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イエスマン上司に疲れた──“波風を立てない職場”で自分をすり減らさない働き方

イエスマン上司に疲れた──“波風を立てない職場”で自分をすり減らさない働き方

会議室の扉を開けるたびに思っていました。
「今日もきっと、何も決まらないんだろうな」と。

上司はいつも穏やかにうなずき、最後に「そうですね」と締める。
誰も反論せず、方針は宙ぶらりん。気づけば、調整も資料づくりも、現場が背負うのが当たり前になっていました。

私も最初は、「波風を立てたくない」と思っていました。
でも、会議が終わるたびに胸の奥で小さな違和感が膨らんでいったんです。
「このまま、何も決められないチームの中で、自分まで鈍っていくのかもしれない」——そう感じた瞬間がありました。

上司を責めたいわけではありません。
むしろ、私自身も“安全な沈黙”に逃げていたのだと思います。
ただ、何も決まらない“平和な職場”に慣れるほど、自分の考えまで曖昧になっていく怖さを感じました。

この記事では、私がイエスマン上司のもとで経験した「働く意味の迷子状態」から抜け出すまでのプロセスをまとめています。

この記事でわかること
  • なぜ“波風を立てない文化”が生まれるのか
  • 自分をすり減らさずに働くためのセルフディフェンス術
  • 「上司を変えずに」できる3つの選択肢

もし今、「何も決まらない職場」で立ち止まっているなら——。
あなたの小さな違和感を見逃さないことが、回復の第一歩になるかもしれません。

“何も決めない上司”の下で、気づけば全部自分が動いていた

「何も決めない上司」の保留と先送りが現場の負担を増やし、残業や火消しに追われる部下の疲弊、上司への不満に繋がる構造を図解

「今日も“持ち帰ります”で終わったな……」

会議が終わるたび、パソコンの前で深いため息をついていました。
提案資料を何度出しても、上司の返答は決まって「そうですね、もう少し考えましょう」
結論は先送り、誰も動かないまま次の週を迎える。
気づけば、期限ギリギリで現場が慌てて火消しに走る──そんな繰り返しでした。

あの頃の私は、ただ「自分がしっかりすれば回る」と思い込んでいました。
報告も調整も資料作成も引き受け、残業が当たり前。
けれど、努力すればするほど“上司の仕事”まで抱え込む構図ができあがっていたのです。

ある日、納期前に判断が止まり、夜中に全員へ再調整メールを送ったとき、
ふと手が止まりました。
「これ、誰の仕事なんだろう」
その瞬間、疲れよりも虚しさが勝ちました。

ある調査によると、「上司への不満を理由に退職を考えた人」は66.7%にのぼるそうです(HRプロ調べ)。
私もその一人でした。
仕事自体は嫌いじゃない。けれど、決めない上司のもとでは、頑張るほど報われない感覚が増えていったのです。

ポイントまとめ
  • 「決めない上司」は珍しくない。背景には責任回避や意思決定の構造的問題がある。
  • 現場がフォローを続けるほど、疲弊と依存がセットで深まる。
  • まずは「自分の限界ライン」を認識することが、立て直しの第一歩。

会議が進まない日々が続くと、じわじわと心がすり減っていきます。
私自身、判断が先延ばしされるたびに「また今日も進まなかった」とため息が出るようになりました。
そんなときどんな“限界サイン”が出るのかは、こちらの記事で詳しくまとめています。
何も決めない上司で消耗したときの“限界サインと対処法”

“波風を立てない”が正解になった職場で起きていたこと

「波風を立てない」職場がもたらす、イエスマン上司の誕生と「静かなイエスマン化」というアビリーンのパラドックスの構造を図解

会議では誰も否定せず、いつも穏やかな空気が流れていました。
けれど、その穏やかさの裏に“何も決められない職場”が出来上がっていたんです。

「どうして、誰も何も言わなくなったのか」。
後から振り返ると、それは「悪意」ではなく「防衛本能」でした。
上層部の意向に逆らえば評価が下がる。だから上司は、“顔色を読む力”で自分を守っていたのです。

私の職場だけではなく、日本企業には昔から「事なかれ主義」「根回し文化」「稟議制」といった土壌があります。
つまり、イエスマン上司は個人の性格ではなく、組織文化が生み出した“産物”とも言えるのかもしれません。

たとえば、アビリーンのパラドックスという組織行動論があります。
誰も本心では望んでいない決定を、集団の空気に流されて選んでしまう現象です。
私の職場もまさにそれでした。
みんなが「おかしい」と思っていても、「波風を立てたくない」が勝ってしまう。

