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“評価されるため”から“自分で選ぶため”へ──市場価値を知って変わった働き方の軸

“評価されるため”から“自分で選ぶため”へ──市場価値を知って変わった働き方の軸

夜、家に帰ってシャツを脱いだ瞬間、ふとスマホの通知に目が留まりました。
リクナビNEXTの診断結果——“今の自分の立ち位置”が、数値と文章で返ってくるあの画面。
正直、少し怖かったんです。結果次第では、すぐ転職したくなるかもしれない、そんな予感がしたから。

でも、実際は逆でした。
“自分がどこに立っているか”を知ったことで、今の職場とどう向き合うかがクリアになった。
焦りが薄れ、翌朝のミーティングでは話すべきことが自然と整理されていました。

以前の私は、いつも「評価されたい」が先にありました。
上司の表情や社内の評価軸に合わせようとするうちに、やることがブレていく。
けれど、診断・棚卸し・面談を通して気づいたんです。
評価の軸を外側に置くほど、自分が揺らぐ。
本当に大事なのは、“どんな価値を出せるか”という自分の内側の軸でした。

この記事では、私が市場価値を「見える化」したあとに起きた、
心の変化と働き方のスタンスの変化をまとめています。

この記事でわかること
  • 診断後に生まれた“安心感”と、その理由
  • 「評価されるため」から「価値を出すため」へ——働き方のピボット
  • 市場価値を知ることが“選択肢を広げる”具体的な効用

焦って動かなくても大丈夫です。
まずは一度、現状を“見える化”してみる。
それだけで、焦りが整い、明日の仕事の仕方が少し変わります。

“数字”の結果より、“自分を認められた”安心感

診断を受けた直後、意外にも心は軽かったんです。
「悪い結果が出たらどうしよう」と構えていたのに、返ってきたのは“整理された自分の輪郭”でした。
数字や偏差値ではなく、「このスキルはどんな環境で価値になるか」という“言葉の地図”。
そこから、安心が少しずつ広がっていきました。

自分の経験にも“価値がある”と気づけた瞬間

診断では、スキルや経験がどの職種・どのフェーズの企業で価値になりやすいかが可視化されました。
私の場合、「既存事業の改善」「営業×データ活用」領域が強みと出た。
正直、想定よりも“今の仕事の延長線”に需要があることが意外で——
「完全に需要がないわけではない」と分かった瞬間、肩の力が抜けました。

そこからは自然に行動へ。
求人票を10件ほど保存し、自分と相性の良い条件にどんな共通点があるかを整理。
エージェントとの面談では、「今の環境で伸ばせるテーマ」まで具体的に言語化できました。

結果、「今の場所で試す → 外でも通じるかを確かめる」という順番が見えた。
“どこにも居場所がない”という漠然とした不安が、地図の上で行ける場所を確認する感覚に変わっていました。

ポイントまとめ
  • “居場所がない不安”が“解像度の高い地図”に変わる。
  • 「需要のある強み×伸びしろ」を把握すると、自分の戦い方が見える。

結果を知って、“足りない”より“活かせる”を探せた

通勤電車で求人票を眺めながら、年収レンジや求める成果を現職と見比べていました。
そのとき気づいたのは、“今の会社で積める実績の価値”。
外の数字を見たことで、「焦りよりも再現性を積む方が市場価値は上がる」と腹落ちしたんです。

それからは、焦って動くより「今できること」に集中するようにしました。

  • 今しかできないテーマをリストにする
    (たとえば、古い仕組みを改善したり、仕事を少し便利にする工夫を考えたり)
  • 3か月でやる目標を決める
    (たとえば「売上を5%上げる」「作業を10分短くする」など、結果がはっきりわかる目標)

こうして“目に見える小さな成果”を積み重ねるうちに、「焦らなくても進めている」と実感できるようになりました。

行動の意味を「逃げること」ではなく、「自分を少しずつ強くすること」と考えられるようになりました。
そう思えるようになると、すぐに環境を変えなくても安心できるようになったんです。

焦る気持ちは、「これからどうなるか」がぼんやりしているときに強くなります。
だからこそ、「次に何をやるか」を3か月くらい先まで決めておくだけで、
未来の見え方がはっきりして、心が落ち着いていきました。

