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転職する気がなくても行ってよかった|エージェント面談で見えた“本当の自分”

転職する気がなくても行ってよかった|エージェント面談で見えた“本当の自分”

初めての転職エージェント面談。
駅に向かう足取りは、少しだけ重たかった。
「冷やかしだと思われないかな」——そんな不安が頭の中をぐるぐる回っていたのを覚えています。

転職の意思が強いわけではない。けれど、ここ最近「このままでいいのかな」と感じる瞬間が増えていた。
そんな時、なんとなく登録した転職サイトから面談の案内メールが届いたんです。
正直、開いたまましばらく迷いました。まだ辞めると決めたわけでもないし、面談で何を話せばいいのかもわからない。
でも——不思議と“今の自分を整理したい気持ち”だけは確かにありました。

結果、この1時間が「自分を知るきっかけ」になりました。
誰かに評価されるのではなく、“外の視点で自分を見る”という体験が、思っていた以上に心を軽くしてくれたのです。

この記事では、私が初めてのエージェント面談で感じたリアルな気づきをお伝えします。

この記事でわかること
  • 面談前に感じた不安と心理的ハードル
  • エージェントが指摘してくれた「意外な強み」
  • 面談後に芽生えた“自分への信頼”と心の変化

「まだ転職するつもりはない」という人にこそ読んでほしい。
エージェント面談は“転職活動”ではなく、“キャリアを点検する時間”なのだと、今でははっきり言えます。

「本気じゃなくても大丈夫?」──面談前に感じた“ためらいと罪悪感”

面談を予約したものの、前日の夜になっても落ち着かなかった。
スマホのカレンダーに表示された「転職エージェント面談」の文字を見て、「やっぱりキャンセルしようかな」と何度も思った。
転職の意思が固まっていない自分が行っていいのか——そのモヤモヤがずっと頭から離れなかったんです。

でも、今振り返ると、この迷いこそが“多くの人が最初に感じる自然な戸惑い”だったのだと思います。
ここでは、私自身が面談前に抱えた心理的なハードルと、それをどう乗り越えたのかを振り返ります。

転職意思がなくてもOK?エージェント面談の“利用ライン”を知る

初めてエージェント面談の案内メールを開いたとき、最初に湧いたのは期待ではなく罪悪感でした。
「まだ辞めるつもりもないのに、相談していいのかな」——そんな気持ちが拭えなかったのです。

でも調べてみると、実際には“転職の意思が固まっていない人”の相談も多いという。
エージェントにとって面談は「求人を紹介する場」だけでなく、“キャリアを整理するための対話の場”でもある。
つまり、「今のままでいいのか」を言葉にすること自体が、もう立派な“行動”なんですよね。

「準備段階の相談でも大歓迎です」
——そんな一文を見つけたとき、心が少し軽くなりました。

“キャリア相談だけ”でも歓迎だった──安心して話せた理由

私は最後まで「冷やかしだと思われないか」と心配していました。
でも実際に届いた面談案内メールには、はっきりとこう書かれていたんです。

“キャリア相談のみでもお気軽にご参加ください。”

たった一文でしたが、肩の力がすっと抜けた瞬間でした。
「転職前提じゃなくてもいい。自分のキャリアを誰かに話して整理してみるだけでもいい」
——そう思えたことで、初めて“参加してみよう”という気持ちが生まれました。

今思えば、面談前の不安の正体は、「評価されること」への恐れでした。
けれど実際に行ってみると、それは“採点”の時間ではなく、“棚卸し”の時間だった。
終わる頃には、「あ、ちゃんと頑張ってきたんだな」と、自分を少し誇らしく感じていました。

あのとき勇気を出して面談に行っていなかったら、今の“キャリアの地図”は描けていなかったと思います。

ポイントまとめ
  • 転職意思が低くても面談はOK。むしろ整理のチャンス。
  • 面談は「評価の場」ではなく「棚卸しの場」と捉える。
  • 不安を正直に話すことが、面談成功の第一歩。

