- 論理的に説明するってどういうこと?
- 論理的な説明って必要なの?
- 論理的な説明ができない人にはどうするのがいいの?
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 論理的な説明とは何かについて解説します
- 論理的な説明のしかたを意識すると説得力が増します
- 論理的な説明のしかたがわかると、相手の主張の理解度が深まります
- 相手の主張の理解度が深まると、相手の考えを整理してあげることもできます
- 会話だけでなく、メールや資料作りにも役立ちます
仕事をしていると、自分の考えを誰かしらに説明して、理解してもらう必要が出てきますよね?
論理的な説明のしかたができると、相手により理解してもらいやすくなりますし、説得力を増すこともできます。
論理的な説明はわりと簡単です。
『主張・理由・根拠』この3つを揃えるだけなのですね。
『論理的な説明のしかた』がわかると、あなたの上司がいかに論理的な説明ができていないかもわかるようになりますよ?
今回はそんな『論理的な説明のしかた』について解説していきます。
論理的とは
まずは『論理的』の意味から。
辞書だとこうです↓
1 論理に関するさま。「論理的な問題について書かれた本」
2 論理にかなっているさま。きちんと筋道を立てて考えるさま。「論理的に説明する」「論理的な頭脳の持ち主」
※goo国語辞書
ちなみに『論理』はこうです↓
考えや議論などを進めていく筋道。思考や論証の組み立て。思考の妥当性が保証される法則や形式。
※goo国語辞書
つまり
今回の「論理的な説明」とは
- 筋が通った説明
- つじつまのあった説明
- 順序立てた説明
という意味になるのですね。
論理的な説明は「主張・理由・根拠」の3つで1セット
では、「筋が通った」、「つじつまのあった」、「順序立てた」とは、どういうことか。
具体的には↓
- 主張(結論)
- 理由
- 根拠
この3つが揃っていることをいいます。
誰かに「主張」を通したいときには「理由」と「根拠」も必要ということです。
主張には理由があって、理由には根拠があるはずなのですね。
理由と根拠が多ければ多いほど、その主張は強固なものになっていきます。
「より分かりやすくなる」、「より説得力が増す」ということですね。
逆に、主張だけが強く、理由や根拠に乏しいと
「分かりづらい」、「説得力が弱い」、「理解がえられない」ということにもなります。
図で表すとこんなかんじです↓
<よい例>主張を裏付ける理由と根拠がある
<よくない例>主張だけが強く理由と根拠に乏しい
論理的な説明の具体例
次に、主張・理由・根拠をポイントに具体例でみていきたいと思います。
例1 良い例 筋が通っているパターン
なぜなら、購入率と客単価に変化がなく、購入客数だけ減っているからです。
来店客数の減少がそのまま購入客数の減少になっているのがこのデータからもわかります。
これを、主張・理由・根拠で整理してみます↓
- 主張
売上が下がっている原因は、来店客数の減少だと考えられる。 - 理由
購入率と客単価に変化がなく、購入客数だけが減っているから。 - 根拠
来店客数の減少と購入客数の減少が相関しているデータの提示。
このように、本当に来店客数の減少が売上減少の原因なのかどうかは別として、主張・理由・根拠が揃っていると、筋が通っていて伝わりやすいと思います。
例2 よくない例① 根拠が弱いパターン
店頭での告知が不十分だと思われます。
現に告知用ポスターを掲示していない店舗もありました。
そのため、告知の徹底が必要だと思われます。
これを、主張・理由・根拠で整理してみます↓
- 主張
新規サービスの店舗での告知を徹底する必要がある。 - 理由
新規サービスの利用数が伸びていないのは、店舗での告知が不十分だからだ。 - 根拠
告知用ポスターを掲示していない店舗もあった。
いっけん、特に問題なさそうなパターンです。
実は根拠が弱い
これ、何が問題かというと、「根拠が弱い」のですね。
- 告知用ポスターを掲示してなかった店舗があったのは事実
- しかし、何店舗中(分母)の何店舗(分子)が掲示していなかったのかがあいまい
- どの店舗が掲示していなかったのかもあいまい
上記のとおりです。
それ、何店舗中の何店舗の話ですか?ってことなんですね。
仮に500店舗で展開したサービスだったとして、主張している人が見た5店舗がたまたまポスターを掲示していなかったからといって、500店舗がやっていないことにはなりませんよね?
極端な例でいえば、たまたま見た5店舗が掲示していなかっただけで、残りの495店舗は掲示していることも考えられるのですね。
それなのに、原因を「告知の不十分」として、改善策を「告知の徹底」とするのはどう思いますか?
例3 よくない例② 筋が通っていないパターン
ターゲット購入層は他社とほぼ変わらないため、 現状のままでは競争力が低いです。
競争力を高めるため、粗利設定を下げる必要があります。
主張・理由・根拠で整理してみます↓
- 主張
競争力が低いから粗利設定を下げるべき。 - 理由
他社とターゲット購入層が同じで粗利設定が高いから。 - 根拠
?
