会議の目的を明確にしたら
アジェンダも作成しておきます。
- 会議の進め方(シナリオ)を考えておく
- 時間配分を考えておく
たとえば
会議の所要時間:1時間
会議の目的:チームの活動方針の決定【意思決定】
・チームの活動方針の素案の説明:10分
・素案について協議:35分
・協議内容のまとめ:10分
・決定事項・宿題の確認:5分
こんなかんじです。
議題が複数ある場合だと
会議の所要時間:1時間
会議の目的:
①チームの活動方針について意見出し【意見出し】
②今後予定されている重要案件の共有【共有】
・チームの活動方針について意見出し:40分
・今後予定されている重要案件の共有:15分
・決定事項・宿題の確認:5分
こんなかんじです。
ダメな例だと
<ダメなアジェンダ例1>
・チームの活動方針について:60分
※進め方が決まっていない
<起こりうること>
・素案の説明が長引いて、協議する時間が不十分になる
・議論だけで時間になってしまった
・決定事項などがあいまいなままバタバタして終わった
<ダメなアジェンダ例2>
・チームの活動方針について意見出し
・今後予定されている重要案件の共有
※時間配分が決まっていない
<起こりうること>
・1つ目の議題で時間になってしまった
・2つ目の議題で説明する時間が足りず、「後で資料見といて」で終わった
こんなかんじです。
会議の目的を明確にしても
進め方と時間配分を決めておかないと
会議の目的を達成できないこともありますので
アジェンダは作っておいたほうがよいでしょう。
アジェンダには会社や部署ごとでフォーマットがあったり
いろいろなテンプレートもWEB上で公開されていますが
「これが正解」というものは特にないと思いますので
自分にしっくりくるものを使うのがよいかと思います。
また
アジェンダを事前に作成すると
予定していることが時間内でおさまるかどうかの
シミュレーションにもなります。
場合によっては
- 時間を拡大する
- 会議を2回に分ける
- 意見出しは事前にメールで済ませておく
このような判断をとることもできるようになります。
「そもそも1時間で終わるわけないじゃん」
と、後から言われたりしないようにしておきましょう。
実際のところ
ここまで準備しても
予定通りに会議が進まないことはけっこうあります。
議題が複数ある場合は
緊急なもの、重要なものからにしておけば
万が一時間が足りないときにも
最低限の目的は達成できると思います。
だいたいアジェンダがないですよね。ね?
5事前に意思決定者と認識合わせをする
意思決定の会議では、意思決定者と事前に認識合わせをしておくことを強くおすすめします。
ある種「根回し」とも言います。
会議の前に、関係者に意図・事情などを説明して、ある程度の了解を得ておくこと
(けして悪い意味ではないですよ)
意見出しや共有の会議では特に必要ないかもです。
なぜ、意思決定者と事前に認識合わせをするのか
――それは
自分の意図を事前に理解してもらうことで
誤解をなるべく回避するためです。
会議当日に初出しの内容だったりすると
自分の意図が意思決定者に思うように伝わらず
誤解されたりして予想外の反対にあったりすることがあります。
――なので
意思決定者には事前に
「こういう内容の話をします」ということを説明しておき
案件の方向性や結論について
ある程度の了解を得ておきます。
もし、意思決定者と考えが合わなかったとしても
それが事前にわかったということで、軌道修正することができます。
ヘンに会議が荒れたりすることも防げますので
やはり、事前に認識合わせしておくことを強くおすすめします。
あくまで事前の認識合わせなので
裏で示し合わせておいて、出来レースをすることではありませんし
なんか「社内政治をがんばりましょう」ということでもないです。
事前に上司にまったく説明していなくて
会議で一発で決めようとして、紛糾しちゃう人をたくさん見てきました。
なので、これをやることの効果は大きいと思います
6結論を先に言う、または言い切る
意見を言うときは、結論から言うようにします。
日本語は文法上、理由が先で、結論が後にくる構造になっています。
※「○○なので(理由)、▲▲だと思います(結論)。」
そのため
- 回りくどかったり
- 結論までたどり着くのが長かったり
- 結局のところ何が言いたいのか、わからなかったり
します。
たとえば
- 私は、その方法はどうかと思います
- ネガティブに受け取る人も一定数いると思います
- メリットより、デメリットのほうが目立つと思います
このような
「つまり何でしょうか?」
と、思うようなことです。
▲▲だと思う(結論)、なぜなら、○○だと思うからです(理由)。
「なぜなら(because)」を使って、理由を後につける構造になっています。
- 私は賛成です(結論)。なぜなら、初期投資が少ないからです(理由)。
- 私は反対です(結論)。なぜなら、費用対効果が低いと思うからです(理由)。
- 私はA案がいいと思います(結論)。なぜなら、今の社内のリソースでもできると思うからです(理由)。
こんなかんじです。
このように
結論から先に述べるようにすると
意見の主旨がわかりやすくなります。
参加者全員でできればいいのですが
実際のところ、そううまくはいきません。
例えば会議のルールで
「意見は結論から言うようにしましょう」
と、決めたところで
まあ、機能しないわけです。
ルールを決めたところで、普段のクセは急になおりませんし
だいたい参加者はすぐにルールなんて忘れます。
会議の参加者全員が、同僚や部下などで
あなたにとって言いやすい人だけであれば
あながたルールをしつこく言い続ければ
しだいに徹底されるようになるかもしれません。
ただ、そのまえに
・空気が悪くなる
・あなたが根負けする
と思います。
会議の参加者に目上の人が参加していたら
とても言いづらいので
あきらめざるをえないでしょう。
――そこで
おすすめしたいのが
「言い切ってもらう」
という方法です。
相手に意見を言ってもらうときは
なるべく言い切ってもらうようにします。
どういうことかと言いますと
たとえば
つまりどういうことでしょうか?
