- 仮説思考のメリットってなに?
- 仮説思考ができると仕事の効率が上がるの?
- 仕事の効率がわるい上司ってもしかして、、、
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 仮説思考のメリットを解説します
- 仮説思考のよさをイメージしてもらえます
- 仮説思考を身につけたくなります
仕事が早い人は『仮説思考』を持っていて
仕事が遅い人は『仮説思考』を持てていないのかも
という話をこちらでしました↓
仮説思考に理解のある上司はけして多くはないですが、仮説思考で仕事をするメリットは知っておいて損はないと思うのですね。
今回はそんな『仮説思考のメリット』について解説していきます。
理解の早い人は仮説思考を持っている
「一を聞いて十を知る」って聞いたことありませんか?
意味はこうです↓
※goo国語辞書
これって『仮説思考』を持てってことなのかもしれません。
一つの情報から、素早く仮説を立てて、残りの九つを導き出す
理解の早い人、仕事の早い人というのは、そういうことなのかなと思うのですね。
仮説思考で仕事をする必要性
現在は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)を略して「VUCAの時代」といわれています。
変化が激しく予測も難しい現在のビジネス環境では、いくら時間をかけて情報収集、分析、予測をしたところで、その通りにいくことなんてありえないのですね。
ぶっちゃけVUCAとか関係なく、そもそも予測なんて外れるものです。
どれだけ検討したところで、最終的には不確定要素をいくつも詰め込んでいるわけですから。
ありませんか? その根拠なによ? みたいな予測や計画。
わからないものはわからないので、そこに時間と労力をかけたところで正解なんて出てこないのですね。
なので
- 情報は多ければ多いほどいい
- 分析は時間をかければかけるほどいい
- 予測は考えれば考えるほどいい
- そうすれば完璧な正解が見つかる
そんなことはないと思うのです。
大事なのは
- 早い段階で仮説を立てる
- 仮説にそって情報を集める
- 仮説があっているかどうかを検証する
- 仮説と違ったら軌道修正する
- 新しく仮説を立て直す
こういうことだと思うのですね。
はじめに時間をかけて完璧な正解を出そうとするのではなく
仮説と検証を繰り返しながら答えをつくっていくほうが成果につながると思うのですね。
仮説思考で仕事をするメリット3つ
それでは、仮説思考で仕事をすることのメリットを紹介していきたいと思います。
全部で3つになります。
① 情報取集の的を絞れる
仮説を立てるということは「当たりをつける」ということですから
- どの範囲の情報を集めるといいのか(広さ)
- どれくらい詳しく調べるといいのか(深さ)
これらの的を絞ることができます。
逆のパターンは『網羅思考』または『完璧思考』と言われます。
- あらゆる関係しそうな情報を集めまくる
- とことん詳しく調べまくる
これだと、めちゃくちゃ時間もかかりたいへんです。
あと、網羅思考は「情報過多」により、いったい何がしたかったのか、目的をよく見失ったりするのですね。
仮説思考で仕事をするということは
- 立てた仮説が正しいかどうかに絞った情報を集めればよい
- 立てた仮説が正しいかどうかを判断できるレベルまで調べればよい
ということになるので
かける時間を大幅に短縮することができるようになるのですね。
② 仕事の効率が上がる
「当たりをつける」というと「外れたらどうすんだ?」という意見もとうぜんあると思います。
かといって、完全網羅の全方位で考えるのがよいのかというと、時間もかかりたいへんです。
そこで『パレートの法則』の出番になるのですね。
パレートの法則とは
※ウィキペディア
『売上の8割は全顧客の2割が生み出している』
というのが例として有名です。
売上を伸ばすには顧客全員をターゲットにするのではなく、2割の顧客に的を絞ったサービスを行ったほうが効率的ということなのですね。
仕事のしかたに置き換えると
となります。
つまり、仮説を立てて当たりをつけて『その2割』に注力したほうが、結果として『8割の成果』につながるということなのです。
仮説思考は網羅思考の5倍の生産性
あくまで単純な計算ですけど
- 2割の時間で 8割の成果(4倍)
