- 決められない上司にイライラする
- 決めない上司にもイライラする
- 決断ができない上司ってどうなんだ?
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 決めない上司にも4タイプあることを解説します
- 4タイプ別の対処法を解説します
- あなたの上司がどういうタイプなのか判別できるようになります
決めない・決められない上司にはイライラしますよね。
こいつ管理職としている意味あんのかって思うことも少なくないと思います。
決めない→責任をとりたくない→無能な管理職
そんなイメージではありますが
上司にも上司なりの考えや事情があったりするのですね。
今回はそんな『決めない上司』について解説していきます。
「決める」とは
まずは言葉の使い方から認識を合わせておきたいと思います。
決めるとは「意思決定」するということ。
意思決定のしかたに「判断」と「決断」があります。
意思決定とは
辞書だとこういう意味です↓
※Weblio辞書
なんか難しい表現だったので、ここでは「決めること」だと思ってください。
判断と決断の違い
辞書だとこうです↓
<決断>意志をはっきりと決定すること。
ちょっと違いがわからなかったので、稲田大学のラグビー部監督だった中竹竜二さんのお言葉をかりてみます。
【決断】は未来に対して主観的に方向性を打ち出すこと。
すごくわかりやすいですね。
本記事は、「それは判断であって決断ではない」とか、そういう内容ではないので、上記の意味を理解したうえで、とくに明確な使い分けはしていません。
ご参考までにということで。
決めない上司にも4タイプある
それでは本題に入ります。
ひとえに『決めない』といっても、決めない理由や原因もいくつかに分かれると思うのですね。
ここでは大きく4つのタイプに分けてみました。
- ① 決められない
- ② あえて決めない
- ③ なるべく決めたくない
- ④ 絶対に決めたくない
この4タイプになります。
それではひとつずつ見ていきましょう。
① 決められない上司
「決め方がわかっていない」タイプの上司です。
「上司=意思決定者」
であることがほとんどだと思います。
ですが、必ずしも
「意思決定者=決断力・判断力がある」
とは限らないのですね。
なので
部下としては
「意思決定者なんだから決めてくださいよ」
と思っていても
上司としては
どう決めていいかわからなくて、決められない
ということもあったりします。
何かを決めるときには『決め方』が必要
『決め方』も分解すると次の4つの要素に分かれます。
- 誰が決めるのか(意思決定者)
- どう決めるのか(判断基準)
- 何を根拠にするのか(判断材料)
- いつまでに決めるか(検討期間)
上記のとおりです
上司に『決める気』はあるけど『決め方』がわからないのであれば、これらを揃えることで決められるようになるはずなのですね。
意思決定者とは
Go / No Go を決める人になります。
たいていは上司になりますね。
判断基準とは
会社の方針・目的・行動指針などから来るものです。
「何のために」に当たる部分ですね。
決めてほしい案件が、目的に沿ったものになっているかどうか見るものになります。
上司であれば「判断基準」はもっているべきですが、これがわかっていない上司もけっこういたりします。
場合によっては、あなたが上司におしえてあげる必要もあるかもです。
判断材料とは
決める際に根拠や手がかりとするものです。
ビジネスシーンであれば、主に定量的なデータであったり、関係者との合意形成の有無などになってくると思います。
検討期間とは
いつまでに決めてもらえるのか、その期限のことです。
決めるには、考える時間もある程度は必要になります。
「今すぐ決めてください」というのも酷だと思いますので、猶予を設けてあげるのがよいと思うのですね。
決められる上司は『決め方』がわかっている
決められれる上司は、決めるために何が必要かがわかっています。
なので、自分が決めるために不足してる要素を部下に教えることができるのですね。
逆に、決められない上司は、何があれば決められるのかも自分で考えられないので、部下に教えることもできないのですね。
管理職としてはパフォーマンスが低いといわざるをえませんが、こういう上司はわりと多いとかもです。
「決められない上司」への対処法
では、あなたの上司が「決められない上司」だったときの対処法です。
あと何があればあれば決められるのかを確認する
上司に「決められない」理由を聞いてみます。
- 判断材料が足りないのか
- 時間があればいいのか
- はたまた判断基準がわかっていないのか
