“優しすぎる上司”のもとで悩んだ私が救われた3冊|読書で見つけた“自分で決める力”

夜、家に帰ってソファに沈み込みました。
「今日も、会議では穏やかに終わったけれど、何も前に進められなかったな……」。
上司は優しく、怒られることもない。けれど、自分の中の熱が少しずつ冷めていく感覚がありました。
当時の私は、焦りを紛らわせるように分厚い本を買い、積み上げ、通勤電車ではSNS。
「今度こそ読もう」と決めても、数ページで眠くなり、また閉じてしまう。
そして、「やっぱり自分は意志が弱いんだ」と静かに落ち込んでいました。
でも、あとで気づいたんです。
読書は“成果が遅れてやってくる行為”であり、疲れ切った頭では後回しになるのが自然だということ。
だから私は、「続けられない自分を責める」のをやめ、“続けられる仕組み”を先に作ることにしました。
この記事では、私が“ぬるま湯の停滞”から抜け出すきっかけになった
Kindle Unlimitedで読める3冊と、通勤10分読書術で実務に活かした方法を、体験ベースで紹介します。
- 優しさの中で「動けなくなっていた」自分に気づくための言葉化
- 小さな読書から“自分で考える力”を取り戻せる3冊と、その実践ステップ
- 通勤10分の読書術と、会議で使いやすい“1行テーマ”の習慣
小さな一冊からで十分です。
読み切ることより、「読む時間を取り戻すこと」から始めましょう。
“優しい上司”のもとで、ぬるま湯のように停滞していた日々
忙しさの波も落ち着き、仕事の流れがつかめてきたころ。
上司との関係も悪くなく、周りからも「安定してるね」と言われていました。
大きなトラブルもなく、毎日が静かに過ぎていく。
でもある日、後輩が新しいアイデアを提案しているのを見て、胸の奥が少しチクッとしました。
「そういえば、最近“自分の考え”を出してないな」
そう思った瞬間、なぜか心がざわついたんです。
あの違和感が、私にとっての“成長が止まったサイン”でした。
優しい上司のもとで、指摘もなく“平和な日々”が続いた
ある日の会議。上司はいつものように「任せるよ」「大丈夫」と穏やかに笑っていました。
特に反対もなく、そのまま会議は終わります。
でも、結論もはっきりしないまま。
私は「とりあえず全員が納得する形にまとめよう」と、
みんなの意見を少しずつ取り入れて資料を作り直しました。
上司からも「助かったよ」と言われて、うれしい気持ちもありました。
けれど、自分の意見を言うことはほとんどなくなっていたんです。
誰かを傷つけたくない、空気を悪くしたくない。
そんな思いから、いつの間にか「場をまとめる人」になっていました。
挑戦しなくなり、意見も求められなくなった
ある会議で、「この案、どう思う?」と聞かれた瞬間、私は言葉に詰まりました。
前に意見を言ったとき、少し場の空気がピリッとしたことを思い出したんです。
「また雰囲気が悪くなったら嫌だな」と思い、笑顔でうなずくだけにしました。
それから少しずつ、自分から意見を言うことが減っていきました。
気づけば、上司や同僚から意見を聞かれることも少なくなっていました。
トラブルもなく、仕事はスムーズ。
でも、心のどこかで「このままでいいのかな」という小さな声が残りました。
「このまま“変わらない自分”が怖くなった夜」
納期の前日の夜、上司の判断が止まっている案件がありました。
誰も動かない中、私は「また自分が動いた方が早い」と思い、関係者に調整メールを送りました。
時計を見ると、もう22時を過ぎていました。
送信ボタンを押したあと、ふと手が止まりました。
静かなオフィスで、パソコンの光だけがまぶしく感じます。
「このまま、ずっと“誰かの代わりに動く人”でいいのかな」
そう思った瞬間、胸の奥がすっと冷たくなりました。
- 優しさはありがたいけれど、判断の遅れを生むこともある
- 挑戦が減ると、意見を求められる機会も減っていく