みたいなかんじで
結論まで言い切ってもらうように促してみます。
促してみると
- だから、やめておいたほうがいい思う(反対)
- なので、この案のほうがいいと思う(代案)
- つまり、こういったリスクがあると思う(懸念点の示唆)
このようなかんじで
だいたいの人は言い切ってくれます。
自分が意見を言うときは
結論から言うようにして
参加者に意見を言ってもらうときは
言い切ってもらうようにする
というように
使い分けるとよいと思います。
思ったことを口にするだけで結論のない人もいますよね
7ホワイトボートを使う
いわゆる「空中戦」を避けるために、ホワイトボードを使います。
意見が空中を飛び交う様子を揶揄した例え。
ホワイドボードがないと
空中に向かって、思ったことを言い合うだけの状態になりがちです。
議論しても何も決まらないとか
何が決まったのかわからないとか
決まったはずなのに、実は認識が合っていなかったとか
そういうときは
だいたい空中戦の議論をしていることが多いと思います。
挙がった意見をホワイトボードに書いておくことで
参加者は、自然とホワイトボードに書かれた意見に対して
自分の意見を言うようになります。
挙がった意見を書いておくと
みたいに
意見に対して意見をするようになり
結論に向かうような議論になっていきます。
特に対立意見が出た場合
これが口頭のみによる空中戦だと
自分の考えを主張することや
相手の主張を論破することなど
感情論になりがちです。
空中戦だけに
敵を撃墜しようとしてるかんじです。
ホワイトボードに書き
いったん視覚情報にすることで
冷静に議論できるようになります。
あと
意見を書くことで
認識違いを防ぐ効果もあります。
<書く段階での認識合わせ>
書くことが、そのまま認識合わせになります。
<書いてあることによる認識合わせ>
書いてあることが「正」の情報となりますので
あとあとになって
――ということで
会議ではホワイトボードを使うことをおすすめします。
いざ使おうと思ったときに
ホワイトボードから離れた席にいると
それだけでハードルが上がってしまいますので
ホワイトボードに近い席に座っておきましょう。
座っている状態から
おもむろに立ち上がり
ホワイトボードを使いだす――
慣れないうちは
けっこう勇気が必要になりますが
こればっかりは
場数を踏んでいくしかないと思いますので
会議の空気や参加者の視線に負けず
勇気を出して立ち上がっていきましょう。
ホワイトボードがなくても
プロジェターやモニターがあれば
PCに入力した画面を移すなどでもOKです。
みたいな
人の意見を否定しかしてこない上司もいますよね。ね?