エージェント面談で得た“外の視点”|会社の評価とは違う基準がある

オフィスの扉を開けた瞬間、胸の鼓動が少し速くなった。
「どんな質問をされるんだろう」「うまく話せるかな」——そんな緊張が全身を包んでいました。

けれど、実際に席に着いてみると、その不安はすぐに薄れていきました。
担当のアドバイザーは、終始穏やかな口調で話を聞いてくれた。
堅苦しい“面接”ではなく、「今の自分を一緒に整理してくれる時間」だったんです。

ここでは、私がその対話の中で気づいた「自分では見えていなかった視点」を紹介します。

“普通だと思っていた経験”が「市場価値が高い」と言われた瞬間

面談では、これまでの業務内容を順に話していきました。
営業戦略の立案、社内調整、トラブル対応——どれも“普通のこと”だと思っていた。

ところが、アドバイザーは話を聞くなり、少し身を乗り出してこう言ったんです。

「この経験、業界ではかなり評価されるスキルですよ。」

思わず「えっ?」と聞き返しました。
自分にとって“日常”だった仕事が、他社では“希少”な経験だという。

その瞬間、「自分では当たり前すぎて気づけなかった強み」を初めて意識しました。
たった一言でしたが、「自分の仕事にもちゃんと価値があるんだ」と思えたのは、想像以上に大きな発見でした。

希望条件を言語化できない自分に気づいた|“受け身のキャリア”からの脱却

もう一つ印象に残っているのが、アドバイザーからの質問でした。

「どんな働き方を望みますか?」

この問いに、すぐには答えられませんでした。
頭に浮かんだのは“やりたいこと”ではなく、むしろ“やりたくないこと”。
残業続きの毎日、理不尽な指示、評価されない環境——そんな記憶ばかりが出てきたのです。

けれどアドバイザーは、私の沈黙を責めることなく、静かにこう言いました。

「それも大事な情報です。“嫌”の正体を知ることも、キャリア整理ですよ。」

その言葉に、心がすっと軽くなりました。
理想を語れなくてもいい。今の不満を整理することからでも前に進める。
そう思えた瞬間、面談が“評価の場”から“自己理解の場”へと変わった気がしました。

面談を終えた帰り道、少しだけ背筋が伸びていました。
「まだやれることがある」——そう思えたのは、他人の言葉が自分の価値を映してくれたからです。

ポイントまとめ
  • 第三者視点は、自分では気づけない強みを照らしてくれる。
  • “嫌なこと”を言語化するのも立派なキャリア整理。
  • 面談は「評価される場」ではなく、「自分を知る対話の場」。

“外の評価”がくれた自信|社内評価では見えなかった強み

面談の終盤、アドバイザーの言葉が一つひとつ胸に染みていった。
「あなたの話を聞いていると、ちゃんと課題を整理しながら進めてきたのが伝わりますね。」
その何気ない一言に、喉の奥が熱くなった。

ここでは、他者からの評価を通じて生まれた“自己信頼”の回復について振り返りたい。
自分の価値を改めて認識できたのは、誰かに“採点”されたからではなく、“理解”されたからだった。
あの面談は、転職活動というよりも、“自分を信じ直すプロセス”そのものだったのです。

「こんなことも強みになるんだ」と言われて気づいた価値

面談中、アドバイザーは私の話を丁寧に聞き取りながら、要点を一つひとつ言葉にしてくれました。
「つまり、状況が混乱しても冷静に整理できる強みがありますね。」

その一言に、思わず息をのんだ。
自分では“当たり前の対応力”と思っていたことが、他者から見れば明確な強みになる。
まるで鏡を通して、これまで気づかなかった自分を見せられたような感覚でした。

そして、「普通のことをちゃんとやってきた」こと自体が価値になる——その事実が、心の奥を静かに満たしていきました。

「今の会社だけがすべてじゃない」と思えた瞬間

面談の終わりに、アドバイザーがこう言いました。

「あなたの経験なら、他業界でも十分に通用しますよ。」

その瞬間、胸の奥で何かがふっと軽くなった。
ずっと「この会社でしか通用しない」と思い込んでいた自分に、“選べる自由”があると知ったからです。

面談を終えて外に出たとき、夕方の風が少し違って感じられました。
転職活動のスタートではなく、“自己信頼のリスタート”だった。
誰かに評価されたことで、自分を客観的に見直す勇気が生まれたのです。

