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【体験談】優秀な部下ほど無能な上司に潰される。「私がやったほうが早い」が招く共依存の罠

【体験談】優秀な部下ほど無能な上司に潰される。「私がやったほうが早い」が招く共依存の罠

「私がやったほうが早いし、確実だから」

そう自分に言い聞かせて、上司のフォローまで引き受けていた時期がありました。

指示が曖昧な上司に代わってチームに連絡を回し、上司が忘れているタスクを先回りして片付ける。

当時の私は、「現場を止めてはいけない」という責任感で必死に動いていました。

それが組織のためであり、社会人としての正義だと信じていたのです。

でも、ある日気づいてしまいました。

私が頑張れば頑張るほど、上司はますます仕事を覚えなくなり、トラブルの責任だけが現場(私)に降ってくることに。

「あれ、これって都合よく搾取されてるだけじゃないか?」

この記事では、責任感の強い部下ほど陥りやすい「共依存の罠」と、そこから抜け出すために私が味わった絶望と葛藤について振り返ります。

一般論や、上司を論破するようなスカッとするビジネスノウハウは一つもありません。

ただ、真面目なあなたがこれ以上すり減らないための、泥臭い生存記録です。

善意の「先回り」が、モンスターを生み出す

善意の先回りが上司を幼児化させる弊害の図解。部下が良かれと決断や謝罪を代行し続けた結果、上司が思考停止し責任転嫁するモンスターへ変貌する過程を対比。過剰なフォロワーシップが招く組織の機能不全と、当事者意識を奪うリスクを表現している。

まずは、私が陥っていた「落とし穴」の話をさせてください。

「部長は決めるのが遅いから、私がA案とB案を作っておきました」

「先方の担当者が怒っていたので、私が代わりに謝っておきました」

私はこれを「フォロワーシップ」だと思っていました。

日曜の夜に「明日はあれをフォローしなきゃ」と手帳を開くのが、苦しくも少し誇らしい習慣になっていたのです。周囲から「あなたがいて助かる」と言われることも、私のやりがいでした。

けれど、1年が過ぎた頃、決定的な異変が起きました。

上司が「あいつに任せておけばいい」と完全に思考停止し始めたのです。

「ちょっとこれ、いい感じにまとめといて」という丸投げの指示。

チャットで相談しても、返ってくるのは「了解」のスタンプ一つだけ。

私が必死で作った資料の、フォントのサイズだけを直して「修正しておいたよ」とドヤ顔をする。

重要な会議にも準備なしで現れ、私が作った資料を棒読みするだけ。

突っ込んだ質問をされても答えられず、チラチラと助けを求めるように私を見てくる。

そして、ある案件が大炎上したとき。

上司は、さらに上の役員やクライアントの前で、平然とこう言いました。

「現場の確認不足でした。しっかり指導しておきます」

その時、頭の中が真っ白になりました。

怒りというより、足元が崩れ落ちるような深い徒労感が押し寄せました。

私が身を削ってやっていた「先回り」は、上司から「学習の機会」と「当事者意識」を奪い、私自身を「都合のいい防波堤」にする行為でしかなかった

上司が無能だったから私が動いたのではなく、私が動きすぎたから上司の無能さが隠蔽され、さらに悪化(幼児化)していたのです。

その事実に気づいた夜は、悔しくて、情けなくて、全く眠れませんでした。

罪悪感に震えながらの「冷徹な線引き」

責任や判断を上司に投げ返す見捨てるマネジメントの実践と罪悪感の檻に閉じ込められる内面の葛藤を描いた図解。冷徹な線引きにより本来の役割を返還する重要性を解説。周囲の視線や恐怖を乗り越え自分自身が潰れるのを防ぐための生存戦略とマインドセットを表現している。

「このままじゃ私が潰れる」

そう思い、私は働き方を変えようとしました。
今の環境で静かに実行できる「見捨てるマネジメント(責任の返還)」です。

私が実践しようとしたのは、「手は貸さないが、口(リスク)は出す」という線引きでした。

主語を上司に戻す会話への転換です。

「部長、A社の件ですが、このままだと納期遅延のリスクが高いです。本日中に先方への謝罪と調整が必要ですが、ご判断をお願いします。私は現場の修正作業がありますので、連絡は部長にお願いできますか?」

ボールを強制的に上司に持たせる。

これを言う時、本当に心臓がバクバクしました。口の中はカラカラでした。

「気が利かないやつだ」「使えない部下だ」と評価を下げられるのが怖かったからです。

案の定、上司はあからさまに不機嫌なため息をつき、職場の空気は凍りつきました。

周囲の同僚からも「なんであんな冷たい言い方するの?」という目で見られているような気がして、いたたまれなくなりました。

トイレの個室に逃げ込み、「やっぱり私がサクッとやっておけば、誰も嫌な思いをしなかったのに……」と激しい自己嫌悪に陥る夜もありました。

「私が見捨てたらチームが崩壊するんじゃないか」「やっぱり私がやったほうが……」

強気な決意とは裏腹に、押しつぶされそうな罪悪感に襲われる日々が続きました。

あなたの献身が、組織の「自浄作用」を止めている

過剰な献身が組織の自浄作用を妨げるリスクを描いた図解。問題を隠蔽するカバーを辞め、あえて不備を露呈させることで無能な上司や組織の欠陥を白日の下に晒す過程を表現。自分が壊れる最大の損失を防ぎ、正しい状態へ回帰するための生存戦略としての手を離す重要性を強調している。

でも、その罪悪感に負けて手を差し伸べれば、また元の地獄に逆戻りです。

私が尻拭いを続ける限り、会社は「この上司でも現場は回っている」と誤解し続けます。

つまり、私の優秀なカバーが、組織の「自浄作用」を止めていたのです。

一度、あえて手を離して、小さなボヤ騒ぎを起こすことも必要でした。

それで上司の無能さが露呈し、チームが一時的に混乱したとしても、それは「正しい状態」に戻るための痛みです。

私が一人で抱え込んで心を壊してしまうことこそが、私自身にとっても、会社にとっても最大の損失なのだと言い聞かせるようにしました。

もう、誰かの尻拭いで自分をすり減らさないで

他人の尻拭いで自滅する状態から、スルー技術と線引きで心を守る変化を描いた図解。自分がやる方が早いという麻薬を断ち、物理的心理的距離を置くことで理不尽な要求を遮断。自分をすり減らさず、心を守りながら働く生存戦略とマインドセットを表現している。

無能な上司の下で、歯を食いしばって現場を回してきたあなたへ。

「私がやったほうが早い」は、自分と上司を共倒れさせる麻薬です。

あなたの優秀さは、無能な上司の尻拭いや、会社の欠陥を埋めるためにあるのではありません。

もう、十分に頑張りましたよね。

上司の無能さは、あなたの責任ではありません。

真面目に真正面から受け止めて、あなたが傷つく必要なんてないのです。

明日からは、ほんの少しだけ手を抜いて、線を引いて、自分の心を守るために働いてみてください。

……とは言っても

根が真面目なあなたが、明日からいきなり「冷徹な線引き」をするのは、本当に勇気がいることだと思います。

頭では理解していても、いざとなると罪悪感に押しつぶされそうになったり、結局上司の顔色を伺ってしまったりする。そんな不器用で真面目な自分に嫌気がさしている方へ。

会社や上司の性格を変えることはできませんが、物理的・心理的に「距離を取る(かわす)」技術は今日からでも身につけられます。
私が心を壊す前に実践した、自分を守るためのリアルな「スルー技術」を次の記事でまとめました。
もう、まともに相手の言葉を受け止めなくていいんです。

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