- 焦りの正体は、“成長が止まっていたこと”だった
“優しさ”の影で、私は自分の判断力を手放していた
会議で上司が「任せるよ」と笑ってくれたとき、私は少し安心しました。
でも、何をどう進めたらいいのかはっきりしないまま、時間だけが過ぎていきました。
気づけば私は、「決める」よりも「待つ」ことに慣れてしまっていたんです。
そのころの私は、上司を責める気にもなれず、
「自分がもっと頑張ればなんとかなる」と思っていました。
でも今ふり返ると、問題は“頑張り方”だったと思います。
上司に決めてもらうのが当たり前になっていて、
気づけば私は、自分で考えて決めることを、しなくなっていたんです。
優しさが“判断を委ねるクセ”を生んでいた
ある日、クライアント向けの資料を作っていて、どの案を提案すべきか迷いました。
私は上司に相談すると、「どちらでも大丈夫だよ」と言われました。
その言葉に少し安心して、「じゃあ、無難な方にしておこう」と決めたんです。
でも、後から別の上司に「なぜこの案にしたの?」と聞かれたとき、自分の中に理由がなかったことに気づきました。
「上司がいいって言ったから」とは言えず、言葉に詰まってしまったんです。
あの瞬間、初めて気づきました。
私は「自分の考え」で選んだつもりでも、実は判断を上司に預けていたんだと。
優しさはありがたかったけれど、自分で決める力を少しずつ手放していたんです。
“自分で決めない癖”が、モヤモヤの正体だった
あるとき、上司から頼まれたプレゼン資料を夜遅くまで作りました。
翌日の会議では「よくできてるね」と褒められ、ほっとしたのを覚えています。
でも、家に帰る電車の中でふと考えました。
「自分は、何を伝えたくてこの資料を作ったんだろう?」
正直、上司の指示通りに形を整えただけで、自分の考えはあまり入っていませんでした。
だから褒められてもうれしさよりも、どこか空っぽな感じが残りました。
「自分で決めていない仕事」は、どれだけ頑張っても心の中に“やりきった感”が残らない。
それが、ずっと続いていたモヤモヤの正体だったんです。
“安全地帯”が心地よすぎて、踏み出せなかった理由
ある日、会議で意見を求められたとき、私は心の中でこう思いました。
「たぶん上司があとでまとめてくれるだろうし、今は黙っておこう」。
上司はいつも穏やかで、強く指摘してくることもありません。
ミスをしても「大丈夫、気にしなくていいよ」と笑ってくれる。
その優しさに、私は何度も救われてきました。
でも、気づけば自分から発言する場面が減っていきました。
「波風を立てたくない」「空気を乱したくない」と思ううちに、
だんだん意見を言うのが怖くなっていったんです。
あの頃の私は、上司の優しさを“安心できる場所”だと思っていました。
けれど今振り返ると、その安心に甘えて、自分を止めていた気がします。
安全な場所は大切。でも、そこに長くいすぎると、少しずつ成長のチャンスを逃してしまう。
それに気づくまで、私はずっと“守られる側”にいたのかもしれません。
- 問題は「甘え」ではなく、自分で決めることを人まかせにしていたこと
- 自分で考えて動かないと、自信も少しずつなくなる
- 安心できる場所は大事だけど、長くとどまると成長が止まってしまう
“小さな読書習慣”が、自分で考える力を呼び戻してくれた
あの頃の私は、目の前の仕事をこなすだけで一日が終わっていました。
上司の判断を待ち、会議では議論をまとめるだけ。
「自分の考え」を出す場面が、ほとんどなくなっていたんです。
そんなとき、出張の帰りに何となく開いた一冊の本がありました。
新幹線の中で読んだ数ページが、止まっていた思考のスイッチを押してくれたような気がしました。
それから少しずつ、「本で得た気づきを仕事で試す」ことを続けていくうちに、
気づけば、自分で考えて動く感覚が戻ってきたんです。
出張帰りに読んだ1冊が“思考のスイッチ”になった