ポイントまとめ
  • 「市場価値(自分の実力がどこで通用するか)」は、転職した直後に決まるものではなく、“自分が同じ成果をもう一度出せる力”で高まっていく。
  • 焦る気持ちは、「いつまでに何をやるか」がはっきりしていないと強くなる。3か月くらい先までの行動を決めておくだけでも、気持ちが落ち着く。

“評価される”から“価値を出す”へ──働き方の意識が変わった理由

市場価値を見える化してみて、いちばん変わったのは“自分の働き方の軸”でした。
以前は「どう見られるか」「上司にどう評価されるか」を気にしてばかり。
でも、“評価されるために働く”ことほど不安定なことはないと気づいたんです。

上司が変われば、基準も変わる。
でも、「誰にどんな価値を出すか」という軸だけは、どこに行っても通用する。

そう思えた瞬間から、仕事の見方が少しずつ変わっていきました。
焦りではなく、自分のペースで価値を積み上げていく感覚が戻ってきたんです。

評価”ではなく“貢献”を軸に働けるようになった

少し前まで、私は“上司ウケのいい資料”を量産していました。
目的よりも「どう見えるか」に意識が向いていたんです。
けれど、評価を気にするほど、自分の時間が削られていく感覚がありました。

今は、“誰の課題を、どの指標で、いつまでに良くするか”を起点に動きます。
週初のToDoは「課題→仮説→検証→成果物」の4列で整理。
会議では「意思決定を進める資料」だけを持ち込みます。
説明資料は作りません。

成果は“ユーザーや顧客が感じる変化”で定義しています。
たとえば、商談化率+5pt、エラー対応時間▲30%。
数字に置き換えると、自分の仕事の“意味”が見えるようになりました。

「上司の承認がないと動けない自分」から抜け出すには、“自分で定義した成果”を持つことが一番の近道でした。

ポイントまとめ
  • 承認を取りに行く時間が減り、価値に直結する時間配分になる。
  • 自分の評価より相手の成功を優先すると、迷いが減る。
  • 「上司の反応」より「顧客の反応」で自分を測ると、ブレない。

“会社ありき”から“自分の軸ありき”の働き方へ

市場価値を見える化したことで、副作用のように得たのが“会社の外での自分の立ち位置”です。
それを知った瞬間、驚くほど心が軽くなりました。

「評価が悪くても、自分が価値を出していないわけじゃない。」
そう思える“根拠”を、外の軸がくれたんです。

今は、月1回の職務経歴書アップデートを習慣にしています。
社外の勉強会や同業の交流会にも、四半期に一度は顔を出す。
求人要件やスキルのトレンドを確認することで、“自分の成長が遅れていないか”をセルフチェックできます。

副業や社外プロジェクトも、小さな範囲から試しています(もちろん守秘義務と就業規則は厳守)。

ポイントまとめ
  • 「会社の評価がすべて」から離れると、働き方の選択肢が広がる。
  • 外の温度を知っていると、社内のノイズに振り回されない。
  • 自分のキャリアを“外の軸”で測ると、焦りが整理される。

市場価値を知る=“次の一手”を増やすこと

正直、「転職サイトを開く=辞める準備」だと思っていました。
でも、実際に登録してみて感じたのは、これは“逃げ”ではなく“防衛”なんだということ。

何かが起きてから探すのでは遅い。
“動ける状態”を保っておくこと自体が、キャリアの保険になる。

私はこの感覚を「辞めない転職活動」と呼んでいます。
転職しないと決めていても、市場の温度を知っておくことで「今をどう生かすか」が見えてくる
情報と自覚を持つことが、結果的に“安心して残る”力になりました。

転職しなくても、“情報を持つ”ことが最大のリスクヘッジ

数年前までの私は、転職サイトの通知が届くたびに「今の会社を裏切っている気がする」と感じていました。
けれど、ふと気づいたんです。“いざという時に何も持っていないこと”こそ、怖いことなんじゃないかと。

履歴書や職務経歴書、スカウト設定を整えるのは、辞めるための準備ではなく、“初動速度”を上げるための保険。
たとえば私は、こんなことをルーティン化しています。

  • 匿名・社名伏せの状態で公開設定を確認。
  • スカウト傾向を分析し、「市場が自分に期待している役割」を抽出。
  • その役割を、現職の業務設計(プロジェクトテーマなど)に反映。