そんな環境で働くうちに、私も少しずつ“同化”していきました。
「何も言わない方が安全」「上司の機嫌を損ねないようにしよう」──そう思いながら、
自分の意見を飲み込む癖がついていったのです。
気づかないうちに、私自身も“静かなイエスマン”になっていたのかもしれません。

ポイントまとめ
  • イエスマン上司は、組織の防衛反応として生まれる。
  • 「沈黙のスパイラル」に陥ると、誰も声を上げなくなる。
  • 問題の核心は“個人”ではなく“文化”にある。

「波風を立てない方が安全」という空気は、一見すると優しさのように見えます。
しかし、その裏には“誰も本音を言えない構造”がありました。
この空気の背景や停滞のメカニズムは、こちらの記事で詳しく深掘りしています。
波風を立てない職場の“停滞の罠”と抜け出す思考法

「このままじゃ、自分まで沈む」──心が限界を知らせたサイン

活発だった「以前の自分」が、組織の波風を立てない文化と同化し「学習性無力感」に陥って沈んでいく、心の限界までのプロセスを図解

ある日、会議で意見を求められたとき、私は思わず口ごもりました。
「……特にありません」──その瞬間、心のどこかで“何かが終わった”気がしたのです。

かつては誰よりも前のめりに提案していたのに、今では何も言わない自分。
上司と同じように「様子見」が口ぐせになっていました。
「波風を立てない」という選択が、自分を守るはずの行動だったのに、いつの間にか“麻痺”のようになっていた。

夜、鏡に映った自分の顔を見て、ふと怖くなりました。
無表情のまま残業をこなす日々。
「誰かが動くまで待つ」という空気に、私自身も溶け込んでいたんです。

心理学では、努力が報われない状況が続くと「学習性無力感」が生まれるといわれています。
まさにその状態でした。
行動しても変わらない。だから行動しなくなる。
静かに、確実に、心が沈んでいく音が聞こえるような感覚でした。

でも、あの瞬間に気づけたからこそ、
「このままでは、自分まで消えてしまう」と立ち止まることができました。

ポイントまとめ
  • “沈黙に慣れる”のは危険信号。
  • 無力感を放置すると、挑戦意欲が失われる。
  • 気づいた時点で、それは立て直しのサインでもある。

無感情になる瞬間が増え、「このままではまずい」と直感しました。
当時の私は、限界サインを正しく理解できていなかったのです。
どんな小さな異変に気づくべきかは、こちらにまとめました。
判断しない上司に疲れたときの限界サインまとめ

同時に、思考を立て直すきっかけになったのが読書でした。
感情を整えるために役立った本はこちらで紹介しています。

心が沈んだときに役立った“読書の使い方”

イエスマン上司は変えられない──だからこそ“自分を守る”

活発だった「以前の自分」が、組織の波風を立てない文化と同化し「学習性無力感」に陥って沈んでいく、心の限界までのプロセスを図解

「上司を変える」のは難しい。
だからこそ、「自分を守る仕組み」を持つことが大切だと気づきました。

あの頃の私は、上司の判断を待ち続けて疲弊していました。
けれど、「変えられない相手に期待し続けるより、仕組みで自分を守るほうが早い」と思い直したんです。

まず実践したのは、境界線を引くこと
RACIチャートという考え方を使って、「自分が決める範囲」「上司が判断すべき範囲」を明確にしました。
たとえば会議の議事録には、「決定事項/保留事項/上司判断事項」を分けて記録。
上司が“決めなかったこと”も可視化するようにしたのです。
最初は勇気がいりましたが、これだけで曖昧な責任の押し付けが減りました。

また、曖昧な指示を受けたときは、必ずメールで
「確認ですが、◯◯という理解でよろしいでしょうか?」と送る。
たった一行でも、「責任の所在を記録する」意識を持つだけで、後のトラブルは激減しました。

さらに意識したのは、「反論ではなく仮説を出す」こと。
上司に意見する代わりに、「この方向性ならリスクを抑えつつ進められそうです」と提案する。
そうすると、上司も「じゃあそれで」と言いやすい。
対立を避けながらも、仕事を前に進める“現実的な突破口”になりました。

今思えば、これらはどれも「自分を守るための小さな工夫」でした。
上司を変えることはできなくても、自分の疲れ方は変えられる
そう気づいた瞬間から、少しずつ心に余裕が戻ってきたのを覚えています。