なにがしたいんですかね
仕事できるアッピールでもしたいんですかね
陰でめっちゃ嫌われてるのにね
イミフですわ
8議論して決まったことを確認する
議論の結果、「何が決まったのか」を確認するようにします。
前述のホワイトボードを使うのと同じで
認識違いを防ぐ効果があります。
・担当について
「え、それ私が担当でしたっけ?」
・期日について
「え、それ期日ありましたっけ?」
・内容について
「え、そういうことでしたっけ?」
・やるべきことについて
「え、それもやるんでしたっけ?」
・そもそもなことで
「何が決まったんでしたっけ?」
議論をして、決まったと思っていても
決まったようで、何が決まったのかわからない
決まったことが、参加者によって違う
このような認識違いはけっこうあったりします。
ですが
確認しないまま、次の議題に進んで行ったり
会議が終わってしまうことも多いです。
決まったことを確認することで
参加者全員の認識合わせもできますし
もし認識違いがあっても、その場で修正することができますので
会議で議論した時間を無駄にしなくて済みます。
忘れないようにアジェンダにも
「決定事項の確認」と記載しておくとよいと思います。
9やるべきことの担当と期日はその場で決めてしまう
前述の決まったことの確認をしていると
「やるべきこと」だけ決まったけど
「誰が、いつまでにやるのか」までは決まっていないことがあります。
たとえば
・追加の調査をする
・○○部署にも共有しておく
こんなかんじのことです。
やるべきことだけ決まっても
担当と期日が決まっていないと
実行されないことが多いです。
なので
何を、誰が、いつまでにやるのか
担当と期日についても
なるべくその場で決めておくようにします。
会議が終わったあとに決めようとすると
それ自体が
誰が、いつまでに決めるのか
という宿題になってしまいますし
担当をお願いしたら断られたり――と
かえって面倒なことになりがちなので
参加者が揃っている状態で、決めてしまうことをおすすめします。
自分でやるはめになるか
実行されないかになりがちなので
お気を付けください
10議事録はその日のうちに出してしまう
時間がたてばたつほど記憶も関心も薄れていきますので
なるべくその日のうちに議事録を送ってしまうのがよいです。
議事録といってもここで言う議事録とは
・決定事項
・やるべきこと(宿題)
これだけです。
前述の「決まったこと」と「やるべきことの担当と期日」の内容になります。
議事録はメールで展開すると思いますので
メールの本文に上記の内容を記載して
サクッ送ってしまう方法をおすすめします。
会議で決まったことの記録(ログ)を共有して
認識合わせに念を押すことが目的になります。
なので「決まったこと」だけ記載していれば十分。
決定までの経緯とかは不要です。
あまり時間をかけて一生懸命つくる必要はないです。
会社や部署によってフォーマットもあると思いますが
わざわざフォーマットに入力するほどではないですし
添付ファイルだと開かない人も多いです。
そもそも議事録を見る人が少なかったりします。
メール本文に端的に要点だけ記載したものであれば
見てくれる人も多かったりします。
議事録の書式や書き方はいろいろありますが
特に正解はなく、目的によりけりだと思います。
言い換えると、目的ありきであって、書式ありきではないです。
――なのですが
なかには
「ちゃんとフォーマットを使いなさい」
「決定事項だけでなく、議論した内容も書いてよ」
とか言ってくる
完全に書式ありきの上司もいるかもしれません。
そういう場合は
「あとでやります」
と言って
無視しておくのがよいでしょう。
たぶんその上司もすぐ忘れます。
それが通用しなかったら
「わかりました」
と言って
もう1回無視してみましょう。
それでもダメだったら
まあ、しょうがなく従いましょう。
サラリーマンとして。
思考停止してる側の上司だったわー
と思っておきましょう
11おすすめしないノウハウ①:会議のコストを算出する
会議のノウハウでよくあるのですが、会議にかかっているコストを可視化するという手法です。
こんなやつです。
2時間×20人×2,000円+35,000円=115,000円
コストを意識した時間の使い方をしましょう
という意図ではあるのですが
これを参加者に見せたところで
「だからなに?」
というかんじです。
「コストを意識する」といっても
具体的に会議のなかで、どういう行動をとってほしいのかが不明確ですから
参加者の行動の変化にはつながらないわけです。
あと
これを言う人も
言っただけで、何もしないことがほとんどです。
いっとき私のいる会社でも流行りましたが
まったく機能していませんでした。
会議にかかっているコストを意識するのは大事ですが
「意識する」だけでは意味がありませんでの
会議の進め方や準備の方法を身につける方がよいです。
こういうこと言うのは、だいたいが思考停止している上司です
12おすすめしないノウハウ②:席順に配慮する
これもよく聞くノウハウです。
「対決位置」と「交流位置」があるので
席順には配慮しましょう
というやつです。
-
対決位置(面と向かって座る)
相手と深くコミュニケーションできるが、相手が反対意見を持つ場合、より反対を受けやすくなる -
交流位置(隣り合わせ)
心理的にも親近感や味方の意識が働くため、攻撃の対象になりにくい
これを実践しようとしても、なかなかうまくはいきません。
なぜかというと
参加者は来た順に好きな席に座るからです。
そうじゃないですか?
参加者は、こちらの思うようには座ってくれないものです。
そもそも、席の位置を仕切れるくらいだったら
たぶん会議の進行に困ることもないと思います。
なので
会議の進め方にあたって
席順はあまり気にしなくてもいいと思います。
自分がなるべくホワイトボードの近くに座るようにする
くらいで十分です。
まとめ:最大のコツは場数を踏むこと
いかがでしたでしょうか。
自分に合うやり方、合わないやり方もあると思いますので
まずはやれそうなものから実践してみてください。
最大のコツは
場数を踏むこと
です。
数をこなして慣れていきましょう。
精神論かもしれませんが
結局のところはこれかなと思います。
実践していくにあたって
よくない顔をする上司や
否定的な上司もいるかもしれません。
そんなときは
自分にとってやりやすい環境から
小さく少しずつ始めていくことをおすすめします。
心を折らないように
ゆるくいきましょう。
ではでは
ああーこの上司、思考停止してるわー
残念ながら思考停止側の上司だったわー
と思っておきましょう