- 意思決定者が自分だと思っていないのか(さすがにないと思いますが)
上司に「決める気」があるのであれば、足りていないものを用意することで決めてもらえるはずです。
それでも決められない上司だった場合は、「③ なるべく決めたくない」のタイプかもしれませんね。
② あえて決めない上司
「正しい先送りの判断」をしているタイプです。
「あえて決めない」とは「決めないと決める」ということなのですね。
「正しい先送り」とは
「正しい先送り」って何よ? って思いますよね。
かのピーター・ドラッカーはこのように述べています↓
多少頭痛の種ではあるが、大した問題ではないときも手を付けてはならない。
ようは「なんでもかんでも、やればいいというものではない」ということなのですね。
労力に見合わないことはやらない
仕事において「こうしたほうがもっとよくなるんじゃないか」という気付きは大事だと思います。
ただ
- できていないこと→できるようにする
- やっていないこと→やってみる
- 新しい取り組み→試してみる
このような考えがすべてよいというわけでもないのですね。
どういうことかというと
- 決めるまでにかける労力
- 決めたあとの変更や調整にかける労力
- 決めたことの徹底にかける労力
これらの「決めるまで」と「決めたあと」にかかる労力も、考えておいたほうがいいということです。
かける労力に見合った効果や改善が見込めない場合は、非効率なので「やらない」という判断もありえるのですね。
結果として
- 変わるにこしたことはないが
- いまのままでも、とくに問題ない
- むしろ変えることのほうが大変
- 人員も時間も予算も有限
- それよりも優先すべきことがある
このような判断から、「先送りする」ことが正しい決定の場合もあるわけです。
現実はバランスが大事ということなのですね。
だから、あえて決めない
上司としては「No Go」と決めたのであれば、「決めないふり」をしなくても
「じゃあ、そう言ってくれればいいじゃん」と思う人もいるかと思います。
これは上司側の立場になって考えてみるとよいかもです。
部下が「こうしたほうがもっとよくなると思うんですよ」と提案をしてきたものを、否定にならないように却下するのは、上司としてもけっこうつらいものがあったりします。
「非効率だからOKできないよ」
とは言いにくので(まあ、ふつうに言う上司もいますけど)
「おお、いいね、ありがとう。あとで見とくよ」
とか言って、その場は流す。
催促されたら
「あ、ごめん。まだちゃんと見れてない。もうちょっと待ってね」
とか言って、にごす。
それが上司のやさしさだったりするのですね。
こういう上司はほとんどいないと思いますけど、もしいたら、その上司はいい上司だと思いますよ?
「あえて決めない上司」への対処法
では、あなたの上司が「あえて決めない上司」だったときの対処法です。
そもそも判別のむずかしいタイプですので、まずは上司に「決めない」理由を聞いてみましょう。
「いつまでに決めてもらえますか?」
「気になる点があれば教えてください」
とか
上司の考えを聞き出すようにします。
自分に遠慮していることがわかった場合は
これしかないですね。
ヒアリングの結果、「③ なるべく決めたくない上司」や「④ 絶対に決めたくない」のタイプだと判明することもあるでしょう。
まとめ:決めつけないで上司と対話してみよう
長くなったので、今回はここまでにしたいと思います。
「③ なるべく決めたくない上司」と「④ 絶対に決めたくない」は次回ということで。
- 上司が決めないのにも理由がある
- 決められない上司には決め方を教えてあげる
- 決められない上司には決めるための要素を揃えるようにする
- あえて決めないという判断をしている上司もいる
- 上司の考えを理解しようとするのも大事
上記のとおりです。
「決めない上司」はわりとたくさんいますが、「こいつは決めない上司だ」と決めつける前に、「決めない理由」について考えみるようにしてみてください。
管理職たるもの、上司には決めてもらいたいものですが
- 決めるための要素を揃えて提示できていなかったり
- 決めるまでと決めたあとにかかる労力を考えられていなかったり
もしかしたら自分の方で原因をつくってしまってることもあるのですね。
- 決められない上司を決められるようにしてあげる
- あえて決めない上司の考えを理解する
これらは、自分のスキルアップにもつながりますし、自分が上司の立場のときにも役立ちます。
あなたの上司がまともに話せるかんじでなければ「ジ・エンド」ですが、そうでないのであれば、ちょっと上司と対話してみるとよいのではないでしょうか。
ではでは
お疲れさまでした。