あの面談をきっかけに、「環境に縛られていたのは自分の思い込みだった」と気づきました。
小さな一歩が、こんなにも視界を変えるとは思っていませんでした。

ポイントまとめ
  • 第三者の評価は、“自己信頼”を静かに回復させる。
  • 面談は「可能性の棚卸し」の時間。
  • 「自分には選択肢がある」と気づくことが、最大の成果。

まとめ|エージェント面談は“転職活動”ではなく“キャリア点検”の時間

これまでの体験を通して、はっきりわかったことがあります。
それは——面談は「転職を決意した人のための場」ではなく、「自分を見つめ直すための時間」だということ。

行く前は、「冷やかしだと思われないか」「まだ辞めるつもりもないのに」と何度も迷いました。
でも、終わったあとに残ったのは、そんな迷いではなく「行ってよかった」という静かな確信でした。

ここでは、その理由を整理してみます。

辞める気がなくても行く価値がある|“未来への安心”を得られた

面談を終えて感じたのは、「転職しなくても行く価値がある」ということ。
キャリアを見つめ直す時間は、どんな立場の人にも必要です。

会社の評価軸から一歩離れて、“自分の軸”でこれまでの歩みを見直す。
それだけで、毎日の仕事に対する見え方が少し変わってくる。
「今の環境でできること」も、「この先に備えること」も、前向きに捉えられるようになるのです。

「一度話すだけ」で十分変わる|小さな行動がくれる大きな気づき

面談は、“未来のための棚卸し”
まだ動くつもりがなくても、一度誰かと話すだけで、見えなかった景色が見えてくる

「このままでいいのかな」と感じていたぼんやりとした不安が、言葉にすることで輪郭を持ちはじめる。
そして、自分のキャリアを“外の視点”で見たとき、初めて気づくことが必ずあります。

それこそが、キャリア防衛の第一歩。
行動することが“転職”ではなく、“自分を守る選択”になる瞬間です。

面談に行くことは、未来を決めることではなく、自分を知ること。
そして“知る”ことが、あなたのキャリアを守るいちばんの武器になります。

「このままでいいのかな」と感じたときは、自分のキャリアを一度見直してみるタイミングです。
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職務経歴書まで登録しておくと、あなたの経験に興味を持つ企業からスカウトが届くようになります。

職務経歴書を書くのは、転職のためだけではありません。
これまでの仕事を整理してみると、
「あの経験にも意味があった」と気づける瞬間があります。

焦らず、自分のペースで大丈夫。
余裕があるときに職務経歴書まで登録しておくと、
新しい発見と自信がきっと得られます。

参考資料(出典)
No.出典名概要URL
1doda(パーソルキャリア)公式:転職エージェントの面談とは?初回面談の流れ、質問内容、準備のコツなどを解説。キャリア相談として利用できる旨も明記。https://doda.jp/guide/agent/interview/
2マイナビエージェント:キャリアカウンセリングとは面談時の質問例や、自己理解を深める「棚卸し」の重要性を紹介。https://mynavi-agent.jp/knowledge/first/interview.html
3リクルートキャリア:転職エージェント利用実態調査2024エージェント利用率・満足度・利用理由などをデータで可視化。https://www.recruit.co.jp/newsroom/
4独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT):「キャリア相談の効果に関する調査」キャリア面談を受けた人は職務満足度や年収が有意に高いという調査結果。https://www.jil.go.jp/
5カオナビ人事用語集:「ジョハリの窓とは?」自己理解を深める心理モデル「ジョハリの窓」をわかりやすく解説。https://www.kaonavi.jp/dictionary/johari-window/
6type転職エージェント公式ブログ:初回面談の心得初めて面談に臨む人が感じる不安・緊張へのアドバイスを掲載。https://type.jp/agent/feature/
7オリコン顧客満足度調査(2023年版) 転職エージェントランキング利用者満足度を総合的に評価した調査。主要エージェント比較の参考に。https://life.oricon.co.jp/rank-agent/

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