- 10割の時間で 8割の成果(0.8倍)
イメージとしてはこんなかんじでしょうか。
その差5倍ですね。
③ 問題解決のスピードが上がる
取り組むべき課題に当たりをつけて着手していくことで、問題解決のスピードが上がります。
先ほどのパレートの法則で考えると
解決したい問題が10個あったとしても、そのなかの重要な2個の問題が解決すれば、問題の8割が解決する
ということなのですね。
ちょっと大げさだと思うかもしれませんけど
問題をたくさんあげたとしても、何かひとつの問題に起因した二次的な問題もごっちゃになってたりします。
なので
- すべての問題を解決する
- よりたくさんの問題を解決する
ということより
- 重要な問題を決めて注力する
- それ以外の問題には手を付けない
このほうが問題解決のスピードは上がっていくのですね。
もし、重要だと当たりをつけた問題が重要じゃなかったら
「これ重要じゃなかったわ」
ということで、速やかに別の仮説を立てればいいのですね。
これが仮説と検証を繰り返すということであり
1回目より2回目、2回目より3回目のほうが仮説の精度も上がっていきます。
10個の問題を網羅的に全方位で解決しようとするより、仮説思考で取り組んだほうが、問題解決のスピードは断然早いと思うのですね。
ビジネスはクイック&ダーティー
ビジネスシーンでは
「完璧を期すけど遅い」よりも「仮説は粗いが検証サイクルが早い」ほうが重要です。
『クイック&ダーティ』なのですね。
ただし仮説思考にはデメリットもある
「仮説は外れる可能性がある」というのは、別にデメリットではないです。
それは完璧を期す網羅思考にも同じことがいえますので。
では何がデメリットなのかといいますと
なのですね。
当たりをつけるにしても
「こうに違いない」
と思い込みすぎると
その仮説があっていることを証明しようとしてしまいがちです。
それだと仮説と検証の繰り返しが止まってしまうのですね。
大事なのは
- 仮説があっていることの検証ではない
- 仮説があっているかどうかの検証をする
- 仮説が違っていたら軌道修正する
- 速やかに新しい仮説を立てる
ということになります。
仮説はしょせん仮説です。
外れてなんぼと思っておくくらいがちょうどよいと思うのですね。
とはいえ大企業病の会社や官僚主義の上司も多い
「リスクヘッジではなく、リスクテイクだ」
「スピードは全てを凌駕する。即断・即決・即実行」
「死ぬこと以外はかすり傷だ。挑戦あるのみ」
とか、口では言うものの
普段のふるまいがまったく真逆の役員や上司っていませんか?
- あらゆるリスクの可能性をクリアにしないと承認しない
- なにかと追加で調査と分析をさせて、なかなか決めようとしない
- 前例がないものはリスクがあるとかいって新しいことに否定的
こんな官僚主義や完璧主義的な上司はけっこういると思うのですね。
- 予測は外れるものとして、軌道修正を前提とした考えではなく
- 予測は間違ってはいけない、予測を当てるようにする考えしか持ち合わせていない
このような「失敗を許容しない」体質の会社だと、仮説思考を活用するのは難しいかもです。
当たりをつけて2割に注力しても、残りの8割も求められてしまうこともでてくるのですね。
残念なことですよ。
まとめ:それでも仮説思考はメリット多し
- 情報取集の的を絞れることで、かける時間を大幅に短縮できる
- パレートの法則を用いることで、仕事の効率を上げられる
- 重要な問題に注力することで、問題解決のスピードが上がる
- 思い込みによって恣意的にならないように注意
- 会社や上司に理解がなかったら残念無念
上記のとおりです。
ビジネスは『クイック&ダーティー』なのですね。
PDCAもつまりはそういうことです。
ぐりぐり回して軌道修正しつつ目標に近づけていくことが本質なのです。
とはいえ、軌道修正を失敗ととらえ、失敗を許容しない会社や上司も多いのが現実ではないでしょうか。
そういう上司には何を言っても無駄なのですね。
あなたのサラリーマンライフにおいて余計なリスクテイクになってしまうので、ここはリスクヘッジしていきましょう。
会社の体質や上司の考えを変えるのは難しいですが、自分の守備範囲や決裁権のある範囲でなら、仮説思考も役立てることができると思いますので、ぜひ活用してみてください。
ではでは
お疲れさまでした。
この上司も官僚主義だったわー