- 説明してもなかなか相手に理解してもらえない
- 相手の知りたいことに答えられたか不安
- 何を説明すれば理解してもらえるのか知りたい
今日はこんな疑問に答えていきます。
- 相手の知りたいことを把握する方法を解説します
『説明する』ことで大切なのは次の2つです。
- 自分が伝えたいことを明確にする
- 相手が知りたいことを明確にする
説明が苦手だと思っている人は、この2つをそれぞれ分けて考えていくとよいのですね。
今回は『相手が知りたいことを明確にする』について解説していきます。
なぜ『相手の知りたいこと』を明確にする必要があるのか?
自分が伝えたいことを一生懸命に説明しても、それが相手の知りたいこととは限らないからですね。
たとえば、あなたが自分の企画のプレゼンでいかに熱くメリットを説明したとしても、相手はデメリットのほうをちゃんと知っておきたいと思っているかもしれません。
ようはそういうことなんですね。
がんばって説明しようと思えば思うほど、自分が伝えたいことが先行してしまい、相手を置いてけぼりにしてしまいます。
相手も"知りたいことが知れない"のはストレスに感じるかもです。
なので、説明は『自分の伝えたいこと』を説明すると同時に、『相手の知りたいこと』にも答えていくのが大切になってくるのですね。
どうやって『相手の知りたいこと』を把握するのか?
相手に『聞く』ことです。かんたんですね。
「聞けばわかるなんて当たり前じゃん」って思ったかもしれませんが、これが意外とできてなかったりするんですね。
もちろん、相手が知りたいと思うことを事前に仮説立てて考えるのも大切です。
でも、いくら考えたところで仮説は仮説ですし、100%的中することなんてありえません。
何も考えてないのはちょっと論外ですけど、考えすぎちゃって、"当の本人には聞いていない"ということはけっこうあります。
つまりこういうことですね。
- 相手が何を知りたいのか仮説立てて考える
- 仮説立てて考えた内容を説明する
- 仮説が当たっていたかどうかの答え合わせをする
仮説を立てたなら検証も行わないとだめです。
ここでの検証にあたるところが、『相手に聞く』ということなんですね。
『相手の知りたいこと』を把握する方法
それでは具体的な『聞き方』になります。
説明を聞き終わった相手の状態は2通りです。
- "知りたかったこと"と"知れなかったこと"が明確になっている
- "知りたかったこと"と"知れなかったこと"が明確になっていない
説明が終わったら「何か質問がありましたら」とか「何か不明な点がありましたら」という流れになると思います。
相手が①だったら、"知れなかったこと"を質問してきてくれるので『相手の知りたいこと』を把握するのは簡単です。
あとは、質問に的確に答えられるかどうかなのですね。
では、相手が②だったらどうでしょう?
相手も知りたかったことが知れたのかも、何が知れなたかったかもあいまいな状態ですから、質問もそんなに出てこないかもしれませんね。
そうなると、説明した方としても『相手の知りたいこと』を把握するのが難しくなってしまいます。
あと、ここまで説明しておいてなんですが、そもそも相手が①なのか②なのかも、こっちからはわかりようがないのですね。
そこで、役に立つのが『地図とコンパス』の考え方です。
地図とコンパスを使って、現在地と目的地を確認してから進路を決めて進みはじめます。
これを説明にあてはめるとこんなかんじです。
地図 | 説明 |
目的地 | 説明の目的 |
現在地 | 説明し終わった状態 |
進路 | 説明の目的達成のためにあと何が必要か |
目的地・現在地・進路、この3つを相手と会話しながら認識を合わせていくと、『相手の知りたいこと』も見えてきます。
↓
いまどこにいるのか
↓
どこを通って進むのか
考える順番はこうです。
説明の目的の認識が合ってないと、現在地の話をする意味がないですし、進路の話もできないのですね。
目的地:説明の目的
まずは『説明の目的』の認識合わせをします。
「説明すること」が目的ではない
『説明の目的』は、『誰に何をしてほしいのか』ということになっていますか?
「~する」ではなく「~してもらいたい」で考えるのがコツです。
たとえば
「提案する」だと、提案できれば終わりなのか?ということですね。
提案することで、「意見をもらいたい」とか「承認してもらいたい」ということが説明の本当の目的になるはずです。
なので
『説明の目的』は「(誰に)~してもらいたい」と考えてみてください。
なぜ『説明の目的』の認識を合わせる必要があるのか
目的地が相手と違っていたらゴールにたどり着けないからです。
たとえば、この場でA案かB案か決めてほしいと思って説明したのに、相手は説明を聞くだけだと思っていたら、決めてもらえませんよね。
なので、相手にも何のための説明なのかわかってもらうことが大切です。
現在地:説明し終わった状態
目的地の認識が合ったら、次は現在地の認識合わせです。
何を説明したかという確認ですね。
たとえば、上司に課題解決の提案をして承認してほしいとしましょう。
- 課題だと思うこと
- その課題の原因だと思うこと
- 課題の解決策の提案
- 解決策のメリットを説明
これらを説明して、提案した解決策の実行を承認してほしいということですね。
目的地に対して「今ここです」という認識を合わせます。
進路:説明の目的達成のためにあと何が必要か
目的地と現在地の認識が合ったら、最後にその2つを結ぶ進路の認識合わせをします。
「いまここだから、あとこの道を通って進めばゴールに着きますね」という確認です。
現在地の認識合わせをしてる最中から会話が始まることもありますが、"目的地に着くにはあと何が必要か"を会話していきます。
相手からこんなかんじで聞いてきてくれることもあります。
承認するにあたって、必要な情報(不足している情報)を知りたいということですね。
もし相手から質問が出てこなくて何か考えているようなら
と聞いて、相手の考えを引き出してみてください。
目的地を先に決めたから『知りたいこと』を引き出せる
目的地を先に決めておくと、目的地に着くには"あと何が足りないか"ということが想起しやすくなります。
相手も自分があと何を知る必要があるのか考えやすくなり、こちらにとっては『相手の知りたいこと』を引き出しやすくなるということですね。
引き出した意見は紙に書き出す
相手に言ってもらった意見は紙に書き出しましょう。
- 同じものを見て認識の齟齬をなくす
- 忘れないようにする
- 空中戦にしない
- 「あなたの意見をちゃんと聞いています」という姿勢を見せる
ふむふむと聞いているだけではダメです。
書き出すことで地図を一緒に作っていきましょう。
こんなかんじですね。
説明が苦手な人こそ、とにかく書くことをおすすめします。
書くことで意見や考えが『可視化』されます。
可視化されると相手も同じものを見て会話できるようになるので、言葉だけのときと比べると格段に理解しやすくなるのですね。
まとめ:会話の地図を相手と一緒に埋めていきましょう
目的地・現在地・進路の認識合わせることで、地図ができあがっていきます。
こんなイメージです(こういう風に作ってくださいということではないですよ)
説明がうまくなるということは、説明の目的を達成しやすくするということです。
説明の目的を達成させるコツのなかの1つが『相手の知りたいことを明確にする』ことでした。
このように、地図とコンパスの考え方で、相手と一緒に地図を作っていくことで、『相手の知りたいこと』が明確になり、あとはその知りたいことに的確に回答できれば、めでたくゴール!というわけですね。
なに言ってるかわからない上司もいたりするじゃないですか?
そういうときも地図を一緒に作ることが効果的だったりしますよ。
ということで
ではでは
お疲れさまでした。
つまりこういうことですか?
つまりこういうことですかー?