出張の帰り道。新幹線の中でなんとなく開いたビジネス書に、こんな言葉がありました。
「まず、イシュー(=本当に解くべき問題)を決めること」。
その一文を見た瞬間、ハッとしました。
私はいつも会議のために資料をたくさん作っていましたが、
「そもそも何を話し合うのか」を、ちゃんと決めていなかったんです。
試しに次の会議で、冒頭に「今日のテーマは○○です」と一行だけ伝えてみました。
すると、いつもより話がスムーズにまとまり、みんなの意見も出やすくなったんです。
本を読んだから変わったのではなく、「気づいて行動した」ことで空気が変わった。
それが、私にとっての“思考のスイッチ”でした。
“働き方”と“考え方”を変えた3冊
どんな本を読めば仕事に活かせるのか、私もずっとわかりませんでした。
でも、「明日すぐ試せる考え方」に出会えたとき、読書の意味が変わりました。
ここでは、私の働き方を大きく変えてくれた3冊を紹介します。
1.『イシューからはじめよ』(安宅和人)
新幹線の中で読んだこの本に「まず“何を解くか”を決める」という一文がありました。
その言葉を見て、「あ、自分は“問題を考えること”よりも、“きれいな資料を作ること”ばかり考えていたな」と気づいたんです。
次の会議で、冒頭に「今日のテーマは○○です」と一言伝えてみると、
不思議なほど議論がまとまりやすくなりました。
本を読んで終わりではなく、実際に使ってみた瞬間に仕事の流れが変わった気がしました。
2.『反応しない練習』(草薙龍瞬)
上司の曖昧な指示にイラッとしたとき、この本を思い出しました。
「すぐ反応せず、3秒だけ待ってみる」。たったそれだけの言葉なのに効果は大きかったです。
呼吸を整えてから「目的は◯◯で合っていますか?」と聞くだけで、
焦りや怒りがスッと落ち着くのを感じました。
反応を減らすだけで、仕事のミスも人間関係のすれ違いも減っていったんです。
3.『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)
この本に出てくる「課題の分離」という考え方が、私をかなり楽にしてくれました。
以前は、上司の機嫌や相手の期待まで全部自分の責任だと思っていました。
でも、「これは自分の課題?それとも相手の課題?」と考えるようにしただけで、
気持ちの切り替えが早くなり、無理な引き受けも減りました。
今では仕事を頼まれたときに、「期限は◯日でいいですか?」と一文返すのが習慣になっています。
どれも分厚い本ではありませんが、“明日すぐ使えるヒント”が入っていた。
読書を「勉強」ではなく「実験」として読めるようになってから、
自分の中に少しずつ“考える力”が戻ってきた気がします。
- 本を読むことで、止まっていた思考が再び動き出した。
- 読書は“情報集め”ではなく“仕事で試すヒント”。
- 本に書いてあることの実践で「考える・落ち着く・線を引く」の力が身についた。
まとめ|“優しさに頼らず、自分で選ぶ働き方”へ
大切なのは、上司を変えることではなく、自分の軸を立てることだと思います。
上司の優しさを否定する必要はありません。
ただ、全部を任せたり、相手に決めてもらうことに慣れてしまうと、
少しずつ“自分の判断力”が鈍っていきます。
優しさには感謝しながらも、寄りかかりすぎない。
今日の一歩を自分で決めるだけで、仕事の見え方は変わります。
完璧でなくていい。小さな決断を重ねることが、
“自分の軸”を取り戻すいちばんの近道です。
この経験が、同じように悩む方の小さなヒントになればうれしいです。
上司の優しさに疲れたときは、「境界線の引き方」を見直すだけでも心が軽くなります。
→ 頼りない上司に振り回されないための小さな工夫

「上司に悪気はないのに、どうしてこんなに疲れるんだろう」——。
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