ちょっといろいろと問題ありなので詳しくみていきましょう。
競争力が低いとは何か?
競争力が低いってなによ? ってことですね。
競争力が低いというのは、ある事象の『解釈』のしかたの一つにしかすぎないのですね。
こういった抽象的なワードを使うと、聞こえはいいのでそれっぽく聞こえてしまうのですが、何のことを言っているのかわかりません。
「粗利設定が高い」から「競争力が低い」の因果関係が不明
粗利設定が高いから競争力が低いというのであれば、粗利設定を下げれば競争力が高くなるのか? ということなのですね。
そもそも「競争力」の定義が不明というのもありますが、粗利設定が高いことが問題なのかどうなのかもよくわかりませんよね?
根拠がない
粗利率が高い→だから競争力が低い→なので粗利率を下げる→競争力が高まる
という主張だったわけなんですけど、その根拠はなによ? ってことなのですね。
論理的な説明でおさえておくポイント
主張・理由・根拠の3つを1セットに考えるにあたり、おさえておくポイントをご紹介します。
理由は事実ベースで語る
よくない例②のように、理由が『抽象的』なことはわりとよくみかけます。
- 競争力が低い
- 営業力が弱い
- マネジメント能力が足りていない
こういった表現は『解釈』であって、『事実』ではないのですね。
事実は誰にとっても変わりませんが、解釈は人によって変わります。
解釈による抽象的な表現はさけて、なるべく事実ベースで具体的な表現にすることをおすすめします。
根拠は定量的な要素で示す
よくない例①のように、根拠としているものが『定量的』でないこともわりと多いです。
- ポスターを掲示していない店舗もある
- やっていない人もいる
- 反対意見も出ている
こういった表現は『事実』であっても、『定量的』ではないため、全体に占める割合がわかりません。
そのため、根拠として採用するには不十分なのですね。
「みんな言ってます」とか言う人いるじゃないですか?
それと同じです。
みんなって誰よ? 何人よ? ってことなのですね。
なので、なるべく定量的な要素で示すことをおすすめします。
論理的な説明ができることでの効果
論理的な説明ができるようになると次のような効果が期待できます。
説明力や説得力が増す
筋が通った説明ができるようになるので、自分の伝えたいことが相手に伝わりやすくなります。
結果として、説得力も増すのですね。
理解力が増す
相手の言っていることの受け止めかたも変わってきます。
- 主張・理由・根拠で整理できる
- 事実と解釈の区別をつけられる
- 定量的な要素で語られているかどうかに気付ける
これらの観点で、相手が何を言わんとしているのか、より理解を深めることができるようになります。
相手の思考を整理してあげられる
よくない例であげたように筋が通っていない主張をしていくる人もいます。
理解力が増すことで、そういった人が何を伝えたいのかを整理してあげることもできるようになります。
対話だけでなく、メールや資料作りにも役立つ
論理的な説明のしかたは、対人のコミュニケーションに限ったものではないのですね。
『説明のしかたの型』になるので、メールの本文であったり、説明資料などにも使えます。
仕事の効率が上がる
まとめると、ようは仕事の効率が上がるということなのですね。
まとめ:とはいえ論理的な説明をできる人はほとんどいない
まとめになります。
- 論理的な説明は、主張・理由・根拠の3つで1セット
- 理由は事実ベースで語る
- 根拠は定量的要素で示す
- 論理的な説明のしかたを身に着けることで仕事の効率が上がる
慣れないうちは書いてみるのがいい
まずは主張したいことを書いてみることをおすすめします。
なのでメールや資料作りのほうが効果を発揮しやすいかもです。
- 書くことで考えが整理される
- 筋が通っているかなどを客観的に確認できる
- 書いたものがあれば、それを使って説明することもできる
- 落ち着いて相手に説明することができる
- 伝え漏れなどがなくなる
わりといいことづくめだと思うので、ぜひ書いてみてください。
とはいえ、論理的な説明を理解している上司は少ない
実は、よくない例であげた2つの例は、実際にある会社であったことで、あの内容で上司が承認してるんですね。
それくらい論理的な説明のしかたを理解している人は少ないものなのです。
論理的な説明のしかたは『ロジカルシンキング』と呼ばれるものの一つですが、このロジカルシンキングってものは、ぶっちゃけ、わからない人には何を言っても通じないものなのですね。
なので、人の案件とかにツッコんだり、論理的な説明のしかたそのものを分かってもらおうとすることはおすすめしません。
疲弊するだけです。
わかっていない上司に「それって解釈であって事実ではないですよね」とか言っちゃうと、あなたのサラリーマンライフがあらぬ解釈のもとジ・エンドな事実になってしまうかもしれません。
話の通じない上司はどこにでもいるものです。ですが、しかたありません。それが会社のマネジメントなのですね。
あくまで、自分の受け持つ案件など、自分の主張を理解してもらうために使ったり、部下や後輩のフォローに使うくらいがちょうどいいと思いますよ。
ではでは
お疲れさまでした。
上司がザルだとほんと仕事の質が低いわー
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