すると不思議なことに、現職の仕事へのモチベーションまで上がりました。
“外”の目線で見た自分の価値が、社内の評価よりも具体的に感じられるからです。

情報を持っているだけで、不安が“構え”に変わる。
防衛は退路ではなく、前に進むための余白だと今は思っています。

ポイントまとめ
  • 情報を持っているだけで、不測時の選択肢が増える。
  • 市場を知ると、今の仕事を“再定義”できる。
  • 防衛とは「逃げる準備」ではなく、「動ける自分を保つこと」。

情報を持っている人ほど、安心して今を選べる

求人票を見比べたり、面談で話を聞いたり。
その過程で少しずつ、“自分にとってのリアルな選択肢”が形になっていきました。

転職活動というより、「自分の今を見直す棚卸し」に近い時間。
その結果、私は“残る”という決断を自分の言葉で説明できるようになりました。
これは想像以上に、日々の迷いを減らしてくれます。

今では、こんなふうに整理しています。

  • 「今の職場で積める価値」と「外でも通じる価値」を二軸でマップ化。
  • 次の四半期で“外でも価値になる”成果を1つ設定。
  • その過程と気づきをノートに記録し、“納得のメモ”として残す。

“残る理由”を自分の言葉で言えると、評価に一喜一憂しなくなる。
情報を持つことで、「今を選び直す力」が手に入るんです。

ポイントまとめ
  • “残る理由”が自分の言葉で説明できる=自信。
  • 比較できる情報があるから、“今”を主体的に選べる。
  • 情報を集めるほど、“残ること”に納得できる。

まとめ|“今を選び直す”勇気が、キャリアを動かす

行動してみて気づいたのは、「知ること」は怖さよりも安心をくれる行為だということ。
市場価値を見える化した瞬間、止まっていた時間が少しだけ動き出しました。

焦って転職する必要なんてありません。
でも、自分の立ち位置を知ることは、今の働き方を整理する最高のきっかけになります。
何も変わらないように見える日々のなかでも、“知る”という行動が、静かに次のステップを準備してくれるんです。

知ることで「逃げずに残る」も自分軸の選択になる

市場価値の見える化は、“辞めるため”の行動ではありません。
むしろ、「今の場所で何を伸ばすか」を考えるための行動だと気づきました。

外を知ったうえで残る——それは消極的な留任ではなく、主体的な戦略。

以前は、上司の評価が全てだと思っていました。
けれど、市場の基準を知ることで、「自分がどう成長したいか」を自分で決められるようになった。
それだけで、働くうえでの“軸”がぶれにくくなりました。

環境は同じでも、「残る理由」を自分の言葉で言えるかどうかで、日々の納得感は変わります。
そしてそれは、誰に評価されなくても持てる、静かな自信でした。

ポイントまとめ
  • “残る”ことも、自分で選べば前進になる。
  • 外の基準を知ると、今の仕事に筋が通る。
  • 「逃げずに残る」は、意志あるキャリア戦略。

まずは一度、“自分の市場価値”を見える化してみよう

完璧な準備はいりません。
私も最初は、夜にスマホで診断を受けてみただけでした。
それだけでも、頭の中のもやもやが言葉になり、安心感が戻ってきたのを覚えています。

行動→意識→安心。
この順番で、キャリアは少しずつ整っていく。

最初の一歩は、ほんの数分でも十分です。
動くことが、考えるより先に心を整理してくれます。

「辞めない転職活動」という考え方を、あなたも試してみませんか?

職務経歴書まで登録しておくと、あなたの経験に関心を持つ企業からスカウトが届きます。
いま転職する気がなくても、“自分の棚卸し”としておすすめです。
これまでの経験を言葉にするだけで、「自分の価値」を静かに再確認できる。
“準備だけ”でも、後の安心感が違います。

“今を選び直す”一歩を踏み出したら、次は自分の市場価値をどう磨くかを考えてみませんか?
市場価値を見える化して不安を解くキャリア戦略 を読む

「市場価値を知る」といっても、その向き合い方は人それぞれ。
他の記事では、“知る勇気”や“見える化のコツ”、“行動後の変化”なども紹介しています。
気になるテーマから、自分のケースに重ねて読んでみてください。

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