ポイントまとめ
  • 上司を変えるより、環境の中で自分を守る。
  • 境界線(ボーダーライン)と記録(ログ)が盾になる。
  • 「反論」より「仮説提示」でストレスを減らす。

上司を変えることはできません。
だから私は、“自分の軸を折らないこと”に集中するようになりました。
そのために実践した3つの具体的な習慣は、こちらで詳しく紹介しています。
意見が通らない職場で自分軸を守る3つの習慣

“イエスマン職場”でも自分軸を取り戻す3つの選択肢

イエスマン職場で自分軸を取り戻すための3つの選択肢:「読書リセット」「評価されない努力の言語化」「辞めない転職活動」を図解

イエスマン上司のもとで疲れ切っていた私が、ようやく前を向けたきっかけは、“外の視点”を取り戻したことでした。
誰かを変えるより、自分の考え方・環境・行動の半径を少しずつ整える。
その積み重ねが「自分軸」を取り戻す第一歩になったんです。

私が実際に試して効果を感じたのは、次の3つでした。

① 思考を整える“読書リセット”──Kindle Unlimitedで心をほぐす時間

感情に飲み込まれそうな時期、私はKindle Unlimitedで「心理的安全性」「アンガーマネジメント」などの本を読み漁りました。
通勤10分、寝る前5分でもいい。
言葉を浴びる時間が、思考を冷やしてくれる感覚がありました。
モヤモヤを整理するうちに、「今の職場だけがすべてじゃない」と思えるようになりました。

私の場合、心が沈んだ時期に読んだ数冊の本が大きな転機になりました。
思考を整える読書の使い方はこちらで詳しくまとめています。
思考を整えたいときに役立つ“読書での内省法”

② “評価されない努力”を言語化する──職務経歴書で見えた本当の強み

ある日、思い切って職務経歴書を“棚卸しシート”のように書き出してみました。
すると、上司のフォローで積み上げた「段取り力」「関係調整力」など、地味だけど確かなスキルが見えてきたんです。
数字よりも「誰のために・何を解決したか」を整理すると、少しずつ自信が戻りました。
“見えない努力”を言語化することで、自分を再評価できる感覚がありました。

③ “辞めない転職活動”で安心を取り戻す──リクナビNEXTで“登録だけ”始めてみた

転職する気がなくても、登録して市場の動きを見るだけで安心できます。
どんな求人があるか、どんなスカウトが届くか。
それを知るだけで、「自分にも選択肢がある」と思える。
選択肢の可視化は、心の保険になります。
私は“登録だけ”で止めましたが、「動ける自分」を取り戻す手応えがありました。

ポイントまとめ
  • 読書で思考を整え、感情を俯瞰する。
  • 棚卸しで“見えない努力”を言語化する。
  • 転職サイト登録で「選択肢がある」安心感を得る。

情報を持つだけで、驚くほど不安は軽くなります。
登録だけでも気持ちが軽くなる理由はこちらの記事で解説しています。
転職する気がなくても“登録だけ”が役に立つ話

まとめ|“波風を立てない職場”でも、自分らしく働き続けるために

「波風を立てない職場」でも自分らしく働くための「知恵の盾」と、「読書(Kindle Unlimited)で思考を整える」「転職サイトで選択肢を広げる」の2ステップを図解

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
この記事でお伝えしたかったのは、「上司を変えなくても、自分を守る道はある」ということです。

“決めない上司”に疲れたら、まず境界線を引く
“波風を立てない文化”の正体は、誰かの防衛本能
そして、無力感を放置せず、小さな行動で思考を取り戻す

職場を変えられなくても、働き方は選べます。
読書で思考を整理し、棚卸しで自分を再発見し、情報収集で未来を見渡す。
どれも、明日からできる小さな一歩です。

私自身、イエスマン上司のもとで疲弊した経験を経て気づきました。
本当の「波風を立てない」とは、沈黙することではなく、自分を守る知恵を持つことなんです。

焦らず、比べず、できるところから始めてみてください。
あなたの働き方は、必ず軽くなります。

この経験が、同じように“何も決まらない職場”で悩む方の小さなヒントになればうれしいです。

もし今、「何も決まらない職場」に疲れているなら、
思考を整える時間と、自分の選択肢を可視化する時間を少しだけ作ってみてください。

それだけで、心の余白と安心感が戻ってきます。

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これまでの経験を言葉にするだけで、「自分の価値」を静かに再確認できる。
“準備だけ”でも、後の安心感が違います。

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